第12話 花蓮さんの料理は絶品です

「これにて、帰りのHRを終わりとする。今日から部活動紹介が始まるから部活動に入りたい者は各部活に行ってください」



滝々峰高校は入学式の次の日から授業が始まる。しかし、大半の教科は自己紹介とこれからの進め方で終わり、本格的な授業は明日からとなった。


「徹は今日からバスケ部行くのか?」

「当たり前だろ。なんならお前もくるか?」

「冗談はやめろよ」

「分かってるって。でもやりたくなったらいつでも言ってくれよ。明日、部活の雰囲気とか教えるから」

「サンキュ。じゃあまた明日な」

「おう」


徹と教室で別れた俺はこの後の花蓮さんに御馳走してもらえる夕飯が楽しみであった。

そんな花蓮さんだが今日はいろんな所に行っているのか、休み時間にクラスにいる時間が少なかった。そして、帰る前も何かあるのかわからないがすぐに教室を出てしまった。


ー何かあったのだろうか。今日はまだ一度も喋ってないなー


花蓮さんが忙しいのであればまた後日でも仕方ないなと思い、Rheinしようとした。

基本、校内ではスマホの使用は禁止である。なのでバレないように校舎裏で連絡しようとしたら先客がいた。


「橋本さん!一目見た時からあなたのことが忘れられません。俺と付き合ってください」

「ごめんなさい。あなたのことを知らないのでお付き合いするのは無理です」

「なら、友達から始めよ。 Rhein交換してさ」

「いえ、下心丸出しの人とは Rhein交換したくはありません。私への用事は以上ですか?これから用事があるので失礼しますね先輩」


どうやら花蓮さんに告白をしていた少し顔がいいAさん(名前知らないから)は先輩だったようだ。なんか自信満々に告って振られてざまぁねえな。てか、花蓮さんこっち来るやん。見てたのバレないように隠れなきゃ。


「幸也君、バレバレですよ」


「……悪かった。なんか花蓮さんが忙しそうだったから後日でもいいとRheinしようとして来たらちょうどだったんだ」

「そうだったんだ。でももう大丈夫だよ。忙しかったのは全部、告白でそれを断っていたからだよ」


「それはすげぇな。それで誰かと付き合うのか?」

「みんな一目惚れですとかで内面を見ようとしないし、知らない人だから全部断ったよ。それに興味ある男子いるし」

どうやら花蓮さんは付き合わないらしい。最後は声が小さくて聞こえなかったが…


「この後大丈夫なら一緒に帰らない?」

「いいよ。スーパーにも寄りたいな」

「荷物持ちは任せろ」












「ハァハァ。意外と重すぎだろ」

「荷物持ってくれてありがとう。ここからは私が作るから幸也君は休んでて」


スーパーから家に帰るまでのたった5分の距離なのに俺は息を切らせていた。貧弱で恥ずかしい。

でもここから花蓮さんが手料理を振る舞ってくれると考えると容易いことだ。

そんなことを考えているとキッチンから花蓮さんの鼻歌が少し聞こえて来た。


約40分後


食卓には豪華な料理が並べられていた。

ハンバーグに海老フライ、天ぷらやサラダなどすごく美味しそうなのばかりだ。

「めちゃくちゃ美味そうだ。食べていい?」

「いいよ」


「じゃあ「いただきます」」


俺はまずハンバーグを食べた。

「何これめちゃくちゃ美味すぎるんだけど。今まで食ってきたハンバーグの中で一番美味ぇ」

「あ、ありがとう」

花蓮さんは料理を褒められて照れている。

その後にもいろいろなものを食べたが全てが美味かった。


ー明日からも食べたいなぁー


「明日からも食べたいなぁ」


「えっ!?」


「えっ?声にでてた?ごめん、嫌だったよな」

「じゃあ幸也君がいいのなら明日からも一緒に食べない?家が隣だし、お互い一人暮らしだから1人で食べることになるじゃん。1人より2人の方が美味しいと思うんだ」

「いいの?こっちとしてはありがたいけど」

「では、明日からも一緒に食べましょう!」

「それは楽しみだ。食費はこっちで出すから」

「ダメです。自分の分は自分で出すので折半にしよう。あと、一緒に食べれない時は Rheinしてくださいね」

「了解」


食べてる最中に思わず口に出していってしまったが結果は明日からも一緒に食べれるからこっちとしては嬉しい気持ちでいっぱいだ。






食後にコーヒーを飲んでいた時に花蓮さんがこんな提案をしてきた。


「昨日はほんとにかっこよかったよ。またバスケしたいと少しでも思った?思ったならトラウマを克服できるように私も手伝いたいな」

「たしかに今は少しやりたいなと思ってるけどトラウマは俺が思っている以上にひどいから克服できるかわからないよ」

「でもやってみようよ!近くの公園にバスケットリングがあるのでそこで少しずつ克服していこう!」

「わかった。克服まで手伝ってもらって申し訳ないな。俺ができることならなんでも言ってくれよ」

「わかった!じゃあ明日から克服の方もやっていこうね」

「おう」



















ここから俺はトラウマを克服する特訓が始まる。

また、徹と一緒にバスケができることを期待したい。



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こんにちは。春幸 夜空です。

祝!PV4000人突破!、作品フォロー数150人突破!

処女作にしてはなかなか良い出だしだと思ってる自分が少しいます。


幸也はこれからトラウマを克服していき、再びバスケができるように読者の皆さんも応援していただけると嬉しいです。


花蓮さんの自宅を近所から隣の部屋に変更いたしました!!!

そちらの方がこの後も都合が良いので…


面白かったり、早く続きが読みたい人がいましたらいいね!レビューやフォローなどしていただけると嬉しいです。

誤字訂正等もありましたら教えていただけるとありがたいです。

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