第7話

「よかったら私と付き合ってくれないかしら?」その言葉は一度宙に浮きそして遠くへと消えていく。俺は答えた「それは出来ない。」彼女は「どうして?」と真っ直ぐ俺をみた。「理由は君は俺に君自身の過去を打ち明けてくれたのに俺はなにも言えてない。それに今俺は君が思っている以上に弱い人間なんだ。だから…」俺が、俺自身が強くなったとそう思える時が来たならその時は。その時までは。と答えると彼女は「そう。でも私は私のこの想いを偽物だとは思わないわ、それに間違っているとも思わない。だから、ずっと待ってる。また君に断られるかもしれないけど、いずれ…」「…………。」俺が沈黙しているとオレンジジュースとアイスコーヒーが机にコトリと置かれた。しかし俺は自分でも驚いていることがある。俺は彼女が恐らく好きだ。だけどどうも胸が痛くて辛い。そんな感覚を覚えずにはいられない。この原因はなんなんだろう。それに俺には彼女のような過去もない。彼女を振る理由が欲しかったから適当なことを言ったのか。この関係が壊れてしまう、そんな風に思ったのか。自分でも訳がわからない。彼女とは何事もなかったようにいつもの関係に戻った。俺は「また明日」と言うと彼女も「またね」と言ってその日は解散した。

俺は曇った気持ちで家に帰ると兄がいた。「おっす今日なんかあった??」と言われ俺は「今日好きな人に告白された。でも断った」そう言うと兄は少し俯き何かを考えているようだった。「そっか。まぁ人生色々あるわな。」とだけ言い残して外へ出て行った。「なんだったんだろう…」俺は深い眠りについた。

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