メンヘラ少女がただただ日常を過ごすだけ

雪音 愛美

はじまり

目覚まし時計が鳴る前にお腹の音で目が覚めた。

気持ちのいい朝だ。

ふわぁ…とあくびをしてベッドから出る。

リビングに行くと姉がるんるん気分で何かを作っていた。

「おはよ、姉ちゃん何やってんの?」

「あ、たまくんおはよー!」

とてもにこやかに告げられる。

どうにもおかしい。

「…姉ちゃん?」

「うーん?」

「…今日、ご機嫌だね」

「うーん」

姉ちゃんはにこやかに言った。


「今日はね、彼氏と一緒に朝から晩までデートなの!」


…それ昨日も言ってなかった?

よくもまぁ飽きないものだと軽く流す。

また板の上にお弁当があった。

「…姉ちゃんそのお弁当…」

「えへへ、喜んで貰えるかな?」

るんるん気分でまた料理し始める。

エプロンがひらひら舞う。

ぴこん、と音が鳴った。

姉ちゃんのスマホからだ。

すかさずそれを見た姉ちゃんの瞳からハイライトが無くなる。


「え、なんで?なんで今日ダメなの!?昨日良いって言ったじゃん!普通恋人は休みの日でも一緒にいるんでしょ!?」



という訳で。

僕の姉が今日もメンヘラです。

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