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どうか 壊さないで この平和を

どうか 邪魔をしないで 僕の夢を

どうか 見放さないで 僕たちを


初々しい青年の思いが 蘇った

何度も 失敗を重ねた 悔しさ

初めて 美しく重なった 喜び


錆ついた身体は 何時もは 怠惰なのに

武骨な節は 何時もは ぎこちないのに

何時も 無愛想な 感情も


難解な調和は 僕を 目覚めさせていく

血が 熱く 全身にみなぎって

魂が 遂に 弾け飛んだ


覚醒された 僕の 記憶

何故に 村人たちは口を噤んだのか

どうして 青年の墓はないのか


この子が どこの子で

あの日 何が起こったのか

みんなが 知っているような村だ

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