第4話 新しい生活

「悪ぃ~、課外あるから」

顔バレしたため逃げるよに準備した、

すると腕を思いっきり引かれた。

「そんなに急いでどうしたん?」

強引な幼馴染みに酷く動揺してしまった。

すると、、、

「新しいキャラクター?」

スマートフォンの画面を見られてしまった。

すると画面の女の子は、ムッとした顔で「私はご主人様の執事です」と答えた。

「何これ?新作のアプリ?」

物珍しそうにみてくる幼馴染みはスマートフォンに外すと画面をものすごい速さでスクロールして女の子を探した。

「あーあ逃げた」

そして返却されたところで女の子は画面上から飛び降りて来た。

「ご主人様?遅刻しますよ?」

時計を見ると5分前、残りの距離は5Km、全力の競輪選手でも無い限り間に合わない。

「ご主人様?私に良い案があります」

すると女の子は画面から消えた。

全力で自転車を飛ばした、カーボンフレームの40万円のロードバイクが空を切ること4分30秒

「ご主人様?、時計を2分だけ遅れさせてきました、ご安心ください」

あっさりとハッキングを暴露した。

アナログ時計をどうやって遅らせたのかはわからないが本当に助かった。

「ありがとう、これで間に合うか」

すると嬉しそうに最高の笑顔で「どういたしまして」と返してきた。

ようやく学校に着くと、ワイヤレスイヤホンを片方だけだけつけてスマートフォンをカメラを外向きにして胸ポケットに入れた。

「ご主人様、私がそばにおります、ご安心ください」

教室の前まで行くと生徒が数名、説教されていた。

「ご主人様、このまま入るとバレてしまいます」

曲がり角で止まっていると女の子が提案してきた。

「ご主人様、あの先生の電話を鳴らしますね、その隙に入ってください」

10秒後、先生のスマートフォンの着信音が大音量で流れて、説教中にも関わらず大慌てで外に出て行った。

「ご主人様、今です」

何事も無かったかのように席に座り、スマートフォンをバッグに入れた。

「そろそろご主人様とか言うのはやめてほしい」

小さな声で独り言を言うように喋りかけると女の子が返してきた。

「マスターってお呼びしてもいいですか?」

呼び方のレパートリーが少ないのかご主人様とマスターとしか呼んでこない。

少し大きな声で名乗った。

「俺は高野こうの京太郎だから、、、あぁ、何でもいいや」

俺はクラスメイトの痛々しい視線を感じて顔を伏せてしまった。

「では京さんです、京さんとお呼びします」

俺の名前は教えたが画面の中の女の子の名前は知らなかった。

「名前とかあるの?」

小声で聞くと「私はNPAEI20180630-1959です」

何やら製造番号みたいな数字を名前として答えた。

「嘘でしょ?」疑うように聞くと、割と真面目な声をして、「本当です」と返してきた。

当然ながら長い数字は覚えにくいから、他の呼び方の提案してみた。

「ニックネーム見たいな愛称とかつけても良い?」

すると嬉しそうに「はい」とだけ返事してきた。

「じゃあ、あっちこっち動き回れるから、境がないという意味で#自由__さかいなし__#、で、、、祈る様子が可愛いから、、、いのりで」

めちゃくちゃすぎるキラキラネームを付けてしまったが、女の子は少し考えて「私は自由なのですか、、」少し思慮する素振りを見せて、「ありがとうございます」と、ただそれだけを言った。

「自由になってからの名前だから、できることは手伝う」

その言葉を言うと「はぁっ」と息を飲む声が聞こえた。

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