ヘタレ王子とツンツンヒロインの織り成す、王国物語シリーズ最新作。

男爵家の令嬢でありながら、貧乏故に庶民の住む地区でひっそりと暮らしているクロエ。努力の末に高級文官となった彼女ですが、同じ職場の先輩にして、公爵家の跡取りであるフランソワと親しくなっていくのですが……

というのが本作のあらすじなのですが、ここでひとつ、タイトルにある『百年後の王国物語2』の説明をしたいと思います。
簡単に言いますと、架空の同一世界を舞台として、様々な恋模様が書かれるシリーズ。
恋の形は実に様々。運命に導かれ出会った憧れの相手だったり、名家のお嬢様とそれに支える間者だったり、二股・同性愛だったりと、ビックリするくらいに多種多様。それがもう、十作を軽く越えるくらい続いています。
同じ世界観でこれだけの話を考えるだけでも凄いのに、しかも各作品間の登場人物がどこかで繋がっていて、時に、以前読んだ作品の後日談やサイドストーリーも楽しめる。作者様の引き出しの多さに驚愕します。

そんな世界観を受け継いだ本作だって、もちろんステキな恋が生まれます。
次期公爵という、端から見れば誰もが羨むような相手からアタックされるクロエですが、お堅い性格とこれまでの人生経験から決して舞い上がることなく、むしろいずれは終わるものと、どこか一歩引いた様子。そんな彼女にジレジレしながら、それでも引き下がらないフランソワ君が実に健気。彼の苦労を想像すると、頑張れと思わずにはいられません。
愛する気持ちは、この溝を埋めることができるのでしょうか?

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