ジャンヌに関する本は沢山出ていますが、ミシュレのものが好きで読んでました。
数年前テレビで、火刑にされたのはジャンヌの替え玉説を大真面目にやっていて「マジか」と想いながらよくある生存説の一つとして楽しく観ていました。素性を隠して葡萄農園を持っている貴族の奥さんになったみたいな話になってました。というのも刑場に引き出されてきたジャンヌは、なんだか浮浪者みたいだったそうなのです。農家の娘らしい健康美にあふれていた少女とはちょっとかけ離れているような。そしてこの葡萄農園の貴族の末裔は、ジャンヌがらみの取材に絶対に応じないのだそうです。少しロマンでしょう? 絶対ないだろうことを、けっこう真面目に作っていた番組だったので、印象に残っているのです。
作者からの返信
朝吹さん、コメントありがとうございます。
殺された英雄に対して生きていて欲しかったという願望がそういう説を作ることはよくありそうですね。貴族の奥さんというところが色付けが濃くなっているように見えます。
逆に死刑台に連れて来られたジャンヌが浮浪者のようだったという方に現実味を感じます。きっとそれも無理はないだろうと考えてしまいますね。残酷です。
モネの「ルーアン大聖堂」の連作は天候や時間帯によって光が及ぼす色調と質感の変化を捉えた大作ですよね。私はヨーロッパ絵画500年展を見に行った時に買った正午のあたたかな色調のルーアン大聖堂の絵葉書を1枚、持ってます。間近で見る大聖堂は迫力があったことと思います。
そして、ルーアンは百年戦争でフランスを勝利に導いたジャンヌ・ダルクが敵国イングランド軍に捕えられ、1431年には宗教裁判にかけられ処刑された地。当時イングランドの支配下にあったため街の商人や聖職者たちは敵軍を支持していたそうですが、その後、フランスは領土回復への戦いにより1449年にはルーアンを取り戻し、1450年にフォルミニーの戦いに勝利することにより、ノルマンディは再びフランス領となったそうです。
歴史を少し振り返って、ルーアン市庁舎に掲げられた横断幕の「平和」への思いが改めて心に迫りますよね。
味わい深い旅の記録をありがとうございます。
作者からの返信
中澤さん、コメントありがとうございます。
ルーアン美術館にあった大聖堂の絵は曇りの日を描いた少し寂しさのあるものでした。正午の大聖堂はあたたかな色調なんですね。実際に見るととにかく圧倒されました。時間によって表情が変わるようなところに目をつけるのはさすが印象派の画家ですね。
ルーアンは百年戦争でイングランドから、その後も普仏戦争や第二次大戦でドイツの侵略を受けた辛苦の歴史がありますね。そういう経験のある街が掲げる平和へのメッセージはとても重いものがあると感じます。
主観的な感想が多い旅の記録で恐縮ですが、あたたかいお言葉に励まされました。こちらこそお礼申し上げます。
こんにちは。
人が街の雰囲気をつくる、その通りだと思います。特徴的な街並みにしても、そこに暮らした人たちが営々と築きあげたものなんですよね。
たしかに旅人の見る街は表面の一部でしかないかもしれませんが、なにか琴線に触れるものがあったとしたら、それはやはり街の真実を写しているのだと思います。その街を知ろうという意思ある旅人の目に映ったものならばなおさら。
作者からの返信
久里さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いろんな国をご存じの久里さんに共感して頂けると嬉しいです。昔からの人々の暮らしが築き上げてきたものですよね。
二泊の旅で語るのはおこがましいという気もしたんですが、そう言って下さって安堵しました。琴線に触れたものはずっと忘れないと思います。お優しいコメントに感謝です。ありがとうございます!
編集済
イスラエルとパレスチナの問題を考えると、もう本当にどうしたらよいのか解らなくなります。憎悪と憎悪の連鎖…くらくらして途方に暮れます。
それでも向き合うことを諦めない。人が存在する限り争いが生じるというなら、人が存在する限り語り合おう。そんな気概を横断幕から感じます。
…人は愚かだが、学ぶことができる。学ぶ機会を、有り難く頂戴致します!
作者からの返信
日本ではどうか知りませんが、フランスではおかしいことをおかしいというとおかしなレッテルを張られます。見当違いなことになっています。都合の悪いことは言わせたくない、それがお上の本音なのでしょう。だからルーアンの市庁舎がしていることは控えめなようではっきりとした主張だと感じました。歴史って、そこから学ぶためにあるはずなのですが。
色々と雑多な旅行記でしたが、お付き合い下さり、心のこもったコメントに感謝です。ありがとうございます!
その街の持つ歴史や、過去の偉大な人物など、誇るものがあるからおおらかで強い街で在り続けられるのでしょうね。プラハにも似たようなことを感じた覚えがあります。
柊さんのこの素晴らしいエッセイのお陰で、やっぱりルーアンに行ってみたくなりました。……か、カマンベール目当てじゃありませんよっ。食べたいけど(笑)
今回も本当に羨ましい、素敵な旅でした。いつも思うんです……書籍化して、特別付録とかでナレーション付きの映像DVDが欲しい……。
作者からの返信
烏丸さん、コメントありがとうございます。
歴史を誇るのと同時に歴史から学ぶことがあるのも感じましたね。それを全部包み込んでるようなおおらかな雰囲気があるのかも知れません。
どう書けばいいのかあちこち悩んだんですが、そう言って下さるとエッセイにしてよかったです。カマンベール目当てでも笑(食べ物は大事です!)
久しぶりの旅にもお付き合い下さって、励みになるコメントまで。本当にありがとうございます!
ルーアンの旅は③のカマンベールで終わりかと思っていたら、④があったので得した気分で読みました。
柊さんの目に入るもの、それを見て思う事が流石だなと思います。
普通は見えない、感じない所を拾って下さる所が素敵です。
大切なのに知らない事を少しでも知る機会を頂いています。
一介の観光客がこんな旅をして、しかもこんなエッセイを書いてくれたら、ルーアンはとても喜んでいるでしょうね。
作者からの返信
風羽さん、コメントありがとうございます。
実はカマンベールで終わろうかと迷ったのです。でもやっぱり一番気持ちに残ったことが書きたかったので。
短い観光なのでルーアンが分かったとは思いませんが、表層からでもどことなく街の性格が見えたような気がしました。それが何よりの魅力に感じました。
正直言うとどこまで書いていいのかちょっと悩みまして、かなり抑えました。でも文章から感じ取って下さったんだなと思うと嬉しいです。
一介の観光客の旅行記にお付き合い下さり、全話通してのあたたかいコメント、本当にありがとうございます!
柊圭介さん、こんにちは😊
街の雰囲気はそこに住んでいる人々が作り出すのではないかと思うという柊さんの言葉にほんとにそうだなって思いました。
道一つ聞いても、その土地で働く人たちを見ても、素朴な優しさが感じられるのは旅人にとって景色や建物だけではない思い出を作ってくれますね。
そんなあたたかな旅の中で見た市庁舎の正面の大きな横断幕。
>ふたつ並んだ旗を見ながら、この街の人たちの姿が浮かんだ。
見過ごしがちな場面にそんな風に思いを馳せられる柊さんの感性に私は心打たれました。
観光客である柊さんが今のままおおらかで強い街でいて欲しいと願うルーアンの街に私も魅せられました。
作者からの返信
この美のこさん、こんにちは😊 コメントありがとうございます。
旅行するときって景色とか観光地に目が向きますが、ルーアンは自然と人の様子が目に入ってきました。それで観光客なりに感じたことを書いてみました。
もっと時が経ったら、風景よりもむしろ人の方を覚えてるかも知れませんね。
この横断幕はかなり強いインパクトがあって(少なくとも僕は主張を感じたので)心のある街だなと思ったのです。そういう街には元気で頑張って欲しいです。
4話にお付き合い下さり、コメントもありがとうございます。とても嬉しいです。
編集済
パリと同じような混ざり具合で若い人が多く、しかも気さくな人が多い。いいですね。
ちょっと話が逸れるのですが、ふと、昔パリの地下鉄でジプシーの女の子たちに絡まれたのを思い出して、ああいう人に金をせびって暮らすジプシーの人たちって、今でもいるのかな? と思いました。前に柊さんに聞いたことありましたっけ?
ルーアンはいい旅ができてよかったですね。
2泊の旅でこれだけ書けるのですから余程印象深い旅だったんでしょうね。
風景も、カマンベールも、人々も、市庁舎も、目に浮かぶようでした。
作者からの返信
レネさん、コメントありがとうございます。
ノルマンディーで二番目に大きい街なので色んな人が混ざりやすいのもあるでしょうね。あと若い人が多いってやっぱり活気が違うなと思いました。
ロマの人たちですね。今でもスリや署名詐欺とかあると思います。観光地は気をつけた方がいいですね。
ルーアンはいろいろと印象深くて4話も書いてしまいました。少しでも想像してもらえるようなものが書けていれば嬉しいです。お付き合い下さりありがとうございますm(__)m
読んでいますと、ルーアンに行ってみたくなります。
観光地化された場所ではなく、そんな人の温かさを感じる土地柄って素晴らしいですよね。
土地の空気は人がつくるって、わたしもよくそう感じます。
作者からの返信
雨さん、コメントありがとうございます。
短い旅の間でその土地の人が印象に残ることは多くないので、ルーアンは少し特別な感じがしました。
お付き合い下さりありがとうございます。コメントもとても嬉しかったです^^
編集済
人間が生きる権利を誰も侵してはいけない
← 地球人の最低限の約束を守れない人たちがいるからこその「平和を」であり白い鳩なのでしょうね。日本でも一部の勢力によるヘイトスピーチとか、訳の分からない現象がときどき表層に出て来ます。そういうあんたたちこそここにいないでよなんて言ったら、それはもう大変なことになるでしょうね~。
同行させていただいた気分になる名ナビゲート、楽しく拝読いたしました。
作者からの返信
上月さん、コメントありがとうございます。
最低限の約束を守れないことにおかしいと言えないのがおかしいと思いますね。歴史が後退して行くのを見るような毎日なので、「平和を」とか白い鳩がとても新鮮で。こんな街もあるんだと心強く思いました。
こちらこそご感想ありがたく拝読していました。少しでも旅の雰囲気が伝われば嬉しいです。
編集済
パリにはパリの。ルーアンにはルーアンの風が吹いているんですね。南部のマルセイユ辺りにもまた違った風が吹いているのだろうし、そこで生まれ育った人にしか理解できないことは必ずあるはずです。(狭い日本でもそうなので)
メッセージが反骨精神や気骨を表すものなのかそうでないのか。それこそ地元民にしか分からないのかも知れませんが、それを見た観光客がそう感じるのなら、案外、ウィンクしながらエールを送ってるのかも、と思いました(笑)
作者からの返信
悠木さん、コメントありがとうございます。
僕は表層を見ただけなので、地元民にしか分からないことが必ずあると思います。でも市庁舎の横断幕は観光客でも分かる明確なメッセージでした。パリでもこれは掲げられない(掲げたくないのか)。なのでルーアンがすごくまっとうに見えました(笑)
いやーーー……本当に海外移住したいと真剣に考えたりしてしまいます。
ルーアンという街のごく一部をご覧になったご感想なのだとは思いますが、少し滞在しただけの観光客の胸にもこれだけ強く響く輝きを放つ土地というものがあるのかと、まるでフィクションの物語に触れたような余韻が残りました。
そしてカマンベールの料理たちの飯テロっぷりがまた凄まじかった……(笑)
作者からの返信
aoiさん、コメントありがとうございます。お忙しいところ読んでくださり、コメントも残していただいてとても嬉しいです^^
僕が見たのはごく表面ではありますが、街の性格というか人間性がその表層にも出ているのではないかと思いました。
カマンベールは自分でも予想していなかったのでいい経験です(笑)地方に行くと色んな発見があってやっぱり貴重だなと思いますね^^