第11話 合否

次の週、学校に行くと試験結果が張り出されていた。この学校では試験の順位が一気に張り出されるらしい。受験番号だから周りからは分からないようになっているけど。




「ひ、人が多くて見えない・・・」




今日は珍しく一人だった。レナちゃんも今日は一緒じゃない。




「あ、セイナさん。昨日はメアリーちゃんがごめんねー」




そう話しかけてきたのは何やら白髪のミディアムでつり目の感じの顔の女の子だった。服は何やらフリフリのミニスカートに鎖骨が出るデザインのセーターを着ていた。背が百五十センチくらい。僕よりちょっと背が高いぐらいだ。




「え、はい。全然ですよ。メアリーさんのお友達さんですか?」




「そうなんだ。 あの子は変に突っ走っちゃうところがあってさー。多目に見てやって欲しいんだー」




「あ、いえ。全然大丈夫ですよ」




何だか話していると周りがザワついてるのを段々と感じた。やっぱり難関校の発表ともなれば人もそれなりに集まっていた。




「あれがセイナ・マーレか・・・黒色の髪って初めて見るけどすげぇ綺麗だな・・・」




「この前路地でノープと戦ってるのも見たわ・・・さすがマーレ家というか・・・しかも可愛いし・・・隣にいるのって誰・・・?」




何やらちょっと噂になっているっぽかった。少し目立ってしまっているみたいだ。




そんなことよりレナちゃん大丈夫かな・・・。どこにいるんだろう




「あらあら御機嫌よう。ふふん、セイナ・マーレ。わたくし順位は二位でしたわ、少し悔しいけども」




あ、メアリーさん、相変わらず凄い自信だ。




白髪の子がまた話し出す。




「メアリーちゃん、あんまりセイナさんに迷惑かけちゃダメだよー。 それに二位おめでとう。さすがだねー」




「ふふん、まぁ当然。 あなたも受かっていて良かったわ。ユウナ」




白髪の子はユウナって言うらしい。どっちも気品があるというか僕から見ると凄く眩しかった。




「あの、レナちゃん見てないですか・・・? 茶髪のポニーテールで短パン穿いてて・・・」




「それってこの前のあの薄着の女のことかしら・・・」




そう言いかけると次はユウナさんが少し笑いながら言葉を発する。




「メアリーちゃんはその事で少し気にしててねー。緊張しすぎて余裕無くってちょっときつい態度を取っちゃったって」




「な!? ユウナ! それは言わなくてもよろしい! とりあえずあなたがそのレナって子が受かっているか確認してあげれば良いんじゃないの」




まぁ多少来るのが遅くなる日もあるよね




そう思って待ってはいるがなかなか来る様子は無かった。一緒に合格してるか見たかったけど仕方ないし先に見よう。




「・・・はぁはぁ、ギリギリだ。セイナ、俺どうだった?受かってた?」




レナちゃんはそう思ったのも束の間ぎりぎりで来てくれた。




「あ、まだ見てないよ。一緒に見ようと思って・・・」




「そ、そっか。 やべぇ緊張すんな・・・」




こっちもそれなりに緊張してきた。人気は減ったのでそろそろ掲示物も見やすくなっていた。




「あ、あった。あったよ!」




「お、俺もあった。セイナの一個下ってことは成績は負けちゃったかー。まぁお互い受かってて良かったな」




僕達は顔を見合わせお互いの合格に安堵した。合格者五十名の中で二十位と二十一位という半分よりも高順位で二人とも合格出来たことが本当に嬉しい。

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