光、あれ!?

木苺

第1話 闇の中で

「さてと」闇の中から聞こえてきた声

この声は 私が本を読むときに頭の中で聞こえている声と同じ。

ということは ダイレクトに私の意識に語り掛けている存在があるのだろう。

それが意思を持った個体なのか はたまたオートメッセージなのかはわからぬが。


「ふふふ 一応は個体と認識してほしいわ」

  『女性?』

「とは限らぬが」

  『複数?』

 

 (雰囲気が変わった!)


「話し手を交代します。ここからは私が。」

「結論から先に言いますと あなたにこれから天地創造・開拓に出かけてもらいます。」

  『え!\(◎o◎)/!』


「あなたは無から何かを産み出したいですか? それともすでに出来合った環境における開拓からはじめますか?」


 『あ あのー まさか「光あれ」から始めるのですか?

  それとも ここで大まかな希望を行ったらそちらで大枠を作っていただけるのでしょうか?』



・・・・

(どこからともなく聞こえる声)


「今回の転生素材はなかなか面白い素材だな」

「天地創造も いい加減あきちゃったんだよねー」

「ほんと 人間って どうして不幸を創造して 戦争で破滅するのかしら?」

「毎回 作り直しさせられるのにもううんざり」


   (うわっ いろんな声が聞こえる。だれがだれやらわかんないけどorz)


  

・・・・

「つまりですね」

   (あ さっきの説明っぽい話し方の人)


「ぶっちゃけ 今回は君に天地創造やってほしいわけよ。」

   と 若者らしい声が新たに聞こえてきた。


『さすがに ぶっつけ本番 練習ナシ予備知識なしで一人でやるのは心細いです。

 天地創造はあこがれではありますが・・』と私。


「だって 規制枠にはめたら 結局最後はみーんなワンパターンで面白くないの!」

  と新たな女性の声 。

  それにがやがやと賛同の声が広がる


「というわけで、あなたに天地創造か開発をやらせて、私達の作業代行兼娯楽提供者になって欲しいわけ」


 (ひどっ 使われるだけの存在は嫌 しんどい)


「その気持ち、よーくわかる!

 だからこれまで転生者には、こちらで大枠を用意したあと、できるだけ自由にやらせてきたんだけどね、結局最後は同じになっちゃってつまんないから、だったら最初からすべての創造をやらせようってことになったんよ」


 (誰かはわかんないけど まとめて「天の声」って呼んじゃおう)


 『質問してよろしいでしょうか?』

「どうぞ」


『これまでのお話をまとめますと、

  ①皆さまのお仕事は無から何かを産み出すことであり、それは惑星形成から生き物生成・意志を持って文明を作る者達をも生み出すことである。

  ②しかし その仕事に疲れて 仕事の代行者を欲している

 ということでしょうか?」


「うん まあ そういう理解でかまわないわ」


『意志をもって文明を形成する者達のことを「人間」って呼んでらっしゃるのですか? それとも「人間」というのは 私と同じ種族のことを指していらして

複数の種族が文明を産み出しても 最後は 「人間」種族が世界をだめにしてしまうということなんでしょうか?』


「そのへんは微妙だねぇ。」

「どんな形態の生き物を作っても生態系をつくっても、最後は「不幸を増産」する者があらわれて その数がどんどん増えて世界をほろぼしてしまったことは事実だわ」

「そのろくでなし一族が おおむね 2足歩行の人間っぽい生き物であることもたしかなんだよねー」


『ならば 2足歩行の人間っぽい生き物を作らなければよいのでは?』


「残念ながら 文化・文明・芸術などと言った「モノづくり」をする生物としては

2足歩行の人間っぽい形態が必要みたいなんだよ」

 とため息交じりの男性の声


『あのー 平和でのどかな 人間っぽいのがいない世界ではダメなんでしょうか?』


「だめだめ そんなのつまらない」

「眠い」 などなど がやがやとした声が聞こえてきた

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