第20話 起承転結の承

遅くなりましたが承のお話です。この承は物語の話の軸、本筋に当たる部分になるので重要です。仮に起の時点で本筋に触れなかった場合にはここが最重要ともなる。まぁいってもどれも大事なんだけれど、私が読む上でこの起承が最も重要だと思ってるわけなのですが。


 承とは事件の始まりか2番目だったりする。推理小説なんかでは起で始まりとなる殺人などの事件があり、この承で2度目の事件で主人公と犯人、もしくは事件との邂逅になったりするわけですが、こう考えると承が最も大事と言いたくなるけど起も発端だったりするので最初に読者を掴むところともなり、甲乙つけ難い。

 恋愛においても同じで物語によっては起にて何かで出会い承で邂逅。もしくはこの承で初めて接点をもつなど本当の物語の始まりの部分として重要です。


 そして何より承で求められるのは主人公の性格や行動指針をここで明確なものを提示しなければならない事。これが最も承で求められるもの。そしてその設定に邁進させること。これが出来ていない作品は迷作となり読者を困惑させてしまう。

 目標があるのについ余計な、あらすじとは関係ないエピソードをいれたりしだすと意味不明になってしまいがち。


 だいたい目にするのはファンタジーではヒロイン達との過度なラッキースケベや、追放物にありがちな早々にざまぁ対象視点変更の話。どっちにしてもまだ主人公などの心理描写などが足りず、まだ読者が主人公への依存度が浅いうちにラッキースケベやら他視点の話をされてもつまらないのだ。エロについては語るかもしれないが軽くいうと、そんな序盤でエロシーンを出してしまう作者やそれを喜ぶ読者は、私から言わせると低俗な人間ですと言ってるのと同じである。読みたいなら書きたいなら官能小説を読めと言いたい。(ちなみに官能小説はそれはそれで良いものですよ。男女の心理描写の奥深さを味わえたりすることがあります)。

 ラッキースケベやエロなんかを書けるものはコメディ色が強いものや早々と視点変更させて良いものは多視点を入り交えて書いていくと決めたものだけではないかと思う。


 話が逸れましたが序盤で掴んだ読者の心をここの承でもっと引きずり込ませるところとなり、一番最初の伏線を忍ばせることが多いのもここで、物語によってはここに物語としての根幹の答えがあったりする場所。この起承にてほぼ8割の物語の面白さを決めると言ってもいいぐらい。


 私はこう思いながら読んでるわけだが……ファンタジーにおいてはこの肝心の起承の部分が明確でなかったり、主人公が謎行動をしたり、コメディ色の恋愛でもなさそうなのにエロが出てきたり、ヒロインや敵、ざまぁ対象など主人公以外の視点が出てきたりと……蛇足と感じるものが多い。とそんな感想を最近思っている。

 カクヨムやなろうにて何作もフォローしてはいるが新話が出ても読まずかなり溜まっているのが現状です。

 読まない理由は様々だが、大体はこの起承の構成が原因だったりする。ようは主人公に依存しきれなかったんだと思われる。


 思いつきで始めて起をあまり深く考えず書いたとしても問題にならないことはある。それは町並みであったり登場人物を浅くしか表現しなかったりなどあるのだから。

 ただそうなると承の重要度がかなり大きくなるのだが、どうもなんとなぁく感のまま起承が続いていってるものが多いと感じてしまっている。


 起は主人公、主役、舞台設定、登場人物の心理描写などの基礎となる部分、体を決めるところというのなら、承はそれらの基盤、軸、芯といった根幹を決めるもの。心臓と言っていい。

 このように私は重要なものと思ってるわけなのだが、たぶん本好きは大半そうだろう。おそらくその中でもミステリー、推理小説系好きは特にそうだと思われる。

 あと女性もそうだと思う。理由は少女漫画というのは恋愛ものが大半なわけだが、ほぼ序盤で明確に主人公の目標、行動指針など決められたりしてるからだが。


 やはり序盤で指針を定めてあげるのは何においても重要であるということなのだろう。


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