【大幅改稿予定・更新停止中】僕と幼なじみな彼女の365日

naka

第1話 4月5日

僕、こと篠原涼太(しのはらりょうた)と幼なじみの佐橋結華(さはしゆいか)は恋人である。

よくラブコメの設定で見るような保育器から横にいたなどということはさすがに無かったが、結華がこの街に引っ越してきた5歳の頃からはずっと隣にいたように思う。


付き合い始めたのは中学2年生の夏休みで、夏祭りに今まで着てきたことがなかった浴衣を纏った結華が可愛すぎて思わず

「可愛い、好き」

って言っちゃったのがきっかけで付き合い始めた。


それからも小さな喧嘩はあったものの概ね順調に関係を重ねてこれたと僕は思っている。

これからも変わらずにこんな感じでやっていくのかなって思えるようになったしやんわりではあるものの結婚なんてことも考えるようになった。

ちょっと恥ずかしいから結華には言わないけどね?



そんな僕らも今日から高校2年生。ずっと結華と過ごした春休みは楽しかったから終わって欲しくなかったけどこればかりは仕方ない。


僕らの朝は付き合う前から変わらない。僕の方がちょっぴり朝が弱いからって理由で結華が弁当を作ってくれて迎えに来てくれるから僕が朝ごはんを作って待つってスタイル。

僕の父は朝に強いんだけれど何年か前に転勤で東京に行き、今は近くの大学に行った姉と一緒に暮らしていてしていて母はとても朝に弱くていつも起きてこないからいつからか朝ごはんは僕が作るようになっていた。



今の時刻は朝の七時半。そろそろかな。



「おはよ〜涼くん!」



来た!久しぶりの制服姿が目に眩しい。

可愛すぎて玄関上がってすぐに抱きしめる。



「おはよ、結華。今日も可愛い」


「涼くんも制服、かっこいいよ」



おはようのハグはだいたいいつも15秒くらい。

これは高校入ってから始めたことでまだ1年。最初の方は恥ずかしかったけど今はむしろ出来ないと寂しい。



「朝、出来てるよ」


「ありがとう。今日は午前だけだったよね?お昼また作りに来るね?」


「作りに来るもなにもそのままうちに帰って来ればいいじゃん」


「でも、服着替えたいし……」


「結華の制服エプロン見たいなぁ……なんて」



そんなことを僕が言うと結華はみるみる顔を赤くしていって



「もうっ!なによそれ涼くんのえっち!」


「べ、別にえっちくはないよね!?」



結華はむっつりだなぁ、なんて。



「それは置いといて同じクラスだといいね」


「そ、そうだね。去年は違うクラスでちょっと寂しかったから」



そう。去年僕たちは同じクラスになれずちょっぴり寂しい思いをした。

だからこそ、今年は!なんとか同じクラスにって思って初詣でもお祈りしちゃった。



「ごちそうさまでした」


「はいお粗末さまです」



朝食を食べ終えた僕達はこれもいつも通り、手早く洗い物をして、いざ学校へ行こうってなった時に、



「ね、涼くん。今日から新しい学年になったじゃない?」


「うん、そうだね」


「去年さ、高校入った時はハグ始めたじゃん」


「うん、もう1年になったんだね」


「だ、だからね、あの、涼くん、今日から学校行く前にき、キスしない?行ってきますのきすっていうやつ///」



なにこれめっちゃ照れてる結華可愛すぎる。

結華も朝のキス、考えてたんだ。俺も思ったことはあったけどさすがに恥ずかしいかなって思って言わなかったんだけど。結華がいいなら……。


まだ照れてモジモジしてる結華の唇に自分の唇を重ねた。



「涼くん!いきなりすぎっ!」


「やだった?」


「違う!やじゃない!でもいきなりはダメっていつも言ってるじゃん!まだ心の準備出来てなかっ……」



モジモジしながらそんなこと言う結華やばすぎ。可愛すぎて死ぬかと思った。照れ隠しにもう1回、次は長めの。



「んんっ///んんんん///」



5秒くらいのちょっとだけ長いキス。

結華の顔が見たかったから顔を離したんだけど。



「なんで離れちゃうの?まだダメっ!」



えっ。

玄関なのに押し倒された。僕の唇に結華の唇が覆い被さる。

んっ、舌まで入れてきたっ!玄関にくちゅくちゅと言う音がいやらしく響く。俺も負けじと舌を絡ませて腕を結華の背中に回す。

何秒、いや何分続いただろうか。

終わりは唐突にやってきた。



「結華ちゃん、あの、朝からその、するのはいいんだけど、もう時間、ないわよ?」



そう、母の襲来である。

やらかした!俺は固まった結華を抱えて玄関を飛び出した。



「行ってきます!」


「はいはい、行ってらっしゃいな」









あの後予想以上に時間がギリギリだったもののなんとか滑り込みで間に合った。

さっきの出来事はあまりにも恥ずかしすぎて、思い出したくもないのでお互い触れることはなかったし多分これからもないと思う。



「結華、クラス分けの掲示って中庭だっけ」


「確かそうじゃない?あ、あそこあそこ、人だかりになってるとこだと思う」



中庭の真ん中らへんに掲示されてるらしい。神様どうか結華と同じクラスでありますように。



「結華前のクラスから見てって、僕後ろのクラスから見るから」



いつもなら一緒に追っかけながらゆっくり見るんだけど全然時間が無いから仕方ない。


……全然無いんだけど前の方なのかな。



「結華、見つけた?」


「うーんまだ……あ、涼くん見つけたよ!3組だって!ね、涼くん私も3組だって!おんなじクラスだよ!涼くん!」



ほんとに?同じクラス!?


ほんとだ3組の所に2人とも名前がある。



「結華〜!!やったな!!」


「ほんとに良かった、涼くん、1年、よろしくね?」


「結華、こちらこそよろしくね?」



嬉しすぎて抱き合っていたらすっごい見られてた。今日は朝から見られdayですか。

いや今のは僕らが悪かったけど!



「うぃーす涼太、同じクラスで良かったな」


「ゆいか〜会いたかったよ〜」



この2人は僕と去年同じクラスだった2人で男の方、うぃーすって言ってる方は去年からの付き合いで高畑駿介(たかはたしゅんすけ)、結華にベッタリな方は中学から付き合いのある鶴見舞(つるみまい)だ。


駿介と鶴見さん、僕らほどではないにせよ結構一緒にいるのに付き合ってないらしいんだけど、実際は付き合ってんじゃないかって僕と結華は思ってるんだよね。



「おはよ。駿介、鶴見さん。また1年よろしく」


「舞ちん〜!私もだよ〜っ!」



ちょっと鶴見さん、結華は僕のなんだけどなぁ……。



「涼太、お前さ舞に嫉妬するのはどうかと思うぜ」


「べ、別にそ、そんなことないし?」


「バレバレだぞ。めっちゃジト目だった」



マジかよ。そんな分かりやすかったか……。

これはちょっと気を引き締めないと。

とりあえず話題変えなきゃ。



「で、駿介くんや、春の間に愛しの舞ちゃんとは何かあったかね?」


「舞ちゃんやめろ。普通に舞が俺の部屋に入り浸ってるだけだったけど。あ、でも1回ネズミーパーク行ったわ」



これだよこれ。

これで付き合ってないとか嘘でしかないじゃん。



「なるほどカップルでネズミー、と。続けて」


「カップルじゃないが。ほんとにそんな大したことは無かった。」


「いやそれで付き合ってないとか無理あるから。春休み2週間以上あったのになんも進展ないとかないでしょ。キスくらいしたか」



「当然のように付き合ってないけど。ほんとになんもない家にいただけ」



なんか目が変な方向向いてる。

これはやっぱり何かありそう。追求不可避。



「僕は騙されないぞ。絶対なにか……」


「ねー男子2人!何話してるの?」



……。



「普通にゲームの話、とか?」



もういいとこなのになんで来ちゃうかな鶴見さん。

そして誤魔化す駿介。なんかあることは間違いない。

あ、いっそ鶴見さんに揺さぶりかけてみるのもありか。



「とかってなによ、とかって!」


「駿介に鶴見さんと進展あったって聞いてたんだけど、鶴見さん何かあった?」



ちょっと余裕があった鶴見さんがやらかしたって顔してる。

これは聞きがいがありそうだ。



「別に、そんなことどっちでもいいでしょ!結華、トイレ行こ!」


「え〜、私も聞きたいかなぁ。2人の恋バナ」



結華、ナイスアシスト!

2人ともこれで逃げ場はないぞ!



「例えば〜キスしたとか?なんならベッドでイチャイチャしちゃった〜とか?」


「んっ///」



ん?これマジ?想像以上の所まで進んでるってこと!?



「おい駿介、ずっと部屋にいたってもしかしてそういうことを……」



駿介だけじゃなくて鶴見さんにも聞こえてたみたいで、殴ってきた。うぉっ危ない。なんとか回避。



「そ、それで!何か悪いの!!そうです進展しましたよー!だ」


「えっちょっと、なんで言ったの!?2人には言わないって言ってたじゃん!」



鶴見さんこういう話弱いからなぁ……。

なんだかんだ照れて暴露しちゃうこともしばしば。



「えっ舞ちんそれほんと!?ちょっと詳しく聞き……」



キーンコーンカーンコーン


残念ここで終わりか。



「残念だけど帰り道にでも聞かせてもらおう、結華」


「そうだね!楽しみにしてるよ、舞ちん!」









結果から言うと、逃げた。

駿介が鶴見さんの手を引っ張って始業式の後のHR終わった途端に走って帰ってったんだけどあれむしろ逆効果じゃない?

クラスのみんなめっちゃ噂してる。



「ねえ涼くん。あんな感じで帰るならさ、私たちに白状した方がよっぽどマシだったと思うんだけど」


「結華、僕も同感だけど本人たちは1番いいと思ってやってるから、それ以上は言ってやるなよ」



明日みんなにからかわれるんだろうな。

ちょっと楽しみ。





こんな感じで僕と結華の毎日は過ぎていく。


ちなみにお昼はなんだかんだ制服エプロンしてくれたしご飯の後めちゃくちゃイチャイチャした。









◇◆◇◆

この作品について


この作品は同時並行で執筆中の「人生の勝ち組は新しい人生を歩みたい」の中で糖分が足りず作者が糖分不足になってしまったことにより急遽書き始めた作品になります。

不定期更新ですしなんならプロットすらないまま見切り発車で書いてます。

そんなこの作品ですが皆さんに色々なあまあまを届けられるように精一杯頑張りますので「勝ち組」ともども応援してください。

よろしくお願いします。

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