イオリ、異世界生活を始める

 女性神官は、マコトとイオリを神託府の外にある別の建物に案内してくれた。

 これから、二人が生活する建物だ。


 二人は、二つのベッドが並べられた部屋に案内された。


 イオリが言う。

「同室ですか?」


「ええ、同室よ。

 イオリは手前のベッドを使いなさい。

 マコトさまは奥のベッドをご利用ください。

 着替えを手配したいので、体の寸法を測らせてくださいね」


 女性神官は、そう言うと、メジャーの様なもので、二人の各部のサイズを服の上から測った。

 

「マコトさまは男性用の着替えを用意しますので、体の変化が安定するまで、胸にはサラシを巻いてくださいね」


「わかりました。イオリは女性用の衣類?」


「ええ、イオリには女性用の衣類を着用させます。

 治癒の奇跡の代行者は女性のみなのです。

 女性しか入れない場所にも出入りさせますので」


「私も出入り禁止?」


「はい、勇者さまは今後はトイレも含めて男性として扱われますので、ご容赦ください。共同浴場も男性用と女性用で分かれておりますので、ご注意ください。

 ただ、勇者さまは、ご不便かもしれませんが、体の変化が落ち着くまではこの部屋に併設されている個室のシャワー室をご利用ください」


 マコトはイオリに誇らしげに言う。

「だってさ、乙女イオリ」



 ……



 女性神官が二人の着替えを数着運んできてくれた。

 意外と文化レベルが高いらしく、現代風の衣類や下着類だった。


 マコトが用途と着用方法を尋ねたら、事細かに説明してくれた。

 騎士が着る様な訓練用の軽装備などが含まれていたからだ。


 イオリの衣類は、完全に女性ものの衣類だった。

 下着類は潤沢に提供された。儀式で身を清めたりと一日何度も下着を着替える必要があるかららしい。当然の様に、生理用品も潤沢に提供されていた。

 ブラは、サイズが安定するまでは、スポーツブラの様なものをつける様に言われた。普段着は、スカート丈の短いタイトなワンピースと純白のニーハイソックスとガーターベルトの組み合わせで統一されていた。『契約の乙女』の正装らしい。

 儀式で身を清める時と眠る時は、一緒に提供された中世の白いパジャマの様な衣類を着用する様にいわれた。それ以外の時は、『契約の乙女』の正装を必ず着用する様にきつく指示された。

 部屋の鏡台には、イオリ用の化粧品類がたくさん入っていた。

 使用方法をレクチャーされ、『契約の乙女』の正装を着用する時は、すくなくとも髪を整え、口紅を塗り、眉を整える様にきつく指示された。さらに、厚化粧にならない様に注意された。


 異世界から着用した衣類や持ち物は、全て回収され、帰還できる時が来るまで大切に神託府で保管してくれるとのことだった。


 二人は就寝用の部屋着に着替えさせられていた。


 マコトは胸があるので、部屋着の上着用としてキャミソールが提供されていた。

 イオリは儀式用の中世の白いパジャマの様な服を着用させられた。

 

 マコトがニヤニヤしながら言う。

「うふふ、可愛いね。清楚な感じでにあってるよ。

 明日からはお化粧もしなくちゃだね。

 最初のうちは手伝ってあげるから安心してね。

 でも自分でできる様にならないとダメだよ?」


「わかってる……。

 でも、俺、こんな生活やだよ」


「なら早く魔王を倒さなきゃね? 乙女イオリ」


「……」



「そーだ、イオリ、シャワー浴びておこうよ」


「じゃ、お先にどうぞ」


「何言ってるの? 一緒に浴びるんだよ」


「嫌だよ」


「ダメだよ、レクチャーすることあるし。

 早く脱いで、乙女イオリ」


「……」


 イオリは仕方なく裸になる。

 お尻が妙に艶かしいのでどうも男らしく見えない。

 

 マコトも裸になる。

 女性の体ではあるが、お尻が引き締まってる感じがして、クールな印象を受ける。

 

「ほら、入るよ」

 マコトがイオリの手を引き、シャワー室に入る。

 マコトは気にせず、容赦無くレクチャーを始める。


 イオリは、マコトの胸と股間が気になって集中できない。


「だいだいわかったから、もう勘弁してよ」

 イオリが訴える。


「んー……まぁ、いっか。

 あとは共同浴場でお姉さん方の真似すればいいからね?」


「共同浴場はいかないよ」


「ダメだよ、女性として生活するのだから慣れなよ。

 明日からはシャワー室つかわせないからね?」


「……わかったよ」


「あ、おっきくなっちゃった。どうしよ?」


「どうしよって、放っておけばそのうち戻るんじゃない?」


「ちゃんとレクチャーしてよ」


「本当にするの?」


「うん。なんか変な気分になってきた。

 男ってこうなんだ。やっぱエロいね」


「しごけばいいんだよ」


「どうやって?」


「俺にやらせるの?」


「うん。

 お化粧は最初は私がやってあげるのだから、これくらいして見せてよ。

 はやく、我慢できない」


「……わかった」


 イオリはしゃがんで、既に自分には無くなってしまったマコトのアレに手を伸ばす。

 こんなに間近でアレをみるのは初めてだった。

 他人のアレを見るのは気持ち悪いかなと思っていたが、

 意外なことに自分の股間の奥が何か変な感覚になり、ドキドキした。


「まだ?」

 マコトが急かす。


 イオリは、握るとしごき始める。


「おお、すごい、気持ちいい。

 男子ってこんな感じなんだ」


 事後。

 二人は体を洗い流すと、乾燥させて、就寝着を着た。


 マコトが機嫌よさそうに言う。

「すっきりした。

 男子って手軽でいいね。

 気に入っちゃったかも」


 イオリが言う。

「次からは自分でしてね」


「わかってる。ありがとね」



……



 翌朝、二人は訓練のため、神託府から提供された装備に着替えている最中だった。


 マコトが胸に晒しを巻きながら、イオリに言う。

「もうどうにもならないし、契約が果たされれば帰還できるって言うし、頑張ろ?」


 イオリは、就寝着を脱ぎ始める。

 ショーツに包まれた股間には何もなく、いかにも女性的な大きなヒップが、イオリに現実を突きつける。


 純白のニーハイソックスに足を通し、ガーターベルトで固定する。すでに胸が敏感になってることもあり、スポーツブラの様な下着をつけてから、スカート丈の短いタイトな紺色のワンピースを身につけた。


 姿見を確認すると、股間と臀部の骨格が女性化しているせいか、すこしだけ女性的な体のラインが出来上がっていた。


 マコトは、自分の身支度が終わると、イオリを鏡台の前に座らせ、眉毛の形を整えてから、お化粧を施した。

 そして、髪にブラシを通し、前髪に鏡台にしまってあった髪留めをつけた。

 

「可愛いよ、イオリ。自信出してね」


 騎士がマコトを、女性神官がイオリを迎えに来る。


 マコトは体力つぐりのほか、剣術や魔法、乗馬などを学ぶことになっていた。

 すぐに連れて行かれてしまった。


 イオリは、治癒の魔法を学ぶことになっていたが、まずは、部屋の掃除をさせられた。

 ベッドのシーツ類も交換して、次に連れて行かれたのは、洗濯場だった。

 勇者の連れとして、勇者の身の回りの世話をできる様、一から仕込まれるらしい。

 マコトは〝さま〟付けされて、イオリは呼び捨てされていたので妙だなと思っていたが予感が的中した。


 洗濯物を干すと、ようやく治癒の魔法のレクチャーが始まった。

 心得等から始まり、日々の習慣など細かく指示された。

 儀式用の衣装と予備の下着類を取りに行かされた。


 男子禁制の敷地に入り、儀式用の衣装に着替えさせられ、敷地にある泉の水を浴びて、身を清めさせられた。

 儀式服は、水に濡れるとスケスケになり、肌に張り付いた。

 イオリの大きなヒップが、女性的な印象を強調した。


 そして、祭壇に連れてゆかれ、祈りを捧げ、治癒の奇跡を行使する契約を治癒の女神と結ばされる。


 あとは、ひたすら、身を清め、祈りを捧げることを繰り返させられた。


 この世界には朝食と昼食の習慣がない。

 その日は昼過ぎまでひたすら、祈りを捧げる儀式をさせられた。


 その次は、濡れた服を着替えさせられ、男子禁制の敷地内の別の建物に案内された。

 そこには、テーブルの上にナイフと植物の植木鉢が並べられていた。

 イオリはその一つの席に座らされ、祈りを捧げながら、植物を切りつけ、回復させる訓練をさせられた。


 夕刻になると、男子禁制の敷地内のさらに別の建物に案内された。

 そこは、『契約の乙女』としての儀式の訓練場だった。


 勇者……マコトと男女の契りを交わして、マコトに対する治癒魔法の効果を飛躍的にあげる儀式の一つだ。

 ゴムの様な材質の男性器を模した道具をつかって、口や手でマコトを喜ばせる作法を日が沈むまで学ばせられた。


 その後、イオリは、神託府へ連れて行かれた。


 下着は脱がされ儀式服だけ着せられた。

 設置されている鏡台の前で髪やお化粧を直させられた。

 そして、『契約の乙女』の儀式の間に通される。


 床に、薄らと輝く魔法陣が描かれ、中央には荘厳なデザイン椅子が置かれていた。


 誰もいない椅子の前で、勇者が座るまで、女神への祈りを捧げる様に指示される。

 

 イオリはひざまずき、治癒の女神に祈りを捧げる。


 別の部屋からマコトが下半身裸の状態で、入ってきて、椅子に座らされる。

 

 そして、夕方の練習の通り、マコトを喜ばせる儀式を進める様指示された。


 イオリは、何度もマコトを喜ばせ、射出物を浴びさせられた。

 その度に、魔法陣は輝きを増した。


 そして、最初は乗り気でなかった二人だったが、

 回数を重ねるたびに、背徳感が消え、言い知れぬ高揚感が増していった。

 そして、いつしか、お互いに求め合う様になった。

 

 儀式の終了が告げられ、イオリはマコトが退室するまで、ひざまずき、治癒の女神に祈りを捧げさせられた。


 イオリは、奥の部屋にある泉の水で身を清めさせられたあと、正装に着替え、汚れた衣類抱えて、部屋に戻され、着替えを持たされて、女性神官と共同浴場へ向かった。


 女性神官はイオリの体を隅々まで洗い清めさせた。

 正装に着替えさせられ、化粧を直させられ、部屋に汚れた衣類を置きに戻ったあと、食堂に案内された。


 長いテーブルに席がいくつも並べられていた。

 既に男性神官達や騎士達が座っていた。

 大神官の隣の上座にマコトが座っていた。


 イオリは、厨房に案内され、マコトの食事の場所と給仕の仕方を指示された。

 マコトの食事が終わるまで、側にいて、水やワイン、おかわりなどの手配をするよに言われた。


 イオリは指示通り、食事を運び、マコトの左隣に立った。

 騎士達の隣には女性神官が立っていた。

 

 騎士達は、臆面もなく、女性神官のお尻を揉みしだいていた。


 それをみたマコトは、真似をしてイオリのお大きなお尻を揉みしだいた。

 会話は禁止されていたので、イオリは何も言えなかった。


 やがて夕食が始まる。


 マコトの食欲は旺盛だった。

 たくさん運動をさせらて、相当疲れていたのだろう。

 イオリは、何度もおかわりを運び、コップに水を組み直した。


 男性陣の食事が終わり、片付けを済ませてから、女性陣の配膳をし、祈りを捧げて、つつましやかな食事を済ませた。


 イオリは、マコトが座っていた席に座らされた。


 何故かイオリはほとんど食欲がなく、出された食事の3分の1くらいしか食べられなかった。


 食事終了後、女性神官がお化粧を直し始めたので、イオリもそれに習ってお化粧をなおした。


 後片付けをして、自分の席の周辺をきれいにすると、部屋に戻って良いといわれ、明日からも同じ様に頑張る様に労われた。



 たった一日ではあるが、とても長く感じた。



 イオリが、部屋に戻るとちょうど、マコトがシャワーを浴び終わったばかりだった。



「おかえり、イオリ。おつかれさま。

 疲れたでしょ?」


「マコトほどじゃないと思うよ?

 運動らしい運動は全くしてないし」


「でも、精神的にはかなりきたんじゃない?

 まさかあんなエロいことさせたれるとは思ってなかったでしょ?」


「……まぁね」


「最後の方はお互いにノリノリになっちゃったね……。

 イオリ、本当に女の子になったみたいな顔してしゃぶりついてたしね」


「おねがいだから、その話はしないでよ……はずかしいから」


「まぁ、しばらくは我慢だね。どうしようもないし」


「……うん」


 イオリは、儀式服に着替えて、お化粧を落とし始めた。


「すっかり様になってるね」


「うん。今日、何度もお化粧直させられたから慣れた」


「スッピンもかわいいよ」


「……うるさい」


 マコトは就寝着に着替えて、ベッドに座る。


「イオリ、ちょっとこっちきて」


「もうちょっと、まってね。

 お化粧落としちゃうから……なに?」


 イオリは、鏡台から立ち上がると、マコトの前に行った。


 マコトは、イオリのお尻を揉みしだいた。


「え? あ、ちょっと、なにするの?」

 イオリが赤面した。


「やっぱり、いいお尻してるね」


「……もう、好きにしてよ」


「する。

 ということで、してくれる?

 たくさん練習したのでしょ?

 話は聞いてるよ?」


「え? あれだけやってまだ足りないの?

 明日の儀式の時でいいじゃん」


「イオリ見てたらムラムラしてきちゃった。

 イオリだって好きなんでしょ?

 私のおちんちん」


「……勘弁してよ。

 儀式まで待って。

 おねがいだからさ」


「もし、私が夢精したら、

 女性神官からイオリが叱られるよね?」


「そうだけど……」


「このまま寝たらやばそうなんだよね……。

 してくれる?

 3回でいいからさ」


 仕方なく、イオリはひさまずく。

 マコトは嬉しそうにパンツを脱いで、ベッドに座る。


 イオリは、早速済ませた。


「流石に、もう大丈夫だよね?」


「うん、すっきりした。

 ありがと、また明日もよろしくね。

 なんか、勇者の性欲ってすごいらしい。

 今、私が身をもって感じてる。

 イオリも感じてるか……あはは。

 それじゃおやすみ」


「おやすみ」


 イオリは、洗面所にいって、濡れた下着を履き替えた。

 そして口を洗ってから、ベッドに入り就寝した。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る