バーチャルとリアルの境界線

第4話：その名はシルフィード

４－１

　シルフィード、ＳＮＳ上では新進気鋭のバーチャルアイドル等とも書かれているが……謎が多い人物である。

まずは、彼女のいる空間も説明がつけられないし、唐突にバーチャル空間から現実世界に干渉した理由も不明。

素顔に関しても、外見自体が常時メットをかぶっている関係上、これも不明というべきか。

バーチャルアイドル自体、素顔というか中の人自体……これは、失礼。さすがに言いすぎでしたかな。

しかし、彼女の場合は一部のバーチャルアイドルが素顔を見せた状態でバーチャルドライバーをプレイする中で、異例と言えるでしょう。

　あの、エウロペでさえ素顔を見せているのですから……だからと言って、全てのバーチャルアイドルがメットなしでプレイしているわけでもない様子。

メット自体、装備に関しては任意という事にはなっているようですが……ＡＲゲームでは必須だったので、その流れで装着している人もいるのでしょうね。

そして、彼女の使用している武器は紛れもなくバーチャルアイドルで使用されているスポンサー付、これが意味する物は……。

　それに加えて、彼女がアンノウンと戦う理由も明らかではない。バーチャルドライバーはゲームなので理由は必要ない、そういう風に受け取る人もいるようで……。

ＳＮＳ上ではバーチャルドライバーの宣伝行為と炎上目的で拡散する者もいるが、これ自体がフェイクニュースである事もあり得る話でしょう。

その謎が多いシルフィードにフレイと瀬川（せがわ）アスナは接触を試みるわけですが、さて、どうなるでしょう？

　色々と不自然な箇所は他にもあります。ＡＲゲームの聖地としても有名な草加市が、このタイミングでＶＲゲームに手を出したことでしょう。

バーチャルドライバーがＶＲゲームなのかと言われると、システムなどの面で賛否両論ですけどね。単純にブラウザゲームの延長と考えているゲーマーもいるようです。

スポンサー付きの武器という要素でガチャによるアイテム課金システムとは違う事をアピールし、様々なバーチャルアイドルの参戦も……。

これ以外にももう一つ、疑問は存在します。それは、このシステムがとあるメーカーによって生み出されたわけですが、実はこのメーカー、少し前にアイディア募集を行っていた……という話も。

様々な人物がアイディアをエントリーし、その結果としてバーチャルドライバーが生まれた……で話が進めばよかったのですが、これには何かあるようです。

　皆さんは、どう受け止めますか？　一連の事件、炎上商法、まとめサイト……すべてが、あの『不正破壊者の我侭姫』と似ていることに。

この世界はＷＥＢ小説の世界ではないのに……どういうことなのか？

　そして、場面は切り替わり……フレイとアスナがシルフィードとのマッチングに挑む。

（今の冒頭の語り、アオイドスのような気配もしたが……まとめサイト等の見過ぎなのか？）

　フレイは謎のメッセージを聞いたようにも感じたが、それは気のせいとも考える。

今はシルフィードとの接触が優先である以上、些細なことを気にしてプレイに影響が出ては……そちらの方がダメージになるだろう。