HUGっとプリキュア(アニメ)

書評じゃないんですが(笑)

子殺しをしようとする父親であり、未来の世界の時間を止めたジョージクライと、その親から、過去へ逃げてきた「子」キュアトゥモローに出会う「過去の母親野乃はな」の物語です。

ちょっとしたタイムリープものです。

この話にはテーマがあって「夢」という大テーマがあります。

「夢」を様々な角度から表現していて、かなう人間もいる。かなわない人間もいる。最初とは違う他の夢を選ぶ人間もいる。といった具合に、様々な夢の可能性を子供向けにしっかりと表現してくれます。

そしていくつになっても「夢」は選べるのだということを描くことで、「希望」を持つことができるそういう明るい話になっている。

さて最初の話に戻ろうか。

子供を殺そうとする父親の話。

最終的には、父親は子供を殺せない。母は父をプリキュアとしても倒すし、

数年後、やっぱり同じように父親ジョージクライと、母親野乃 はなは結婚して子供をもうける。でも子供を取り上げるのは、女優から産婦人科になった薬師寺 さあや。難産だったけれども、子供も母親もともに生還する。そしてジョージクライは時を止めたりせず、子供はキュアトゥモローにはなるんだろうけど、けして父親に殺されたりはしないだろう。

そういうハッピーエンドの形になって終わる。


 個人的には、男の立場としてはジョージクライがどうしても嫌いになれなかった。出産で、奥さんを亡くしてしまったジョージクライの気持ちに深く感情移入してしまい、妻が死んでしまったのなら。時間なんて止まってしまえばいいと思う気持ちも正直言って分かる。会社を立ち上げ、世界を巻き込んだ大規模なテロをやらかした彼は万死に値するのだろうけど、こんなに悲しい悪役がいただろうかと考えると、なかなかいなかったな、というのが正直な感想だった。

「望まぬ未来の前に人は歩みを止めてしまう」

 彼の言葉にすべてが含まれている。彼は望まぬ未来の前に歩みを辞めてしまった悲しきヴィランに過ぎない。誰でもいいから彼のそばにいてあげればよかったのにな。そう感じずにはいられない。

 彼とは対照的にプリキュアは複数で戦う。ジョージクライは1人きりで常に戦う。そのさみしさ孤独を自分は悲しく思う。

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