「風船は生きている」(乃木坂46)

 この曲って応援ソングみたいな感じなんだろうけれど、サビの歌詞的表現が難しすぎてうまく飲み込めない。ただサビ前のラップみたいなところの歌詞が、全てを制圧して、そうだよなぁと共感できる。二番の「青春は美しい、現実は狂おしい、SNSやかましい」の辺りまででもう心震えるのに、「昔は夢も探したし、だけど叶わない」と続いていくのが、最高潮です、僕の中では。

 何かや誰かを応援する時って、直接的な言葉とか、まっすぐな言葉が伝わりやすい気もするけど、意外にそういうストレートな表現って重荷になることがある。何かを切り捨てて、ここが良くない、これが悪い、みたいに言われても、そんな風にうまくいかないとなれば、余計に苦しい。

 歌詞は最近では3分から5分くらいの曲の中に言葉の積み重ねをすることで何かしらを表現するけど、誰かを助けたい時って、それくらい言葉を選んで、時には遠回りとか、曖昧なものの重ね合わせとか、象徴と抽象の狭間とか、そんなところから出てくる言葉が案外、何かを変えられるのかな、と思う。

 僕の中でこの曲の歌詞の意味が本当に理解できる日が来るのか、全くわからなくて、聞いていても考えさせられる。僕の心の風船がしぼんだ時、この曲のメッセージが本当に意味を持つんだろうけど、メッセージを理解しないと作用は十全じゃないんだろうなぁ。

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