第11話出会うのが神って本当ですか?!

「いてて……なんだよ急に」

「ふむ、やっと来たかね」

「ん? 誰だ?」


 俺は声が聞こえた方向に顔を向けてすぐに目に入ってきたのは、


「神殿……なのか?」


 まさに神殿としか言えない。ゲームとかでよく見る純白の机やいす、壁や床には当然だがシミ一つない。照明のシャンデリアは金で出来ているが、下品にならないように作りこまれている。


「あれ、なんでここに?」

「それは私たちがあなたを呼んだからよ」


 俺は声のした方向を再び見た。そこには純白の円卓があり、その机の周りに八人の男女がいた。


「あの、あなたたちは?」

「まぁまぁ、とりあえず座りなよ」

「あ、はい。 失礼します」


 俺は少年のような見た目をした人に言われた通り、唯一空席だった椅子に座った。隣には先ほどの少年のような人に、今いる八人の中で紅一点の女の人がいる。


「それで、ここは一体?」

「ここは神域。 そして、下界では【神々の住処】と呼ばれているところです」

「ご丁寧にありがとうございます」

「いえいえお気になさらず」


 俺の質問に優しそうな男性が答えてくれた。


「さて、まずは自己紹介からか。 私は創成神クーリエ」


 創成神クーリエは人で言うところの六十代ぐらいの厳格な父親のような見た目をしている。


「私は生命神イーフラと申します」


 イーフラと名乗った神は神官に近いような服装をしている。年齢は二十代後半ぐらいだろうか。


「ワイは時空神ククロや」


 ククロと名乗った関西弁を話す人は狐目をしたへらへらとしたような人だ。人に例えるなら三十代ぐらいだろうか。


「わしは魔法神ジーマ」

「俺は武道神マーシャだ」


 ジーマはローブをまとった優しそうな老人姿で、武道神は何故か柔道着だ。なんか暑苦しい感じはするが悪い人ではなさそうだ。


「僕は感情神モイだよー」


 俺の隣にいる十歳ぐらいの少年に見える人は感情神らしい。一番馬が合いそうなのはこの人だと思う。


「わたくしは商業神コースです」

「私は運命の女神フェトよ」


 コースはふくよかな体系をしており、親戚のおじさんのような雰囲気がする。フェトと名乗った女神はすごい美人だ。俺の元居た世界ならモデルとして一財産築くことはたやすいだろう。


「お主を呼んだのはほかでもない」

「?」

「単刀直入にいうと、君には神になってもらう」

「なるほど、神にな……って、えぇぇぇぇぇえ?!」

「まぁまぁ落ち着きなよ」

「あ、はい」

「クーリエはんや。 流石に端折はしょりすぎやで」

「む? そうか?」

「確かに省略しすぎだな」

「あの、一体どういうことですか?」


 俺の頭の中だと、飛ばされて目の前に神殿があって神がいて、俺が神になるという訳の分からない状態だ。


「ふむ、ならもう少し詳しく話そうか」

「お、お願いします」


 俺、どうなるの?

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