この世界に名前はないんだけど私にはプロットもなかった

草森ゆき

この世界に名前はないの言い訳です

 辰井さんの解説を読み物凄く興味深かったので、私も逆に私がいかに何も考えていないかを書いたほうがいいに違いないという気持ちになりましたので自作について喋ります。


「この世界に名前はない」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054918013504

 こちら自作になります、軽く紹介します


 ヴァレリー→特殊能力持ちの巫女さん。この世界の神的存在。名前の出展はポール・ヴァレリー(虚無への供物冒頭引用詩イメージ)

 ダイン→ヴァレリーに拾われたふつうのショタ。戦犯。名前の出展はヴァン・ダイン(僧正殺人事件イメージ)(いや十角館のほうが強いけど読んでない人は頼むこの記述を忘れてくれ)(読んだ人は多分察する)

 シャルル→使用人。今思ったけど性別不明。謙虚。名前の出展はシャルル・ボードレール(当然のように悪の華イメージ)


 30作目の称号がどうしても欲しい!でもネタがない助けて!冷や汗をかきながら考えて、先に名前から決めました。ヴァレリーを引っ張ってきたらあとはけっこうスムーズに他の名前を引っ張ってこれました。

 内容がないよう。冷や汗をかきながら考えて、いやでもたったひとつ望みということはですねひとつしかないんだろえーとえーと消えかけの蝋燭がめっちゃ燃えるみたいなことか!?そうにちがいない、死を目前にした人間から引き出される望みが至高のたったひとつにちがいねえ……よしいこう!

 カルト宗教を調べました。まあなんか集団自殺みたいなやつです。あれを世界レベルに引き上げてファンタジーっぽく脚色しました。集団自殺的な滅亡まで追い込まないといけないので秘儀・多人数視点三人称(語り手人格あり)(あるわよ私が神なんだから人格はありまあす!)を召喚しました。他人事視点です。前回までのあらすじ! のノリで舞台装置、登場人物紹介、問題提起、問題の悪化、ラスト手前の満身創痍ダインのところまで説明します。

 世界が終わります。いい滅亡だった、みんな消えて星も綺麗! ハピエン! こうなります。



 読んだ人がどう思うのかというのをあんまり考えたことがないです。絶対にこう読まれたい!とかもほぼないです。ここに拘ったからみてほしい!ぼくの話術(話術…?)にハマったひとをみるのがすき!ここの文章構成みてくれや相棒!みたいな感情もたぶんあんまないです。あ嘘つきました褒められると素直にめっちゃよろこぶし人様が私の自作についてこうじゃなかろうかああじゃなかろうか?って話してくださるのはもうめっちゃすっごい好きで、ぼくがなにも考えてないばっかりにそこに正解はないんだけど不正解も当然なくて、わかるわかるぼくもこんな世界壊れていいと思ったんだよね!あっでもヴァレリーかわいそうだよねわかる…かなしいよね…と感情無茶苦茶にしながらみんなとしゃべりてえ。

 気軽によまれてえ、気軽に読まれる読み口で淡々とかきてえ、気軽に面白かった!っていわれてえ、このぐらいのもんですもっとちゃんと考えろよおおおおおなにやってんだよおおおおちくしょおおおおお!!!!

 

 こんな感じでうまれました、この世界に名前はない。

 タイトルも「タイトルがおもいつかねえ……タイトルがない……いやっ待て……こんな世界名前いらなくない……?」という発想でつけられたというノリ。

 こういう話なのですごいこう、カジュアルに読んでください。



 でもほんとはキノの旅の城壁のない国みたいな終わり方にしたかったけどできなかったのでそれに関してはぜんぜんダメでした、精進します!


 イトリさん、企画ありがとうございました&お疲れ様でした!!

 参加者の皆さん、一緒に川遊びできて楽しかったです!!ありがとうございました!!

 皆様へ、一人で万単位の死体をイトリ川に流してまことに申し訳ございませんでした!!!!!


××××


 まずは主催のイトリさん、講評をしてくださった御調さんと藤原埼玉さん、お疲れ様でしたそしてありがとうございました。

 講評をすべて読み終えたので追記です。


 とても考えさせられました。

 勝てないと条件反射で悔しくなり嫉妬に狂って本をめちゃくちゃダウンロードするみたいなことをやらかすのですが(やらかしました)これ自体は私の負けず嫌いな性格のせいで、講評内容の不満などではけしてないということを先にお伝えします。

 本気で悔しいんですよね。なんででしょうね、でも自作を読み返してみたらラストはそれなりにいい感じにはできたけど他がそうでもないかなとか冷静になりました。

 話を戻すのですが、考えさせられたというのはですね、言い訳怪文書にも書いた通りに「ほとんどなにも考えずに書いた」というところに起因しまして。布団に入りながらこの世界に名前はないについて考えたのですが、全然わからないんですよ。なんでこれを書いたのかなにを伝えたいのかどうしてこの題材にしたのかなどが本当にわからない。ほとんどぜんぶフィーリングでした。面白いのか面白くないのか読んだ人がなにを思うのかもまるでわからない。これはひどい。いやほんとにひどいとおもいます。


 自分語りになるのですが、小説をコンスタントに書いている仲の良い友人というのが二人ほどしかおりません。その二人は私の書いたものも定期的に読んでくれて感想をくれますが、身内目線はあるかもしれない、とは実はちょっと思ってもいました。

 なので、小説をコンスタントに書く見知らぬ人に評価してみてほしい、というのが前回の川であるこむら川さんへの投稿動機の最たる部分でした。イトリ川さんも、その延長のように参加させて頂いておりました。

 特にイトリさんの講評を読ませていただいて思ったのが、「なにもかもわからないまま書いてるというのが伝わって困惑させてしまったのではないか?」というところでした。

 御調さんが考えさせられる、と言葉を選んでくださったのも、私がほぼなにも考えずに書くためにこれは○○の話なんだな、と解釈できないせいなんだなと。真摯に読み取ろうとしてくださって本当にありがとうございます。

 でも以前書いていた二次創作ではちゃんと考えてたはずなんです。キャラクターの考察を異様に行うほうでしたし、解釈のためにいろんな文献読み漁っていたので……。

 それで、BLしか書いたことがないからでは? と思い至りました。BL以外に向けてのチューニングがまったくうまくいってなくて、私も何を書いてるのかわからない、講評の方も受け取り方がうまくつかめない、となったんだろうな、というのをじっくり講評を読んで思いました。

 ただ藤原埼玉さんはすごく共感してくださって、多分話の筋自体は私が今までよく書いていた筋に近しいので(人が死ぬ話を中心に書いておりました)、滲み出た文脈に似た匂いを感じ取ってくださったのではないかと思います。あと単純に玉ちんは良い意味で素直な読者なのだとおもいます。

 参加作においての主人公であるダイン含め、全キャラに作者の私がなんの感情も抱かずまあ死にたまえ、と無体なことをしでかしたのをなにかの感覚で感じ取って、読者の自分は見てるしかない、と我慢して、最後に全部終わったところでよかった、となってくださったのかなあと。ちなみに幸福の王子は大好きです。いいハピエンですよね、講評読んで読みたくなって青空文庫に走りました。


 案外いっぱい書いてしまった。ええとですね、一次創作に対しての世界の構築が本当に未熟なんだな、という課題を見つけられてとてもうれしい、ということをお伝えしたかったんです。

 お三方とも一生懸命読んで講評してくださって本当にありがとうございました! まだキャラも設定もうまく練られないので比較的抽出しやすい現代ドラマ中心に、研鑽していけたらなあと思います。そしていつか誰かのタマを取る。

 ついでのようになってしまって申し訳ないのですが、選考会議のところ楽しく読ませていただきました! 評議員側になろうとしているのでとても参考になりました。プレゼン大会楽しそうでうらやましい気持ちになりました、本当にお疲れ様でした。


 ここまでお読みいただきありがとうございました!!!

 BL得意だからかはわからないんですが不能共という修羅場BLがわりと読んでいただけていてうれしいので、良かったら読んでください。これはついでの宣伝です。

 それでは!!!



2020.8 草食った



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