対田中刑事・黒田刑事ペア戦1

 「これより訓練を始める・・・が、何だこれは?」

 「砂浜です」

 田中刑事の質問にエンが答える


 「砂浜なのは分かる・・・だが、こんなにボコボコではなかったはずだ・・・それに・・・・・」

 田中刑事がさらに続けようとするが

 「まぁまぁ、いいじゃねぇか!この方がフェアで良いと思うぜ俺は!」

 

 そう言われた田中刑事は辺りを見回ししばらく考える素振りを見せ


 「・・・・・確かに、お前の言う通りか・・・」

 そう言って田中刑事は咳ばらいをすると



 「それでは改めて―――――これより演習を開始する、今回は私と黒田刑事の2人と戦ってもらう、ルールは昨日と同じ――――この砂浜以外での戦闘と殺人以外は自由、そして今回の演習、どちらかのチームの全員が戦闘不能となったら終了とする・・・・・・

それでは―――――――演習開始・・・!」



 田中刑事の合図で演習が始まった


 

 演習が始まると同時に俺達はボディコンのトランシーバー機能を起動し、配置に着く


 『(ザッ…ザザ…)皆さん、聞こえてますか?』

 『(ザザ…)あぁ、聞こえてるぜ!!!!!』

 『(ザ…)心一、うるさい!!』

 『ごめんなさい・・・・・・』

 優に怒られ心一がしゅんとした声で謝る


 「ははは・・・・・こちら、勇・・・配置に着いた指示を頼む」

 『こちら、優・・・同じく指示をお願い』

 『こちら心一、以下同文!!』

 


 『それでは今から皆さんに指示を送ります・・・まず勇兄―――――勇兄は作戦の開始と同時に正面から突っ込んで、近接が得意な黒田刑事を引きつけて僕達から遠ざけて!』

 「分かった!」


 『そして、優さんと心一さん――――――お2人は田中刑事に遠距離攻撃を仕掛けて田中刑事の攻撃が勇兄に向かないようにして下さい』

 『『了解!』』


 優と心一の返事を聞くとエンは大きく息を吸う

 「それでは、これより作戦を開始します・・・!!皆さん・・・健闘を祈ります!!」

 『『「おお!!!」』』




「うおおおぉぉぉぉぉぉおお・・・・!!」

 俺は作戦の開始と同時に叫びながら田中刑事達に突っ込む

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うおおおぉぉぉぉぉぉおお・・・・!!」


 「なぁ、雄二・・・なんかクソガキが叫びながらこっちに突っ込んで来てるぞ・・・」


 「ん?あぁ・・・どうやら神谷が前衛として特攻してきたみたいだな・・・弘毅、あいつらの作戦に乗ってやれ――――俺はあの2人と遊ぶから・・・」

 「分かった・・・」


 そう言うと黒田は大きく伸びをしてクランチングの体勢になると

 (ビュッ・・・)


 次の瞬間には数メートル先まで走っていった


 「相変わらず速いな・・・あいつは――――」

 そう言いながら田中は黒田が神谷の目の前に行ったのを確認すると


 「さて――――俺はこっちの相手をするか・・・・・」

 田中は背広の内ポケットから警察に入ってから愛用している拳銃を取り出し、それを横田・桃園に向ける


 (高校の教師になって1週間足らずで教え子に拳銃を向ける事になるとはな・・・)

 田中は不敵な笑みを浮かべ口を開く

 「クソッタレ・・・・・」

 そう言うと田中は拳銃の引き金を引く


 (パンッ・・・)


 弾丸は真っ直ぐに飛んでいく横田・桃園、2人ヘ真っ直ぐ・・・まっすぐと・・・・・  

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 『勇兄、黒田刑事が突っ込んできたよ!!気を付けて・・・!!』

 「あぁ・・・分かった」


 「クソガキィィィィィ!!」

 前を見ると黒田刑事が喜々とした表情を浮かべながら俺のもとに迫ってくる

 


 俺は黒田刑事の迫力に気圧されないように刀を強く握り、声を張り上げる

 「黒田刑事お手合わせお願いします!!!」

 「ヨロコンデェェェエエエエエ!!」

 俺がそう言うと黒田刑事は狂気の笑みで答え、落ちている木の枝を拾うと腕を鞭のようにしならせ俺に向かって振り下ろす

 

 俺が鞘で身を守ると

 (ガゴォン・・・・!!パンッ・・・!!)

 木の枝がぶつかったとは思えない音が鳴り、木の枝が破裂音と共に砕け散り破片が俺の顔をかすめる


 「ッ・・・!」

 頬に鋭い痛みが走る、触れてみると生暖かい血が俺の指にべっとりとまとわりつく―――――――どうやら頬が裂けたようだ


 「まだまだこれからだぜぇぇええ!!クソガキィイ!!」

 そう言うと黒田刑事は使い物にならなくなった木の枝を投げ捨て、内ポケットから拳銃を取り出し俺の左肩に突き付ける


 「・・・・・・!!!」

 『勇兄・・・!!!』


 黒田刑事が引き金を引く瞬間、俺はマトリ○クスさながらに体を反らせる

 (パンッ・・・!)

 銃声と共に俺の左肩があった所に弾丸が通過するのがコマ送りで見える

 

 「ほう?良い反射神経だな・・・・・」

 そう言うと黒田刑事は拳銃を俺に向けたまま話し始める、その間俺はじりじりと後ろに下がる


 「さっきはうまく避けれたが―――」 

 そこで黒田刑事は言葉を切ると、内ポケットからもう1丁拳銃を取り出し俺に向け歪んだ笑みを浮かべながら口を開く


 「2丁だとどうかな?」

 「・・・・・・・・」

 黒田刑事のその言葉に俺は冷や汗を流す

 

 

 「第2ラウンド・・・・・・・・・・・・・・開始だ!!」


 黒田刑事が引き金を引く

 

 


 

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