第9話 使っちまった…………

「面白い…………」



 あ…………やばい?


 つい反射的に受け止めちゃったけど、これマジでやばい奴だ。


 うっわ…………めっちゃ笑ってるよ。


 しかも、その目は獲物を狙う肉食獣の目だよ。


 マジで引くわ。


 うん。


「これはどう!?」


 とりあえず、受け流そう。


「っ!?」


 今度はかわして、斬っておくかね?


「っ!! なっ!?」


 お、受け止めちゃったか…………。


 なら、次は薙ぎ払ってみるか?


「くっ…………!! きゃあああっ!!!」


 あら、可愛らしい声-------------って、あれ?


 何か、普通に戦えてるな…………。


 ん?


 何か、視界が変だな?


 まるでRPGのゲーム画面みたいな感じに…………ん? んん??


 やべぇえええ…………うっかりスキル使ってたっぽい。


 何か、見覚えのないが嵌められてるし…………。



「よくもっ!!!」



 あぁ、どうやら剣聖様に火をつけてしまったっぽいな…………。


 マジだるいな…………。


 あまり目立ちたくないし…………。


 ここは----------------



「ぐぇっ!!」



 -------------素直にやられときます。



「……………………は?」



 自分の与えた剣撃に吹き飛ばされ、呆気なく頭から訓練場の壁に頭から突き刺さる俺の姿に、思わず間抜けな声を出した剣聖。


 それは俺達の闘いを眺めていたギャラリーもそうであったようで…………。


 皆が再起動するまで、俺は壁に突き刺さったままだった。

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