ある晴れた日に①〜無事,帰宅〜

「ただいま~。お腹すいた~」


家は落ち着く。命を脅かすモンスターもいないし。ジャンと一緒に家に戻って一緒に晩御飯を食べることにした。


「あら,お帰りなさい。遅かったから死んでるのかと思ったわよ。ジャンも疲れたでしょ。ほら,座って座って」

「ありがとうございます。でも,先に挨拶をさせてください」


ジャンはそう言うとぼくのお父さんの仏壇がある部屋へと向かった。ぼくのお父さんはぼくが物心がつく前に死んでしまった。だから,お父さんと過ごした記憶はほとんどない。ジャンは以前,「ソラの親父さんを殺したのはおれのようなもんだ」と言っていた。それを聞いたお母さんは,「それは違う」と言っていたが何が起きたのかはいまだに教えてもらえていない。ただ,その場に居合わせたのに実の父親が死んだ瞬間を覚えていないというのも不思議な話で,何が本当で何が事実なのかがいまいちつかめない。きっと,もっと強く頼りになれるころには教えてもらえるのだろう。父の死んだ原因は何だったのか。その時何があったのか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る