第42話 幸せ過ぎてヤバイ……賢人サイド
何だ、これ?
結婚か?
新婚家庭か?
毎朝弥生の作る朝食を食べ、ただいまと弥生のいる部屋に帰る。
三星のレストランより弥生の飯だ。今まで適当に参加していた飲み会も、全く魅力を感じない。それどころか誘われるだけで不快にすら感じる。
弥生が洗って刻んで炒めたものが自分の血となり肉となる。
不純物などいっさい取り入れたくない!
あとどれくらい弥生の作る食事を取れば細胞全部置き換わるんだろう?
新陳代謝は良い方だから、もうほぼ弥生に作られたって言っても過言じゃない?
以前はそれなりに性欲旺盛な方で、その解消の為にほぼ毎日誰かしら抱いていたが、今じゃ弥生以外に触るのも嫌だ。
性欲がなくなった訳じゃないけど、自分のペースで弥生に手を出して嫌われることを考えると、とてもじゃないけど手は出せない。
毎日のハグも、最初は全身硬直させていた弥生だけど、最近はかなり力が抜けてきた。だから回数も増やして、触る場所もかなり際どいあたりを掠めたりして、少しずつ慣らしている最中だ。
今日はデコチューまで進展できた!(ガッツポーズ!!! )
明日は瞼、明後日は頬……、ウワッヤバイ! 興奮してきた。
本当は夜だって一緒にいたい、抱き締めて眠りたい。
でも、確実に我慢できないだろうことは自分でよくわかっている。だから、夜だけは自分の部屋に戻る。まぁ……出すもん出さないと不健康だしな。
弥生がいるから代替え品なんかいらない。まさか自分が右手のお世話になるなんて想像もしてなかったけれど、今はそれでもかなり満たされている。
いづれ!!……と思うと、それだけで滾る! 滾りまくりだ。
第一、隣からシャワーの音とか、オカズ以外の何物でもないし、今なら目の前に全裸の美女がいても、弥生の出す生活音ほど興奮しないだろう。ほどというか、全く反応しない気がする。
あぁ、話がシモの方へ流れちまった。
賢人はベッドに横になりながら、さっきデコチューした時の赤らんだ弥生の顔を思い出して悶える。
とにかく自分から逃げようとしていた頃の昔の弥生からしたら、もう! 想像もできないくらいの変貌を遂げている。いつもの塩対応はその名残というか、通常運転の弥生だが、たまに見せるあの照れた表情、最近は弛んだ表情さえ見せてくれるようになって、言葉では何も言ってもらえないが、「俺って好かれてるんじゃね? ってか、絶対好きだろ、この野郎! 」と小突き回したくなる。
だからこそ弥生のペースに合わせてやりたいって思うし、今までの不遇な年数を考えたらたった数ヶ月、数年くらい待てなくはない……筈なんだけど。
もうチューくらいは駄目なんかな?
でもベロチューとかしたら、止まらなくなりそうだしな。
最初のチューは、部屋じゃない方がいいよな。暴走しない為にも。
ということはデートだ!
デートに誘わないと!
でも……、デートって何処で何するんだ?
健全なデートということをしたことのなかった賢人は、初めてのデートプランに頭を悩ませてなかなか眠れなかった。
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