第22話

そんなことを考えているうちに公園に着いた俺たちはあの時同様ブランコへと腰掛けた。違う点は昔と違って今は隣に誰かがいるということだった。俺は嫌な記憶を思い出してしまったせいか黙り込んでしまう。凛は「どうかした?」と尋ねるが俺はそんなつまらない話を話すつもりも、勇気もなかったので「何もないよ。」とだけ言って笑った。すると凛はふとこう言った。「嘘ね。あなたって嘘をつく時いつも笑うもの。」俺はゾッとして彼女を見ると彼女は悲しそうに「私のことまだ信用できないかしら」と呟いたので俺は反射的に否定したがその後の言葉が喉につっかかって出てこなかった。これを打ち明けると気を使われるんじゃないか。打ち明けると彼女は私は信用されていないんじゃないかと考えてしまうのではないか。そう考えると、なんだか怖かった。彼女は穏やかに「今まで以上に辛いことなんてきっとないわ。」と笑った後、「星の王子様、読んだのよね」と俺に聞いたので、読んだとだけ言った。すると彼女は「あなたが悩んでいることはきっとその本が明確にしてくれるわよ。そして私は恐らくその悩みを解決できる唯一の人間だと思うわ。」なぜか少し悲しそうにそう言うと俺は考えた。星の王子様。「大事なことは目に見えないもの」彼女が言いたいのはこのことだろう。俺の場合これの意味はきっと相手を信じれなくなる。いや、信じ切れなくなり楽な関係を求め続けることだろう…だから本物なんて見つからない。いいや見つかりにくいのかも知れない。それこそ天体的な確率で。なら、彼女にしかそれを解決できない。これの意味はすぐにわかった。しかし一つ疑問があるとすればなぜ彼女は悲しそうなのか。考えるより聞いた方が早いと判断した俺だったが質問を遮るように彼女はこう言った。


「こんなに綺麗な星空を見たのは初めて。」


その言葉の後俺も空を見上げるとまるでレプリカのような、まぁ正直言うとこれが目的で外に出たんだが…偽物のように綺麗な星空を目の当たりにすると、凛は一息ついて「話して。」と言った。


俺は「また君に弱い自分を見せるのか…気が進まないなぁ」とほのめかした後、

情けなく口を開いた。


「俺の親、昔は忙しくてさ………………………

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