「一日の長を認める」と彼はよく僕に言った。彼より僕のWEB小説の方がPVが多かったから。

 それだけで僕は満足してしまっていた。プロになるのが夢だったのに。

 昨日、彼と飲みに行った。

「秘密で書いていた純文学系の小説が、新人賞を受賞したんだ」

 顔を赤くしてビールを飲む彼は楽しそうだった。


 ――お題:「一日の長」、2020年10月2日。

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