世界一可哀想なアル中

タイトルと作品紹介にも書いてある通り、本作の主人公アルコは、魔王を倒すためにアルコール入りのアイテムを飲み過ぎたせいでアル中になってしまった残念勇者です。
残念と言うか、可哀想。

そんな勇者ですが、語り口は軽妙で、アル中の苦しさをごちることはあるものの過度な演出(延々弱音を吐き続けるようなもの)がないので、主人公に対して悪感情を抱くことなくすいすい読めます。

世界観とアルコの体質とアイテムの性能——それらのメリットとデメリットが上手く絡んで、主人公を追い詰め、助けます。
設定の作り方が上手いなと思いました。

個人的に特に面白いなと思ったのは、魔王との壮絶な戦いの部分。そうきたか! と驚きながらも笑いました。