モノクロームネスト

御鏡 鏡

中学三年生編

序章

第0話 プロローグ

□ 妖魔(アヤカシ) 


 妖魔アヤカシそれはやみうごめ魑魅魍魎ちみもうりょう・魔物のたぐいです。


 電脳でんのう都市とも呼ばれる、未来都市にも跳梁跋扈ちょうりょうばっこします。


 とおきは悪魔、近きは幽霊ゆうれい、姿は様々で存在も様々なものたち。


 ただ、それは人に悪意・害をなすものであるということだけは変わらなのです。


 事実、それは過去にもずっと存在してきた。


 見えない形というだけです。


 恐怖・畏怖の対象として、また一部にはヒトを見守るモノも存在しています。


 悪意なきものも又妖魔と呼ばれています。


 



□ 電脳化(情報じょうほう電脳)


 ゴーストとは肉体(脳)に存在する意識いしき


 人は肉体を持たなくても生活できるようになった世界。


 人は機械の体の中に自らのゴーストを封じ生活するすべを得たのです。


 基本的にゴーストは肉体に主に脳に宿ります。


 脳は肉体のまま周囲の器官きかん機械きかいか化することによる電脳化が世間せけん的には流行はやっていますがそれが全てではありません。


 マイクロマシン技術が飛躍ひやく的に進み、脳内にまでマイクロマシンが散布さんぷされ固定・固着こちゃくできるようになった未来。


 電脳化と呼ばれる、マイクロマシン技術を応用した、情報通信技術の電子化を肉体で行えるように脳を電子化する規格きかく(情報電脳化)が発展はってんしました。


 人の意識はゴーストと呼ばれており、脳に宿ると信じられている世界。


 事実、ゴーストを亡くした人間は死に至り、電脳化されていたとしても植物状態におちいることが報告されています。



 都市に住む人々は電脳化(五十パーセントから六十パーセント)しているかまたは生身(四十パーセント前後)が成人比率であり子供は推奨すいしょうされていません。


 但し例外れいがいはいつの世にも発生し、子供でも肉体的に重篤じゅうとく患者かんじゃには……人工擬体じんこうぎたい化が勧められる場合があります。


 電脳化している人々の中の約一割(約五パーセント未満)くらいが全身擬体化している人々の割合です。


 残りの五十五パーセントは情報電脳化と呼ばれる、全てを電脳化させずに一部のみを特殊なマイクロマシンを脳に流し込み生活する、情報電脳化と呼ばれる技術も存在しています。


 全てが電脳化していない人や、完全な生身である人もまだ多くいます。


 そんな状況ですが、日々都市は更新され動き続けていきます。



 電脳化により、都市機構きこうの形は現在よりも多くネットワーク化が進んだ状態じょうたいです。


 そんな中、様々な事件が主人公や友達を周囲の人々を襲ってきます。


 中にはただの凶悪犯罪も交じっていることでしょう。


 妖魔がらみの事件がすべてではないのですが……。


 主人公はおお雑把ざっぱにいうと妖魔を狩る側の人間です。




◇ 都市様相ようそう(西暦二〇三五年現在)


 都市の様相も違います。


 今上陛下きんじょうへいかは普段京都に居わし、現人神あらひとがみであらせられます。


 政治の中心だけが東京に移った世界、東京の陛下のお住まいは御所ごしょと呼ばれ、年に数度近衛このえと共に陛下は東京に行幸ぎょうこうなさいます。


 そんな現在の日本とは異なる世界のお話です。



□ 検非違使けびいし(西暦二〇三五年現在)


 検非違使とは全国区にまで拡大された妖魔アヤカシから市民を守るための機関です。


 近衛このえとは検非違使けびいしの意思決定機関の一部です。


 他に陰陽寮おんみょうりょう等も存在します。


 主人公はこの検非違使けびいしにアルバイトとして雇われた高校生なのです。


 なので当然学業も存在しますし、高校にも通っています。


 高校の中で起きる怪事件にも主人公は巻き込まれていきます。


 当然ながら特殊な能力も持ちますが、それを使って様々な事件を解決できるのでしょうか。


 当然一人ではなく仲間もいますし、更に組織を超えた仲間とのつながりも生活や事件などを通じて書かせていただこうかと思っております。



 主人公は検非違使神戸分署八課第七班に所属することになります。


 検非違使には、一般局員、調査員、事務員、いくさ型、じゅつ型と呼ばれる職位しょくいが存在し、主人公はその中の戦型に分類され、女性なので戦巫女と呼ばれます。




□ 公安警察こうあんけいさつ(西暦二〇三五年現在)


 公安には一課から九課が存在するこの世界、どこかの作品のオマージュにも見えます。


 公安九課についてはオマージュで、公安六課から八課についてはインスパイアくらいで受け取っていただけると幸いです。



◇ 時系列


 時は二〇三五年初旬、マイクロ工学時代、人工知能、リアルタイム仮想現実。


 交通・動力・武器とよろい・生物化学/医療いりょうについては高度な技術を誇ります。


 場所は人口増加や世界的な不況の中で世界大戦が勃発ぼっぱつしましたが大戦が終わったあとの神戸を舞台としています。


 戦時復興からすでに三十六年が経過しています。


 皆さまが良く聞くかもしれない地名も出てきますがここは世界が違いますので同じととらえないように願います。



◇ 武器関連(西暦二〇三五年現在)


 武器の分野にレーザーがありますが、レーザーは防御策ぼうぎょさくが効果を発揮はっきしすぎたためすたれてしまった技術になります。


 普通のファッションショップで買えるくらいまで値下がりしたレーザー防御ジャケットなどがファッションとして販売されるレベルです(現在で言うフライトジャケットのようなモノともいえます)。


 又、その塗料には防錆ぼうさび・防腐食ふしょく効果があったため、車両や擬体のコーティングに使用されたりもしています。


 家電製品やスマートフォンなどにも使用されています。


 因みに、軍用ではもっと効果の高い防御技術が開発されてしまっています。


 レーザー防御ジャケットの価格は最新モデルで五万円、旧モデルで三万円、効果のない形だけのもので五千円くらいです。


 今現在でもフライトジャケットがファッション(ミリタリー)ショップで売られているのと同じようなものと思ってください。



 超大型を除きレーザーを兵器として運用している国はありません。


 ですのでレーザーは医療や産業などの民生用で使用されることとなります。



◇ 交通関連(西暦二〇三五年現在)


・車両のエンジン:二〇三五年現在車両のエンジンは水素式と電気式とその他の方式に分かれています。


 ガソリン車もまだあるのですが、ガソリンスタンドの自体の減少が追い風となって現在最盛期の三割と減っています。


 水素スタンドの普及や急速充電装置や燃料電池などの発展もあり、エコカーが増えているのです。


 ガソリンスタンド『GS』から名称を替えて三種に対応したものもあります。


 三種に対応したものは、エネルギースタンド『ES』に変更されています。


 ESはGS最盛期の四割ほどあり、それなりにもうかっています。


 新車で売られているものは大抵が水素エンジンか電気自動車になっています。


 ハイパースポーツ車両は水素エンジン系が多くなっています。


 EVイー・ブイ/Electric Vehicleエレクトリックヴィークルは営業車と家庭用が多く、なっています。


 ハイパースポーツEVが無いわけではありませんが少数派です。


 理由はモーターが重いという理由ですが、燃料となる電池の軽量化も課題となっています。



・このレベルの都市にはエアカーが存在しますが、エアカーは現在緊急車両・軍用車両を除き使用してはいけないことになっています。


 一般には危険な乗り物で法整備が追い付かなかったために禁止された、との情報があります。



・人工知能を積んで走るロボットカーはかなり大量に存在します。多くは公共車両バス等やタクシーなどで使用されています。



・日本では中小の私鉄を、除くJRと大会社の私鉄電車はほとんどがリニア化されています。


 しかしながらリニア列車という呼称は定着せず、未だ電車という呼称になっています。


 駅構内えきこうないの放送などでは電車から列車という表現になっています。



◇ 海洋関連(西暦二〇三五年現在)


 ダイビングライセンスが国際共通のものに変わり、シャロウダイビングとディープダイビングが追加されています。


 ダイビングの商業ライセンスともいえるディープダイビングが主ですが、これを使い海洋開発が行われています。


 深深度しんしんど該当がいとうする二百メートルまでの深度での海洋開発が行われており、海洋鉱山と呼ばれるものができ開発されていきました。


 その結果日本は海洋開発で、一旗揚げることができており海洋開発先進国にもなっています。



◇ 宇宙関連(西暦二〇三五年現在)


 軌道エレベーターはすでに三基が存在し、亜軌道あきどう空間航行が可能なレベルで航空会社が存在し、各都市は時間的距離が近づいたようです。


 尚、宇宙開発も順調に進み土星の衛星にまで入植が行われるようになっています。


(現在は研究者などの入植が先で一般人の入植はまだですが)。


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※この作品はフィクションです実在の人物や団体などとは関係ありません。

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