02●“★★★”の付け方について悩んだこと(1)……みんな違って★★★でいい。

02●“★★★”の付け方について悩んだこと(1)……みんな違って★★★でいい。





 カクヨム、レベル高いです。

 かつてプロデビューされて、今は趣味の領域で作品を投稿されているとか、カクヨムからプロデビューされて、そのまま投稿も続けておられる方とか。

 この一年で十数人、そういった方の作品を拝読しましたので、たぶん全体で数十人は、出版実績のあるプロ級の先生が活動しておられると思います。


 そういった先生の作品は、やはり一読しただけで、おおっ、とうならされ、「座布団一枚!」てな感じで即刻★★★を差し上げてしまいます。

 一方、それほどでもない……という印象の作品があったとします。

 プロ級の書き手さんには及ばないコメディ作品、けれどこの描写、プハッと笑わされて自分受けしたぞ。よっしゃ「座布団一枚!」……てな感じで★★★を差し上げてしまいます。


 そこでふと思ったわけです。

 “こんなに簡単に★★★を差し上げてよいものだろうか?”

 プロ級の先生の作品と、とてもそうではないアマチュアした作品に、同列に★★★を差し上げていいのだろうか?

 それは正しい評価ではないのではないか?

 アマチュアな作品には、★★とか★だけでいいのでは?

 ……と、あとで考えてみればつまらんことで、躊躇したこともあるのです。


 そこで考えました。

 なぜ、★★とか★にしようかと思ってしまったのか?

 振り返ってみれば、さしたる根拠はありません。

 何となれば、★★★と★★と★の違いとは何なのか、自分では具体的には全く説明できないのですから。

 だからただの直感です。

 ただの直感ですから、今日は★でも明日読んだら★★★かもしれません。

 私に関してはその程度の違いだったのです。

 何となく、★★★とそれ以外を区別しなくてはいけないのかな……と義務的に意識しただけなのです。

 このあたり、星をつけるシステムの、ちょっと罪作りなところですね、あ、いや、批判しているのではありませんよ。ただ私は、あれこれと余計なことを考えて、戸惑ってしまったということです。

 ★★★と★★と★の違いを自分で説明できるのかと悩んで、結局、できなかったんですね。


 もうひとつ、自己分析してみました。

 ★★★でなく★★と★をつけようかと考えた心の動機って、何だろう?

 その心境や如何に。


 わが胸に手を当てて、ああ、わかりました。

 自分の作品との比較です。

 どこの誰だってそうですが……

 “自分の作品は★★★だ”と思っているでしょう?

 そのはずです。★★や★でいいと思っている人、多分、一人もいません。

 ★★★でなく★★や★に評価してほしい……と、それだけ自信なりプライドを遠慮した作品はそもそも投稿しませんよね?

 表向きはともかく、心の底ではみんな、私を含めて誰もが、“わが渾身の傑作は★★★である!”と思っているはずなんです。

 人間、それでいいんです。それで当然です。だから頑張るのです。私もそうですし、あなたもそうでしょう?


 だから他の人の作品に★★や★をつけようとしたとき、私自身の心の片隅で、“私の作品は★★★だから”この人の作品は★★かな……といった、上から目線で自分と他人を比較する心理がチラチラと働いていたことに気が付いた次第です。

 これ、すなわち“マウンティング癖”ですね。

 オレサマが上、オマエは下、といった、順位付けの心理です。

 学校でも会社でも、町内会から高齢者サークルに至るまで、全国津々浦々に見られる現象。ときとして、いじめの誘発原因になるともいわれます。

 はるかな昔、この国の人類が猿山の猿だったころの名残でしょうか。


 あっ、いえいえ。★★や★をつける人を非難するつもりは毛頭ありません! 皆様それぞれご自身のポリシーでお付けになればいいことです。ここではあくまで私自身のこと、私個人の頭の中の心理分析で、そう思い当たった……ということです。どうかその旨ご了解下さい。

 私の心の中でふと、マウンティング癖がチラリと顔を出したと感じた……それだけのお話です。


 それに、マウンティング癖は必ずしも悪ではありません。上昇志向は人類を進歩させますし、組織内での自己アピールや向上への意欲、下剋上モチベーションの糧になりますしね、あ、下剋上は、リアル社会では、他人の迷惑にならないようにしましょう。決して他人をコキ下ろしたり、足を引っ張ったり、踏みにじったりしてはなりません。これ本気マジです。典型的な失敗例は、本能寺の後の明智ミツヒデ君ですね。ノブナガへの下剋上に成功した瞬間、トモダチだったヒデヨシ君に下剋上を仕掛けられてしまったのです。世の中甘くありません。

 ただし、頭の中で思うだけなら、誰だって思っているかもしれないし、そのことをいちいち気にしても仕方ありませんよね。

 え、ええと……(冷汗)

 つまりそういうことで、他人様の作品に★★とか★をつけることによって、自分との差をつけようとする心理が潜在的に働いていたならば、それは意味のないことだなあ……と恥ずかしながら自己反省した次第であります。


 ということなら、★★★と★★と★は同じこと。

 それぞれの作品は違っても、評価に差をつけようがなさそうです。

 ならば最初から区別なく、★★★でいこう!


 オリンピックではないのですから、金銀銅の差をつける必然性はないんですね……きっと。


 自分としてはそういう結論になりまして、最初から★★★を進呈させていただくことにしております。

 「この作品、いいかも!」と思ったら★★★です。

 本当は★★★★とか★★★★★を差し上げたい作品が多いのですが、★★★に統一させていただく気分ですね。

 評価の仕方、ずいぶん軽いかもしれませんが、それでいいかも、と私は考えています。

 評価で気を重くするよりも、気軽に書きたいし読みたいですから。





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