玉の汗めしがうまいとゆふべかな

【読み】

 たまのあせめしがうまいとゆふべかな


【季語】

 玉の汗〈夏〉


【語釈】

 玉の汗――玉のような大粒の汗。[参考:大辞林 第三版]

 ゆふべ――「言ふ(いふ)」と「夕べ」をかける字違いの掛詞。


【大意】

 玉のような大粒の汗をながして(働いて)めしがうまいと言うその夕べである。


【附記】

 空腹は最高のスパイスという。しかし現代ほど労働の喜びなる語が空虚にひびく時代もあるまい。


【例句】

 汗の香に衣ふるはな行者堂ぎやうじやだう 曽良そら

 水無月みなづきの汗を離るる仏かな 鬼貫おにつら

 汗入れて妻わすれめや藤の茶屋 蕪村


 散る花を南無阿弥陀仏とゆふべかな 守武もりたけ

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