第4話 タネ明かし

 俺の番が来た。来てしまった。ここにはもう二人しかいない。心臓がうるさい。息が苦しい。汗が止まらない。手が震える。

「さあ早く、君で最後だよ」少年は笑顔で急かしてくる。

「な、なあ、いい加減教えてくれないか! なんでんだよ!?」おそらく青ざめた顔で俺は少年に聞いた。

「んー、もういいかな。あと一人だし。実はこのサイコロには魔法がかかってるんだ。振ったら7の目が出るサイコロ! 最高でしょ! すごいでしょ! 7というのは! だからこんなに強い魔法を実現できるんだ。」

 少年は自慢げに哂う、笑う、嗤う、呵う。

 その笑い声が今までに感じ続けていた寒気と共に俺の身体を刺す。じゃあ、俺も皆と一緒に地獄に……俺も死んでしまうのか――

 震える手でサイコロを手に取っ、あ!!

「あ……」サイコロが落ちる。人生が終わる。

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