棚卸し

 クリスマスや年末に向けて、お店の装飾なんかも変わってきて、何だかちょっとずつ気持ちがせわしなくなってきているここ最近ですけども。カクヨムでもクリスマスにちなんだ素敵な自主企画が開かれているので、ちょっとご紹介。


 カクヨムでアドベントカレンダー2020(くれは様 主催)

 https://kakuyomu.jp/user_events/1177354055088627091


 アドベントカレンダーのように、12月25日まで、毎日一つずつ作品を公開してみよう、という企画です。毎日少しずつ作品が読めるっていうの、本当のアドベントカレンダーを開けている時のようで、何だかわくわくしますね! 他の参加者様の作品も拝見しているんですが、皆さん全然違う方向性の作品で参加されていて、読んでいてとても楽しいです。


 ちなみに私は企画専用の詩集を作って、そちらで参加させて頂いております。連続更新、小説は絶対無理だと思ったので……。詩なら過去に書き溜めたストックも多少あるし、新作と織り交ぜながらなら大丈夫かなと。多分。おそらく。きっと。

 もしよろしければご覧くださいませ。

 

 ≪詩集≫スクラップブック

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055089937904


 * * * * *


 さて、今回2つ目の詩集を作るにあたり、詩の棚卸しをする羽目になりました……。上で書いてますが、過去に書いていた詩のストックが多少あるんですけど、カクヨムで発表したかしてないか、どっちの詩集で発表したのか、分かんなくなってきちゃったんですよね。それで情報を一表にまとめることにしたわけです。


 で、棚卸しをしながら過去書いた詩をずーっと読み返してたんですが。つくづく私の詩は暗いなあと痛感しました。もちろん、明るく柔らかい雰囲気の詩も無くはないんですが、諦め、悲しみ、嫉妬……マイナスの感情を描いている作品が圧倒的に多い。

 詩は小説と違い、世界観や登場人物というかせが無い分、作者の感情が表に出やすい文芸作品だと思います。暗い詩が多いっていうことはつまり、私自身、マイナスの感情を抱きやすいということなんでしょうね。そしてそういったマイナスの感情を堪え切れずに、発散させるために、詩として言葉を叩きつけている、と。


 過去の私は、仕事も忙しく頼れる人も居ない中、期待に応えなきゃとか、認められたいとか、そういう感情にずっと支配されていたのかもしれません。

 認められたいのに認められなくて、諦めなきゃいけないのに、未練ばかりで諦めきれなくて。そんな相反する感情に揺れるばかりで、苦しい状況から抜け出せない――過去の詩からは、そんな自分の叫びが聞こえてくるようでした。


 でもその一方、小さな救いも見つけることができました。

 最近になって書いた詩(「てのひらものがたり」「キャンディは見当たらない」)は、そんな、痛々しい過去の作品に比べて少し丸くなっていたんです。いや、相変わらずテーマはネガティブなんですけど、言葉の棘が少し柔らかくなっていたんですよね。

 職場環境が変わって穏やかに過ごすことが出来て。以前に比べたら、承認欲求とも多少は上手く付き合えるようになって。結果、そんな心の余裕が、詩にも表れてきたのかもしれません。



 詩の状況を一表にまとめたい、っていう目的で始めた棚卸しでしたが、思いがけず、自分自身を見つめなおす良い機会になりました。過去の詩を読むのは心理的に若干辛い部分もありましたが、でも読み返したからこそ、最近の詩の変化にも気付けたのかも、なんて思います。

 今後私自身、どんな詩を書いていくのか。またしても痛々しい詩になるのか、それとも、もっと柔らかい真っすぐな作品を生み出していくのか。

 次に棚卸しをした時、私の詩は一体どんな風に変化しているんでしょう。少し怖くて、でも、楽しみです。


 ……いや、生来のひねくれ具合を考えると、真っすぐなだけの詩は書けないような気がするな……。まあ、それもまた私の個性ってことで。

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