第3話 かき氷

  夏のざわめき

  音の波たち


  水色の浴衣

  少し手折って、


  赤い金魚

  追う紙の揺らめき


  貴方と指を絡めて

  くぐってゆく

  提灯の明かりの群れ



  熱さを忘れたくて、

  二つ手にした かき氷


  貴方の好きなレモン味


  私の好きなイチゴ味


  溶けてゆく

  甘く 口の中で……



  でも、

  夏が終わる頃には


  私も貴方も


  同じシロップを

  好きになってるわ。



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