　窓の外では輸送船の反対側にチッチがとりついているのが見えた。

「チッチ、大丈夫か」

　シッコが尋ねた。

「大したしたことないわ。さっさと終わらせましょう。安全性能を重視し過ぎてかえって宇宙飛行士を危険にさらすなんて、オーバークオリティにも程があるわ」

「その安全性能があるから、メイドインジャパンが採用されたんだ」

　ジョージが言った。

「こちらモンデール。こちらはパネルを一つ外してコックを回したわ」

「モレソーだ。こちらは二つ目のパネルも外してコックを回した。今度はちゃんとパネルを回収したよ」

「良くやった。シッコはチッチの作業が終わるまでステーションの外壁で待機」

「了解」

　ジョージが窓の外を見ると、シッコが手すりを伝って宇宙ステーションの方へ移動しているのが見えた。

「こちらモンデール。二つ目のコックを発見。これからパネルを外してコックを回す。……回したわ」

「ＯＫ、それが終われば輸送船が外れるはずだ」

　ジョージがインカムでそう言い終えないうちに、ステーションが大きく振動した。

（続く）

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