私、新たなステップに進みます!(6)

サンシャイン60から外に出た。


枝季ちゃんの動きが変わった。


「ついに来ましたよ!」と枝季ちゃんは少しプルプルしているように見えた。


彼女の目線は反対側の通りを見つめていた。


そう、俗に言う「乙女ロード」だった。


乙女ロードとは、サンシャイン60、西側の通りの通称とのこと。


アニメが好きな女性たちが集まるスポット...と枝季ちゃんはいう。


た、確かに...。

この通りは女性が一際多かった。


そして、とても綺麗な女性が...

沢山いる!!


どうして?

なんで?


「あの人、モデルみたい!なんで??」

「あのアイドルに似てる!なんで??」


私は枝季ちゃんに疑問をぶつけていた。


アニメを好きな女性...失礼ながら私は眼鏡に三つ編みのイメージが強かった。


でも実際は...。


綺麗だったり、可愛かったり。

何がどうなって、ここにいるのか不思議な人が多かった。


私は別世界に足を踏み入れたのだ。


ここにいるだけで、果てしないカルチャーショックを受けまくった。



******************



枝季ちゃんは無駄のない動きで速やかに目的の店を回る。


店内も熟知しているようで、必要な場所を時間をかけずに回る。


(本当に商品を見ているのだろうか?)


そう思わざるを得ないくらいの早技だった。



私はどこをどう歩いたか分からない。


しかし枝季ちゃんの両手は、本日の戦利品で溢れていた。


(この子...凄い...)


私の知っている言葉を借りると

「ニュータイプ」なのかも知れない。


私も少しはアニメの知識は持っていたケド...

今日はまったく分からなかった。


すると

「香純さん、少し休憩しませんか?」と枝季ちゃんが提案してくれた。


「そ、そうね。少し休憩しよう!」と私は賛成した。


池袋、奥の深い街。

でも何か魅力を感じたのは間違いなかった。


今日、池袋に連れてきてもらって本当に良かった。

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