第8話 ガイドさん

下校中の僕は少し気がかりになってレナちゃんに問いかける。




「レナちゃん、今日はどうするの」




「どうって?」




「いや、どこに泊まるのかなって・・・」




するとレナちゃんは腰を落として僕の顔を見ながら一言。




「別にそこまで困っちゃいねーよ、あんま心配すんなし」




そう話しているとお互い別れ道に到着する。




「んじゃ明日またな」




そう言うとレナちゃんは背中を向け手を振って歩いていった。




「レナちゃん、また明日」




僕はボソッとそう言い手を小さく振った。




***




髪がボサボサで服も汚れてしまったので母には少し転んだと言い訳をした。夕食後、僕は勉強をしていた。明日は一応座学の試験があるから頑張らないと・・・




「なんか向こうの世界にいた時より簡単に感じるなこれ・・・」




腐っても大学まで出ていた僕には今までそこまで難しいと感じることは無かった。文字の違いはここまでの生活で慣れているし特に問題もなく、その日は勉強を終えた後お風呂に入って寝た。


・・・目が覚める。




「ふぁぁあ・・・朝か」




「オはよう、セイナ・マーレ」




すると何だか一頭身の雲のような物体に足が生えた生物が僕の上に乗っていた。片言な言葉で僕に話しかけてくる。




「え、何・・・・・・?」




「説明をシヨウ、ボクは、君のガイドとしてカミサマから派遣されたンダ」




「あぁ・・・神様から・・・。そんなことが可能なら昨日も僕達を助けることもできたんじゃ?」




僕は率直な疑問をその雲に問いかける。




「ソレは、カミサマのカンカツガイ・・・カミサマができるのはあくまでツクッたものをコノセカイに産み落とすことだけ・・・ソレモ、ボクみたいなボウダイな情報を持った生命体となるとタイヘンだ」




「あ、なるほど・・・じゃあ何で今になって?」




「モトモト、キミがココで生まれた時からキミの中にはいたんダケド、ドウヤラ君が『アビリティ』をハツゲンすることでソトにデラレタ」




「な、中に・・・なるほど」




僕は半分困惑しながら答える。突然過ぎてちょっとビックリしている自分がいた。まさかガイドさんまで容易してたなんて・・・




「あの、よろしくお願いします『ガイド』さん」




ガイドさんもぎこち無くお辞儀をした。

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