生き様 死に様

人が亡くなった

小説のなかでだ


ぼくはその小説を

何度も読んでいる


同じところで

いつも涙が

込み上げてくる


何度読んでも

はっとするような

気づかされるような

そんなことがある


憧れているのだ

彼の

生き様に

死に様に


羨ましいのだ

彼の

生き様が

死に様が


手が届かないものが

目の前にある


悔しくて

悔しくて

たまらないときがある


ぼくにはきっと

彼のような

生き様も

死に様も

できないだろう


だけど

ぼくの心のなかに

彼の

生き様も

死に様も

たしかにある


これからも

ぼくは

その小説を

何度も

何度も

読むだろう


生き様を

死に様を

求めつづけるだろう

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