心霊ノート 短編

徳兵衛

第1話 訪問者

ある3月末の事だった。

私はこの春オープンのショッピングモールの準備室にいた。

仕事と内容は館内放送の設備・運営補助といったところだ。


オープンも近くなったが、私の作業の進みは遅く毎日残業が続いていた。

今日も4階にある放送室で夜の12時を越えようとしている。


放送室の窓越しに売り場が見える。

スポット的に薄暗くオレンジ色の明かりが照らしている。

所々に立っている裸のマネキンが不気味に見えてしょうがない。


早く仕事を終わらせなきゃ

私は集中する時、無音で仕事をする事にしている。

眠気覚ましのコーヒーを飲みながら、蛍光灯の光が眩しく感じられる


今日も12時を廻ってしまった

もう少し頑張るか


そう思っていた時


『トントン・トントン』

と放送室の厚い扉を叩く音がした


こんな時間に誰が来たのかな

警備員さん?

そう思い扉を開けると、作業服を着た男の人が立っていた








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