ex03-02「作品紹介その1」


◆西木 草成さん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655322268899



 戦時中を舞台に書かれた三人称のアツい物語。筆致の印象はやや硬め、イメージは戦時中にもあったはずのHBの鉛筆ってとこでしょうか。

 この時代、長期間の別れというのは今生の別れに等しく、その時代ならではの厳しさが垣間見える物語です。ぶっきらぼうだけど心根は優しいハルオと、深い愛を持つナツコのお話。

 西木さんの物語は、ハルとナツの立場が逆転している珍しい作品です。今のところ、参加作唯一です!




◆lagerさん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655372506037



 ギター(音楽)をテーマにした、エッジの効いたナツの一人称。短いフレーズが多く、硬めの筆致やテーマから、イメージするのはもちろんギターのピック(Heavy)です。

 物語は、リアリティのある男の友情ものです。あぁ、これくらいの年の男子ってこうだよなぁ、カッコいいよなぁと思うこと請け合いです。

 技術的な話ですけど、短いフレーズの多用を使いこなすってマジ難しいと思うんですよ。なのに洗練されててステキ!




◆暗黒星雲さん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655343780838



 暗黒星雲さんといえばSF! 今作ももちろんSFです。

 人型コンピュータのハルの一人称と、戦闘用人造人間のナツの一人称が交差するハイブリッド一人称。イメージはやや柔らかめのドラゴンフライの翅(読めばわかる!)

 このSFはその筆致からかとても読みやすく、普段SF読まない人にもオススメです。物語は異星人が攻めてきたのでそれに抗う物語。アツい展開のバトルもの。血がたぎること間違いなし!




◆無月弟さん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655368151174



 柔らかく優しい筆致が特徴の無月弟さんの今回の物語は、ナツの一人称での現代ファンタジー。やはりその筆致は柔らかく優しくて、でも今回はそこに切なさがプラスされています。イメージは口に入れると途端に溶けてしまうメレンゲかなぁ。

 画家になる夢を叶えるため、ナツは海外へ行くことを迷っている。なぜ迷っているかというと──、というところから始まる物語は、もう切ない。切ない物語が好きな方、オススメです!




◆西野ゆうさん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655410484806



 こちらも戦時中をテーマに書かれた、硬めの三人称の物語。筆致のイメージはキラリと光るドッグタグ(読めばわかるよ!)。

 かっちりとした硬派な文章で、書かれているストーリーとも相まって、とてもカッコいい印象を受けるハードボイルドな物語です。このテーマというか、時代設定がすごいんだよなぁ。

 こういう文章は私、逆立ちしても書けないのであこがれますね。ハードボイルド好きには堪らない一作だと思います!




◆lagerさん(2作目)


https://kakuyomu.jp/works/16817330655416761419



 lagerさんの2作目はホラー。ガチホラーです。ナツ(女の子)の一人称で筆致はやや硬めな印象。一作目と同じく短いフレーズが多いのですけど、この筆致により今度は「怖さ」が際立ってます。同じフレーズの使い方でもこんなに味が違うんですね。イメージはピンと尖ったハイヒールのカカト。カツカツ鳴ってる気がするよ!

 同じプロットでも筆致とイメージでこんなに違う物語が書けるのはやっぱり作者さまの力量なんでしょうね。すげぇ! マジすげぇ! ホラー好きな方は是非是非!




◆田中ざくれろさん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655495454920



 やや硬めの筆致で描かれる異世界ファンタジー。イメージは「獣の爪」でしょうか。カッコいいですね。SFっぽい印象を受けましたが、ジャンルは異世界ファンタジーに設定されています。

 戦闘描写がカッコよくて、この筆致にピッタリとマッチしている気がしますね! ナツの一人称で描かれていますが、一部ハルの一人称も描かれています。

 こういう物語って自分では書けないので憧れます。異世界モノ好きな方は是非!




◆ 鈴ノ木 鈴ノ子さん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655514246300



 深い味わいのある、ほんのり硬めな印象を受ける三人称の物語。こちらも戦争をテーマにされていて、時代背景も相まってしっかりとした読み味のストーリーとなっています。二組のハルとナツの物語が交差するところが素晴らしいポイント。筆致のイメージは英国紳士のステッキ、といったところでしょうか。やや硬いけれどカチカチではない、このあたりのバランス感覚がとても良いと思います。歴史好きにぜひ味わってほしい一作!




◆桁くとんさん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655510205898



 落ち着いた柔らかさを感じるナツの一人称。ノスタルジックでどこかふんわりとしていて、その筆致はまるで幼いころに食べたお餅のような雰囲気を感じます。

 この物語は、優しいんです。本当に優しい。ナツの優しさもさることながら、登場人物みんなが優しい。なんていうのでしょう、このカドのない丸さみたいなものが、お餅の味わいに似てるなぁと感じます。余韻の続くラストシーンにも注目!




◆いいの すけこさん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655329680573



 爽やかでいて優しくて、包み込むような筆致のナツの一人称。イメージはお日様で干したお布団でしょうか。とても読みやすい筆致です。

 ストーリーは、二人の少女が夢に向かって切磋琢磨する青春ものです。それに今回のプロットの「身長」を本当に上手に使用していて、物語に無理がなく、実に自然でリアリティがあります。加えて二人のキャラクタ性が際立っていて、思わず応援したくなるそんな作品。頑張る女の子が好きな人にオススメ!




◆小桃 もこさん


https://kakuyomu.jp/works/16817330655607434582



 詩的で柔らかな筆致が、その優しさを表しているナツの一人称。イメージは甘いわたあめ。この物語、多分今回の参加作の中で最少文字数の2000字弱なんですけども、詩的な筆致も相まってものすごく独特な雰囲気です。空白行の置き方がそう見せるのですかね。センスだよなぁ。

 短いお話なのですぐ読めるのですが、文字数よりも多くの場面を想像できる不思議なお話です。こういうのはやっぱりセンスなんだろうなぁ! 優しい物語です!





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