第12話 第三部 頼房 第十一章 擲身報郷

          (一)


 釈明の場に、相良さがら深水ふかみ宗方そうほうを送り出した。今の家中で、宗方に代われる者はいない。宗方は、供を全て控えの間において、一人で審問の場に臨んだ。

 そこには、奉行の石田いしだ三成みつなり、同役の増田ました長盛ながもり細川ほそかわ藤孝ふじたからとその下僚のみで、訴人である島津側の者は臨席していなかった。

佐々さっさの検地強行には、異論を唱えたと申すのじゃな」

 正面に座る石田三成が鋭く質した。宗方そうほうは、堂々と返答した。

「いかにも。関白殿下より民心が定まるのを待てとのご意向あるは存じておりましたゆえ、お止め申しました」

「それでも止められなんだは」

「我ら相良は、ただの与力にござる。佐々殿はこの肥後ひごの国主にござれば、断じて行うと申されるものを、お止めしようがござりませぬ。それに、『我は関白殿下とは長い付き合い、見事成し遂げれば咎め立てられるどころかお褒めにあずかろうし、この肥後にもご威光は届いておるによって、検地は必ず達せられる』とまでおおせでござった。そこまで言われては、つい先年拝謁の栄をたまわったばかりの我らでは、諫止かんしの言葉はござらぬ」

 三成は、相良の弁明をどう聞いているか、確認のために左右の同僚を見た。宗方が駄目を押す。

「我らが検地に反対致しておった証は、我が領地の球磨には、一人も検地の役人が入っていなかった事実で明らかにござりましょう。さすがに佐々殿も、遠慮して後回しにされたからと申し上げれば、お判りいただけるかと存じまするが」

 三成が矛先を変えた。

「なれば、島津が肥後救援の軍を差し向けたるを、相良が遮ったことはどう釈明する」

「それも佐々殿よりの命。佐々殿は、島津様がこの機に乗じて肥後切り取りを策しておられるのではと疑われた」

「関白殿下より島津殿への下命があってもか」

「そのようなことがあったか否か、我らは知り申さなんだ。少なくとも我らは佐々殿より命を受けるとき、そのようなお話を伺ってはおりませぬ。また佐々殿より下知なくば、そのようなこと、我らには知るすべがござりませなんだ」

「そなたが島津の軍勢を遮らんとしたとき、島津の将は関白殿下の命じゃと言ったと申しておるぞ」

「我はその折、何らかの証をお示しいただきたいと申し上げてござる。我に指図する将より『敵じゃ』と言われておる相手の申すことを、そのまま鵜呑うのみにすべきであったとは、まさかにおっしゃりますまい」

「全ては直属の将に従ったまでというか」

「いかにも。違うことは違うと申し上げた上で、それでもご判断が変わらねば、その後は黙って従うのが武門の習いにござる」

「そのほうの言い分とは違うて、全ては相良の画策の結果と申す者がおるぞ」

「笑止」

「それが相良家中の者でもか」

 宗方そうほうは口を閉じ、目の前の若い官僚を見つめた。それから、静かに言葉を紡ぐ。

「我が相良は小領なれど、人士には様々な者がおり申す。中にはお家に害をなさんとするやからが出るも、恥ずかしきことなれどまたそれも事実。さような叛徒はんとの申すことなど、いちいちお取り上げにならす、お捨て置きくだされ」

「叛徒か。領主一族に列する将を、お主は叛徒の一言で片づけるか」

「誰のことをおっしゃっておられるか」

「相良新介しんすけと申す者がおるそうじゃの」

「相良新介――なるほど。かの者は、島津殿が関白殿下に抗されて、九州全土をその手に納めんとした折、島津殿の尖兵となって働いた男にござる。無論、我ら相良が島津殿の下知に従うていたときの話ゆえ、勝手にそうしていたなどとは申しませぬ。

 が、その折からのつながりで、新介めは島津殿のご家中よりかなり目を掛けられていたようにござりまする。それをどう思い上がったか、『ご当主頼房よりふさ様に取って代わる気になっておる』と、重職が当人をきつく叱りましたところ、先日、出奔しゅっぽんしたとのこと。

 そのような次第にて、改めて身元を確かめさせました調べ書きが、つい先ほど手許に届きました。まだここに持っておりますゆえ、どうぞご披見くだされ」

 宗方は懐から書面を抜き出すと、自身の前に置いた。下僚がそれを拾い、奉行に届ける。受け取って目を通す三成が、ちらりと目を上げた。

「ずいぶんと、都合のよい時期に調べ書きが届いたものよの」

 宗方はそれには答えず、別のことを言い出した。

「先ほど、島津様の兵を遮ったわけのお尋ねがありましたな。それは佐々殿の命だったゆえ――その答えに、嘘偽いそいつわりはありませぬ。しかし、ほかにも理由がござりました」

 奉行の面々が、何を言い出すかという顔で宗方を見た。

「関白殿下が、いずれはこのもと六十余州ろくじゅうよしゅう全てで行わんとなされておる検地を、肥後だけ遅らせんとご懸念あったは、この地が鎮まらず民心が定まっておらなんだがため――さりながら、肥後がそのようであるのは、なにゆえでござろうか。

 無論、肥後は昔より小領主が多く、その小領主と土地の者の結びつきが他の地より強いがためということもござろう。しかし、この肥後の地を掻き回し、騒乱を生じさせ民心穏やかならざる様にした者がござります。はっきり誰と言いたくはござりませぬが、皆様もお判りであられましょう」

 相良の老職は穏やかな目で、己を裁く者どもを見回し、言葉を続けた。

「島津殿が一揆を収めるためにこの肥後に入られるという。しかし、島津殿が入られて、本当に収まりましたろうか。一揆の者どもは、先に己らになされたことを思い出し、さらに死に物狂いになったのではござりませなんだろうか。

 それは、止めたい。この肥後のために、止めたいと思いました。されば、島津殿の軍を遮ったは、最後はこの深水宗方が一存で決めたること」

 奉行たちがいぶかしんだ。

 ――目の前の男は、何を言い出すのであろうか。

「もし島津殿を肥後に呼び込み、一揆制圧に成功したとして、佐々殿よりお召し上げになるであろうこの国は、その後誰に任されることになろうか。それを思ったとき、それがしは怖ろしさに震え申した」

 実際には、それ以上の危惧を抱いていた。

 ――島津の軍が肥後に入っていれば、乱のおそれありと称して球磨にも乱入し、押さえるつもりであったろう。そして、制圧後は秀吉に対し球磨を含む肥後南部を褒美に要求する。

 国境に設けた関で薩将梅北うめきたなにがしと対峙したとき、宗方の放った「そこもとが我らを蹴散らしてここを押し通らんとせば、関白様には島津が肥後の動乱に乗じて領地をかすめ盗らんと蠢動しゅんどうしておるむね、申し上げることになる」との言葉に、梅北は一瞬躊躇ためらいの色を目に浮かべた。それをはっきり見たと思った瞬間、宗方は島津の意図を確信したのである。

 宗方は、はらくくって最後の言葉を述べた。

「石田様、皆様――相良を、お取り潰しにならんと思われるなれば、それもよろしかろう。ただ、島津殿にその後をお任せになることは、どうかおやめくださりませ。さもなくば、こたびと同じことが、またいつか起きかねぬと憂う次第にござれば。

 先ほど申し上げたとおり、島津殿の軍を止めたるは、この深水宗方が一存で為したることにござる。罪あるはそれがし一人。なにとぞこの皺腹しわばら一つで、球磨くまを、そして肥後の国をお救いくだされ」

 深水宗方は、平伏して畳にひたいを擦りつけた。騒動の始末を委ねられた奉行たちは、ただ黙ってその姿を見つめていた。


          (二)


 島津の名代、上井うわい覚兼かくけんが落ち着かぬ様子で控える部屋の襖が、断りもなく開いた。開けた男は、ずかずかと踏み込んでくる。石田三成であった。

 覚兼は、片手を畳につき頭を下げて三成を迎えた。

「して、相良新介なる者は戻ったか」

「いえ、それが……」

 覚兼は、やむをえずそう答えた。

「逃げたな」

 三成は、あっさりとそう断じた。

 覚兼は懸命に願う。

「いま少し、いま少しお待ちくだされ」

「無駄であろう。己でかわやへ行くと申して控えの間を出、そのまま消え失せた。確かめさせておる途中だが、城外へ出たところを見た者がおるという話もでてきた」

「……そのような。第一あの者は、逃げたとて何も得はござりませぬ」

「島津の援助が得られなくなるからか」

 無遠慮な問いに、覚兼は答えられなかった。

 三成は、その膝元に書面を投げ置いた。

「逃げるに、理由はあるようじゃ。あの者、相良の末につながる者と申したの。確かにそうであろう、上村うえむらも相良の一統ゆえな」

「なにを……」

 ぎょっとして見上げる覚兼に、三成は投げ落とした紙の束をあごで示した。

「相良の名代、深水宗方が持参した調べ書きだ。それによれば、新介はかつて相良を壟断ろうだんした上村頼興よりおきの孫。三郡雑説さんぐんぞうせつと呼ばれた謀叛を起こし、失敗しくじって日向ひゅうがに逃れた上村長蔵ながくらが実子とある。島津の口書を信じたなれば、相良の調べ書も同様に扱わねばの」

「まさかに、そのような……」

「知らなんだと申すか――ふむ、そこもと、義久よしひさ殿より全てを知らされぬまま名代に立てられたのやもしれぬの」

 あわれむような目で己を見る三成を、覚兼は見返した。視線の強さが、途中から失われていく。

 ――己の主人に限って、そのようなことはない。

 しかし、その言葉は口からは発せられなかった。

「どのような伝手つてを頼ったか、相良の先代に取り入り、いくさを通じて島津の気に入られ、やがては島津の支援を得て相良を乗っ取るつもりであった。それがこと破れ、せめて父の恨みだけは果たさんとしたものの、出自がばれて、仇討ちどころか己の身まで危うくなりかけたのに気づき、対決の直前で遁走とんそうした――こたびの新介の行動は、そうとしか取れまい。

 いずれにせよ、島津が立てた証人が己で逃げたとなれば、島津の訴えがまともに取り上げられることはなかろう。今なれば、肥後の始末を拝命した奉行が、職権で相良に経緯を質したということで収められる。上井殿、訴えを取り下げてはどうか」

 島津の名代は、がくりと肩を落とした。

 ――万全を期して駄目を押さんとした一手が、余分であったのか。

「まあ、急がずともよい。ひと晩ゆっくり考えて、答えを持って参られよ」

 それだけ言って、三成は部屋から出ていった。

 覚兼は、顔を上げてそれを見送ることができなかった。

 三成がここへ来るまでの間、相良新介に見張りをつけておかなかったことをずっと悔やんでいた覚兼であったが、あの新介が相良の言う通りの人物であったとすると、逃げ出してくれたことは、島津のお家にとり却ってよかったかもしれぬ――覚兼がそう思えるようになるまでには、まだ長いときが必要であった。


          (三)


 隈本くまもとより東へ、阿蘇あそを越えて日向に到る脇街道を、相良新介は一人、追い立てられるように歩んでいた。足を急がせているのは、後ろからの追っ手を気にしてのことではない。新介の気分が、そうさせているのだ。

 あの日、荗季しげすえ休矣きゅういの屋敷に呼ばれて対面したとき、怖いような顔つきでこちらを睨みあげた屋敷の主人は、次の瞬間、己よりもずいぶんと歳下で相良での経歴も短い新介に、がばりと両手をついた。

「そなたの名と命、このわしにくれ」

 それが、休矣きゅういが最初に発した言葉であった。

 何のことか説明を求める新介に、休矣は相良を救うための策を口にした。それを実現するためには、新介がこれまであげてきた声望を地に落とし、場合によっては新介の命まで取ることになるという。

「なるほど」

 憤りの様子一つないその言葉が、新介の反応だった。

 休矣きゅういが畳みかける。

「真に申し訳ないと思うておる。が、他に何の策も立たん」

 また床に手をつこうとする休矣を、新介はじろりと見やった。

「まあ、お手をおあげくだされ。それはともかく、休矣きゅうい様の策を我が受け入れたとして、休矣様は我に何をしてくださります」

「何をしてくださるとは――何をせよというのか」

 困惑の態で、休矣は顔を上げた。

 ――新介は今や、己と同じ天涯孤独の身であるはずだ。その男が命をくれと言われたときに何を願おうというのか。

 半分は親代わりとなりながら、修行時代に少なからぬときを一緒に過ごしてきたはずの休矣が、思い当たらない。

「これだけのことを願われるからには、こちらの言うことも何でも叶えてもらえるのでしょうな」

「……無論、儂にできることなれば、何でもやる」

 同じ師に学んだ兄弟子が、肚を括って答えた。

「なれば、まず伺いましょう。我が名誉を失い、あるいは首斬られた後、休矣様はどうなされるおつもりであったか」

 相手の無言に、畳み掛ける。

「まさかに、我が放逐されたるときにはお家を退転し、刑に処されたる折は腹を掻き斬る――そのようなおつもりではござりますまいな」

 相良の重職である休矣は、低い声で己の存念を告げた。

「儂だけが、のうのうとしておるつもりはない」

「されば休矣様。もし、そなた様がそのように振る舞われたとすると、本来、我が勤めたはずのご奉公は、どなたが後を引き継いでくださるのであろうか」

「それは……」

 言葉が発せられないのを見越したように、新介は言葉を押し被せた。

「我がこのまま留まれば為したるはずの忠義を、休矣様におやりいただく。無論、ご自身の重職としてのご奉公に加えてでござる――これが、策をお引き受けするにあたっての我が願い」

「新介……」

「よろしいか。後は、頼みまするぞ」


 新介には、祖父がどう、父がどうといった考えは、もとよりなかった。せいぜい、代々で残した悪行を払拭する一助にでもなればとの思いが、心の隅にあった程度である。

 そうでなければ、この男が瑞堅ずいけん眼鏡めがねかなうことはなかったであろう。

 ――目の前にあることが、やり遂げるだけの甲斐あることならばやる。

 それだけだ。

 島津の九州平定に加わった折の、休矣きゅういと新介の論争も、周りが懸念しているようなものではなかった。

 新介が充分以上の軍功を上げていることも、兵の損害を許容できる限度よりずいぶん低めに抑えていることも、二人の間では了解事項であったため、「現状程度の損害でいかに軍功を積み上げるか」と、「損害を出来るだけ抑えつつ必要最低限の軍功を目指す」のと、どちらがより相良のためになるかを二人で厳しく精査していただけだった。

 二人は、共通認識がすでに出来上がっている前提条件のところを一切飛ばして話を進めていたため、周囲には激しい言い争いに聞こえたのだ。

 ただ、途中からは休矣がそれに気づき、後の何かに利用しようと策していた気配がなくはない。一方の新介は、どこまでも無頓着むとんちゃくに休矣に応じていただけだった。

 新介の身元の調べ書は、簡単にできたはずだ。なにしろ、調べられる当人が、どこにいるはずの誰に何を聞き、何を求めれば、どういう事実が判明するかを、できる限り詳細に伝えたからである。

 調査は荗季しげすえ休矣きゅういの手の者によって行われ、結果をまとめたものが深水ふかみ宗方そうほうのもとに急ぎ届けられた。


 今、この山道を歩いていることが相良と球磨人吉ひとよしへの別れであることを噛み締めながら、新介は足を進めていた。心のうちに、寂しさがなかったわけではない。しかし同時に、くびきを離れ、これから己がどうとでも思うがままに生きられることに、若い新介は心弾ませるものを感じていた。

 それが、新介の足取りを軽くさせている、たった一つの理由であった。


          (四)


 深水宗方は、いまだ隈本城の一室に一人で控えていた。部屋の襖が開き、石田三成が顔を出した。

「島津の名代、上井うわい覚兼かくけんはいま城を下がった。おそらく明日には、訴えを取り下げてくるであろう」

 部屋に入るなりそう言った三成に、宗方は平伏した。

「ご配慮、まことかたじけなく存じまする」

「深水殿。これで一件は一応落着じゃが、関白殿下にはそこもとより直接弁明をなされたほうがよろしかろう」

 三成の意外な提案に、宗方は目を丸くした。

「それがしが、直接、関白様へでござりますか」

「関白殿下が薩摩までご親征あそばされたおり、そなた、じかに拝謁する栄を賜ったであろう」

「は。過分にも、何度かお側までお呼び寄せ頂き、親しくお言葉を頂戴いたしました」

「殿下は、ずいぶんとそこもとがお気に召したようじゃな」

 秀吉の九州親征は、無論軍事目的が第一であったが、天下人の威勢を直接九州の者どもに見せつけるとの意識も多分にあった。そのために、実戦部隊は別にして、秀吉の本軍は茶人や絵師から上臈じょうろう(遊女)、猿楽師さるがくしなどまで多数を引き連れ、まるでけたはずれに富裕な数寄者すきしゃ(趣味人)がはるばる九州まで物見遊山ものみゆさんにきたかというていの、きらびやかな大行列であった。

 島津に隠れて秀吉に近付こうとしていた深水宗方は、正式な手続きを経て秀吉への相良臣従を伝えていたのだが、滞在する期間中、一行の大茶会や歌会などの行事にも、付き合いで参加することがあった。そうした折に示した文才が、秀吉に同行していた著名な連歌師れんがし里村さとむら紹巴じょうはの目に止まり、関白殿下に親しく接する機会を増やしたのだ。

 戦場往来しか知らぬ荒武者には、たとえ思いついたとしてもまねのできない外交手段であった。

「関白殿下のご機嫌を伺っておかれよ。そこもとにも、相良にも、悪いことにはなるまい」

 三成にしては珍しく温かい口調で、そう助言を与えた。

「は、ではさっそくに上坂じょうはんの手配を致しまする」

「間を置かぬほうがよろしかろうぞ。できるだけすぐにご出立なされ」

 そう言うと、相手の礼もろくに聞かずに部屋を出た。

 ――深水宗方は、あの折、殿下に直臣じきしんになるよう求められ、謝絶したと聞いた。先ほどの己の身に替えて相良を救おうとした姿からも、これは本心と見てよいであろう。なれば、己の競争相手にはならぬ秀吉のお気に入り。厚意を示しておいて損な相手ではない。

 それが、宗方へ助言をなした三成の算段である。

 あわただしく出て行った秀吉の寵臣ちょうしんを平伏して送り出した宗方は、一人残された部屋で背筋を伸ばした。

 ――終わった。何とか生き延びたようだ。失ったものは大きいが、それを嘆いている余裕は、まだあるまい。

 口を引き結んで、鋭い視線を上げた。


 佐々さっさ成政なりまさの手から取り上げられた肥後は、半国を小西こにし行長ゆきなが、残る半国は加藤かとう清正きよまさに預けられた。相良は咎めを受けることなく、そのまま清正の与力につく。

 その後相良家は、秀吉の朝鮮出兵、関が原せきがはらの合戦、島原しまばらの乱といった幾多の荒波をくぐり抜け、球磨人吉の大名として、明治を迎えるまで生き抜くこととなる。









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