第20話 勝者と敗者

『これから終業式を始めます。まず始めに校長先生からのお話です』


白熱した戦いだった球技祭から1日たち、夏休み前の全校集会が始まった。俺達4組の男子生徒は全員寝不足なのか校長先生のありがたいお話を睡魔と戦いながら聞いていた。


ー流石に昨日の男子のみの打ち上げはキツすぎた。打ち上げのせいで花蓮さんの手料理が食べられなかったし。今日の夕飯に作ってくれるらしいから楽しみだー


俺達4組は打ち上げで優勝とあることについて盛り上がっていた。そんなことを考えていたら、校長先生と生徒会長のお話が終わった。なんか、生徒会長毎回喋ってね?そんなに伝えたいことあるのかな?


『続いて球技祭の結果発表を致します。2位、3位のクラスの代表者はその場で立ち、優勝クラスは代表者2名ステージに上がってください。それではまず女子から行います。卓球3位は〜〜〜』

やはりどの部門も1年が優勝している部門はないようだ。


『続いて、男子です。サッカー3位は〜〜』


「なぁ、幸也。やっぱり俺とお前がステージに行けとみんな言ってるぞ」

「まじか。あんまり目立ちたくないのに…」

「いやいや手遅れだろ。昨日のプレーとあの行為でお前は今一番目立っているぞ。諦めろ」

「はぁ〜わかったよ」


『最後にバスケ部門です。3位は3年4組です。2位は3年6組です』


ザワザワザワ


周りがうるさくなった。それもそうだろう。

なんたって俺が負けて呆然としている先輩に「負けたんだからクラスの男子全員を底辺と馬鹿にして申し訳ございませんと土下座しろよ。文句は言わせねぇよ敗北者。しかも女子を賭けの対象にした挙句、負けたんだから早くみんなの前で土下座しろよ」と言って観客もいる前で土下座させたんだから。


『ねぇ見て。女子生徒を無理やり賭けさせたあげく負けた人がいるよ』


『人を賭けの対象にするとか酷すぎるよね』


『いい人そうだったのに残念だなぁ』


『女誑しもこれで終わりだな』


『てか、勝負に挑んであの無様な敗北は笑うわ』


『よく堂々としていられるよな』


『1年の米谷ヤベェな。バスケ部入れば強豪校になるんじゃね?』


ヒソヒソヒソヒソ


矢作先輩が立った瞬間ヒソヒソ話が始まり、よく見ると矢作先輩の肩が恥ずかしさのあまり、震えていた。


ーまぁ、自業自得だから同情する気はないけどなー


『そして、バスケ部門第1位は、なんと1年4組です。4組の代表者2名はステージに上がってください』


ウォォォォォォォォぉぉぉぉぉ


なんと先ほどのヒソヒソ話が嘘のような全校生徒からの声援だ。

『4組すごかったよー』


『米谷君カッコ良かったよー』


『渡辺君も佐川君も滝沢君も凄かったよー』


『川西君のディフェンスも迫力あったよね』


『4組サイコー』


『みんな凄かったが米谷がヤバすぎ』


『U15とかセコすぎんだろw』


『クソッ。いいところ見せつけて女子にモテようと思ったがお前のせいで台無しだチクショウ。でもおめでとう』


最後の奴以外の声援は素直に受け取ろう。最後のはなんか恨みの方がデカそうだからな。

代表者である徹と俺がステージに向かう。


『第〇〇回バスケットボール部門優勝1年4組。あなた達は素晴らしい結果も出したことをここに表彰します。おめでとう』


「「ありがとうございます」」



「これから夏休み前最後のHRを始める。と言っても言うことは特にないな。とりあえずバスケ部門優勝おめでとう。1年が優勝は学校初らしい。夏休みに入るがハメを外さずにまた会おう。それではこれで今日のHRは終わりだ」


こうして、トラブルがあったりした一学期は終わりである。


その日の夜


「あらためて幸也君、優勝おめでとう。助かったよ!だから昨日はできなかったけれど今日は豪華にしてみたよ!」


「わぁぁすごい。花蓮さんありがとう!それに俺は約束を守らずに花蓮さんを奪われるのは嫌だったから勝てて良かったよ」

「それってプロポーズ・・・」

「ん?何か言った?」

「うんうん何でもないよ。それよりも幸也君のラストは本当にカッコ良かったな〜」

花蓮さんは何か言っていたけど何でもないならいいかな。


「なんだが面と向かって言われると照れるな〜。でも、リミットがなければもっとできたんだろうなぁ」

「夏休みの宿題をやったらまた、克服するために頑張ろうね」

「おう。サンキュ」


「あ、あとみんなで集まって遊びたいし、幸也君と2人でも遊びに行きたいなぁ」

「ん?全然いいよ。夏休み中に2人で遊びに行こう!」


「えっ!?声にでてた?恥ずかしいなぁ」

「みんなとも遊べたらいいね」

「そうだね」


「とりあえず」



「「一学期お疲れ様でした!!」」

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こんにちは。春幸 夜空です。

更新が遅くなってしまい申し訳ございません。

これにて第一章は終わりです。続いての第二章をお楽しみにしていてください。


面白かったり、早く続きが読みたい人はいいね!レビューや作品のフォローなどしていただけたら嬉しいです。

誤字訂正もありましたら教えてくださるとありがたいです。



※今月は学生にとっては悪魔である定期テストがあります。テスト勉強のため、更新が不定期です。(なるべく一週間に一度更新できるように頑張ります)

こちらの都合で更新が遅くなってしまうのですみません。

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