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【俺】
消えたいわけじゃない
居たくないわけじゃない
存在していたくないわけじゃない
それでもまた今日も思う
何をしているんだ俺は
俺はなんて無力なんだろう
俺は俺の無力さを受け入れて妥協して俺を捨て去ったはずなのに
どうしてこんなに悲しいのだろう
どうしてこんなに苦しいのだろう
どうしてこんなに他人事で他人を見ている他人を許せないのだろう
どうしてこんなに他人を強いたげる他人が許せないのだろう
俺は関係ない
何度も何度も何度も何度も
何度そう言い聞かせても
なぜ他人が他人を傷つけているのが許せないのだろう
俺がなにかをされたわけじゃない
俺の大切な誰かが何かをされたわけじゃない
それなのになぜ俺は
赤の他人が赤の他人を傷つけているのが許せないのだろう
他人事を他人事で済ませる人を許せないのだろう
他人事を自分事のように想うふりをしている人を許せないのだろう
他人は他人
自分は自分
俺自身のことならそれで済ませられるのに
なぜ俺自身と関係ない人が俺自身と関係ない人に他人は他人と振る舞っていることが許せないのだろう
俺のことは誰も助けてくれなくていい
俺は俺だから
それなのに誰かが誰かを助けてあげないのはなぜ許せないのだろう
他人事を他人事として済ませることが出来たらどれほど楽になるだろう
他人事のふりをすることは出来る
他人事のふりをしてキツいことをいうことも出来る
でも気がつけば他人事として見ていられない
だから俺は
目を閉じた
耳を塞いだ
口を結んだ
心を消した
それでも心臓の鼓動が俺を俺であることをやめさせてくれなかった
何で俺はこんなに無力なのだろう
何で力を持つ人はその力を誰かのために使わないのだろう
俺は今日も自分の無力さを痛感して哭きたくなるほどの悔しさを抱えて世捨人になる
気がついたら俺は俺だった
もう変えられない
変えられたらどれほど楽だろう
でもそれをしたら俺は俺じゃない
俺は俺をやめようとしてやめようとしてやめようとしてやめられなかった
俺は俺でいたかったのだろう
だからまだ俺は俺でいる
俺は俺が俺でなくなるまでは俺でいる
無力を噛み締め心で哭きながら俺でいる
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