人の本性を救ってくれる話

“人は生まれつき悪”であるような登場人物達だな、と思いながら読んでいました。
 だからこそ、この2人には、エンディングを迎えるまでにこれほどの時間がかかり、ここまでしなくてはいけなかったのだろうなと思います。

以後展開にネタバレがあるかもしれないので注意↓

 いつになったら2人に救いが来るのだろう、もうそろそろ、いやまだか、まだか…と読み進めていき、最後の最後、ある種のどん底まで堕ちた2人が己の性を認め、ハッピーエンドに導かれる様子が清々しく、簡単で安易な救いに辿りつかない、巧みで洗練されたようで激烈な物語の描き方が素晴らしかったです。
 救いを待って読んでいる時も“気味のよさ”を感じられ、また、それを楽しんでいる自分がいることにワクワクしました。

最後までとても面白かったです!

レビュワー

このレビューの作品

不能共

その他のおすすめレビュー