Flag1.福泉勝一のフラグ

「我輩は、フラグ・クラッシャー・デルタフォース隊隊長、十田六郎である」

賑やかなカフェが静まり返った。と、同時にいくつもの視線が突き刺さるのを感じる。

「我輩は、フラグ・クラッシャー・デルタフォース隊隊長、十田六郎である」

返事をしない俺に、その男は同じ言葉を繰り返した。朗々として良く通る低音の声が再び店内に響き渡った。

「我輩は…」

「聞こえてるよ!でかい声出さないでくれ、恥ずかしい」

「それは失敬」

その男はニカリと白い歯を見せて笑った。ガッチリと固めたオールバックの黒髪に一本前髪が垂れており、黒々とした眉、短く蓄えられた顎髭。年は恐らく四〜五十代と言った所だろう。がっしりとした体型をしており、服の上からでも鍛え込まれているのが分かる。

ジャングルの風景を切り出してきたような鮮やかな迷彩服を身に付け、靴は分厚い漆黒のブーツ。そして、何が入っているのか分からない程パンパンに詰まった巨大な登山用リュックサックを足元に置いている。

その風貌は、自衛隊員か、軍人のコスプレをしている変人にしか見えず、先程から店内の視線を釘付けにしているのだ。明らかにこのおしゃれなカフェでは浮いている。

「お嬢さん、ホットコーヒーを二つ。一つは砂糖とミルク抜きで。後、お嬢さんの愛を多めに」

更にはこのふざけた言動である。呼び止められた店員は露骨に困った表情で、そのおっさんと俺を交互に見た。…かなり恥ずかしい。本当になんなんだよ、このおっさん。

呆れた表情を浮かべる俺に向かって、そのおっさんはまたニカリと笑った。

「それでは早速本題に入ろう。福泉勝一君」

「なんで俺の名前知ってんだよ?」

「失礼ながら、ここ数ヶ月の君の行動を監視させてもらった。その結果、実に興味深い事が分かった」

「…無視かよ。それよりアンタ、俺の運命を知ってるって言ったよな?」

「ふむ、今日一日の君の行動を振り返ってみよう」

俺の質問には一切答えずに、おっさんはパンパンに詰まったリュックに手を突っ込み、何やら黒いファイルを取り出した。それをまじまじと広げ、わざとらしく咳払いをしてちらりと俺に目をやった。

「『午前八時、通学中に「遅刻遅刻ー!」とパンをくわえた美少女と衝突するも無視して学校に向かう』…ふむ」

今朝の事だ。俺はなんとなく気まずくなって頭をかいた。おっさんは品定めするような目でファイル越しに俺を見て話を続けた。

「『午前九時、衝突した女の子が同じクラスの転校生だった事を知るがやはり無視する』、『午前十時、学校一番の美人であるクラスメイトから「教科書忘れちゃったから見せて?」と頼まれるものの拒否する』、『午後五時、友人Aと帰宅中に不良に絡まれ、「ここは俺に任せて先に行け!」と言う友人Aの言葉を真に受けそのまま先に行く…」

「ふむ」とか、「へ〜」とか、いちいち何かに感心するような言葉を挟みながら、おっさんは俺の行動を朗々と読み上げる。そんなのいつもの事だ。何も特別な事じゃない。少なくとも俺にとっては。

「そして」

そう言うとファイルをパタッと閉じ、俺をまっすぐに見据えた。

「現在に至ると言う訳だ」

「それがどうしたってんだよ?」

「はっきり言おう」

おっさんは半身を乗り出し、薄目にした鋭い瞳で俺の顔を覗き込んだ。そして一言。

「お前バカだろ」

厚い唇を翻し、白い歯を剥き出しにしてハッキリ言い放った。正直、かなりムカつく。

「なんだと…」

文句を言おうと口を開きかけた俺の目の前で、おっさんは三本の指を開いて俺の言葉を制した。

「三本、三本なんだよ勝一君」

「何がだよ?」

「君が今日立てた《フラグ》は実に三本。これは驚異的な数字だ」

「フラグ?」

「そう、フラグだ」

再び椅子に座り直したおっさんは腕組みをして俺を見据えた。嘘や冗談を言っているような目じゃない。店内の喧騒がピタリと止んだような気がした。

「《フラグ》とは、いわゆる《伏線》の事。人が生み出す言葉、行動によってフラグは発生する。通常、フラグが発生する現象を我々は《フラグが立った》と表現する。君が今日立てたフラグは、《恋愛フラグ》と《友情フラグ》の二種類だ」

あまりにも突拍子も無い話だが、俺は何故か妙に納得していた。

「そして君が今日立てた三本と言うフラグの数は、一般人が生涯をかけて立てるフラグの数に匹敵する。…それにも関わらず君はそのフラグを一本残らずへし折っている。今日だけではない、監視を始めてからほぼ毎日、君は膨大な数のフラグを立たせ、その全てをへし折る、あるいは未回収にしている。これは意図的なのか?」

「……」

その問いに答えられずにいる俺に、おっさんはさらに話を続ける。

「立てたフラグが実現する事を《フラグを回収する》、反対にフラグの実現を回避する事を《フラグをへし折る》と言う」

俺の僅かな動揺を見透かしたように、おっさんは小さく笑った。

「君の様に、ありとあらゆるフラグを乱立させる者の事を、『フラグ建築士』と呼ぶ。最近のアニメや映画、恋愛シュミレーションゲームの主人公に見られる特性の一つだ。しかし通常、いかなる鈍感で朴念仁で、見ててイラっとくるフラグ建築士であっても、自分にとって喜ばしいもの、都合のいいフラグは思わず回収してしまう物なのだ。しかしながら君は、そのいずれも強靭な意志で拒絶している。それは一体何故だ?」

「…そんな事、あんたには関係ないだろ」

それだけ言うのが精一杯な俺に、おっさんは先程までとは打って変わって柔和な笑みを見せた。

「勿論、我輩は君のセンシィティブな心情に口を挟むつもりは毛頭ない。しかし、君のその鮮やかなフラグ立て、そしてそれを平然とへし折る剛胆さに、『フラグ・クラッシャー』としての素質を見出したのである」

「フラグ・クラッシャー?」

「そうだ」

おっさんは力強く頷いた。

「フラグ・クラッシャーとは、人々が立てた《恋愛フラグ》、《友情フラグ》などを回収し、そのフラグが成立する手助けをし、《死亡フラグ》などを立ててしまった人のフラグを折り助け出す、そう言った正義の活動をする者を指す。我輩はフラグ・クラッシャー組織『FC』の日本支部、『フラグ・クラッシャー・デルタフォース』、通称『FCD』の隊長を務めている。是非、我がFCDに君を迎え入れたいと思い、こうして話をしていると言う訳だ」

しばらく沈黙が二人の間に漂った。おっさんは俺の答えを待っている。だが、俺の答えは最初から決まっている。

「断る。正義の活動なんて興味はないね」

そう言い放つと、おっさんは大口を開けて何が可笑しいのか急に笑い始めた。その豪快な笑い声に再び店内の注目が集まる。俺は苦々しくおっさんを睨みつけた。

すまんすまんと呼吸を整えたおっさんは後頭部をガシガシと掻いて、少し照れたように笑った。

「その口振り、我輩の知り合いにそっくりだったものでね、つい」

そう言うと、また改まった口調に戻った。

「まあそう結論を急くな。一度我々の本部に来るといい。二名の美人な隊員がお出迎えしてくれるぞ?」

「だから興味ないって…」

そう言いかけると、隣のテーブルから小さな歓声が聞こえた。思わず振り返ると、若い女の人達のグループがキラキラとした目で店の入り口を見つめていた。

その入り口に立っていたのは、目を見張るような豊かな金髪を翻した若い外国人男性だった。上下を何やら高そうな紺色のスーツでビッシリと決め、足長で高い身長が、顔を真っ赤にしながら応対する先程の女性店員と比べるとよく分かる。彼は店内を見渡すと、俺達が座る席の二つ隣の空いたテーブルを指差し、店員に何やら話し掛けていた。

「む?あの男…」

その男性を目にしたおっさんはそう呟いた。隣のテーブルの女性達はヒソヒソと何かを話し合っていたが、その男性が自分達の隣に腰掛けると、また小さな歓声を上げた。その男性は迷惑そうな素振りも見せず、彼女達に向かって爽やかに微笑みかけた。その立ち振る舞いとは逆に、その笑顔はどこか幼さが残り、俺とも年がそう離れていないように感じた。微笑みかけられた女性達は顔を真っ赤にしながらぎこちなく微笑み返し、興奮気味に、「話しかけようか?」「でも英語が…」などとヒソヒソ話を始めた。別に羨ましいとは思わないが、あの笑顔を見ていると女性にモテるのは当然だろうと思った。身なりもビシッとしてるし、まさに紳士って感じだ。モデルか何かかをしているのだろうか。

「あの男は…」

おっさんはまたそう呟いた。その男性が店に入った時からずっと怪訝な表情で彼を見ていたようだ。自分を見る女性達のゴミを見るような軽蔑の視線と、彼を見る羨望の眼差しとのギャップに腹を立てているのかと思っていたが、どうやら違うようだ。

「あの外国人がどうかしたのか?」

「ん?…ああいや…」

おっさんは言葉を濁した。その様子は、見知ってはいるが誰だか忘れた人を思い出そうとしているようだった。

「お嬢さん、注文しても宜しいでしょうか?」

その外見に似合わず、彼は流暢な日本語で店員を呼び止めた。少し低めの爽やかな声だ。隣の女性達も思わず聞き耳を立てている。店員は上擦った声で彼に注文を訪ねた。

「はい、ホットティーを。砂糖はパンケーキが作れるくらい多めに入れて下さい」

そう告げて悪戯っぽくウインクすると、本日三回目の歓声が上がった。ウインクを直接喰らった店員は今にも気絶しそうな赤い表情で頷いていた。

「あの男…どこかで…それにこの凄まじいバトルオーラは…」

「…おっさん?」

ただならぬ雰囲気のおっさんに、俺は何か嫌な予感がした。こういう時、俺の予感は大抵的中する。これがおっさんの言っていた、《フラグ》ってやつなのだろうか。

…バカバカしい。俺は小さくかぶりを振った。すると、その男性がこちらを見ているのに気が付いた。俺達、と言うより、おっさんの事を真っ直ぐに見ていた。そして何かを思い出したように、ああ、と不気味な笑みを浮かべながら口を開いた。

「それとお嬢さん…《僕、この戦いが終わったら、故郷の婚約者と結婚するんです》」

「伏せろォォォォォォォォ〜〜〜〜!!」

「え?」


グラッと視界が揺れたかと思うと、次の瞬間、俺の目の前に天井のライトがあった。その次に見えたのは、鬼のような形相のおっさん、目を丸くしてこちらを見ている客、笑みを浮かべる金髪紳士がグルグルと回転しながら目に飛び込んできた。その瞬間がまるでスローモーションのようにやけにゆっくり感じられた。

一秒後、凄まじい轟音と共に、俺はテーブルの上に落下し、のけ反る客達のコーヒーを撒き散らしながら壁に叩きつけられた。鈍い痛みが全身に広がり、背中をひどく打ち付けたせいでうまく呼吸が出来ない。

どうやら俺は、おっさんに思いっきり投げ飛ばされたらしい。

「ぐぐ…いてぇ〜!」

「大丈夫か勝一君!?」

「あんたがぶん投げたんだろーが!」

でかい図体からは想像できないような俊敏な動きで俺の横に滑り込み、ひっくり返ったテーブルを軽々と持ち上げて盾を作った。周りの客が呆気に取られたようにぽかんと口を開いてこちらを見ていた。かなり恥ずかしいが体の痛みで逃げる事も出来ない。おっさんはそんな周りの視線も気にせずに、テーブル越しに紳士を睨んだ。

「あれは…《フラグ・テロ》だ!」

「ふ、フラグ・テロぉ?」

「そうだ!何の脈絡もなく、突然死亡フラグを立て、周囲の人間をも巻き込む自爆型のテロリスト!しかもあれは誰もが知っている超一級の死亡フラグ!このままでは大惨事になるッ!!」

「何だよそれ意味わかんねぇッ!」

「先程のヤツの言葉を思い出すんだ!」


《僕、この戦いが終わったら、故郷の婚約者と結婚するんです》


…あの言葉の事だろうか?確かに映画とかでそんなセリフを聞いた事がある気がするし、そう言うヤツに限ってすぐに死んだり大怪我をしたりする。そして、確かにおっさんの言う通り何の脈絡もない。初対面の人間にいきなり故郷の婚約者と結婚するとか普通言わないし、そもそもこの戦いって一体何の戦い?全くもって意味不明である。

しかし、だからと言って…

「だからどうしたって言うんだよ!?」

「ッツええぃ!事の重大さが分からんのか!?」

「分かる訳ないだろ!」

「ッツああ!」

続けざまに奇声を発したおっさんは、一面ガラス張りの窓を一目見て、凄まじい勢いで飛び起きた。

「ガソリンを満載したタンクローリーが、この店に向かって猛突進しているゥッ!!」

「何をバカな……こっ……」

俺の目に巨大なタンクローリーが飛び込んできたのは、けたたましいクラクションが聞こえたのとほぼ同時だった。

「えっ」


タンクローリーはガラスを突き破り、天井、テーブル、柱問わず店内を粉々に粉砕しながら、一番奥のテーブルに身を隠していた俺達に向かって猛突進してきた。現実とは思えない光景に、俺は金縛りにあったように動けなくなった。再び、時がゆっくり流れているように感じた。飛び散るガラス片、悲鳴を上げて逃げ回る客、弾き飛ばされて壁に突き刺さるテーブル、運転席に座って恐怖に顔を引きつらせている運転手。人は死ぬ寸前に、時の流れをゆっくり感じ、今までの思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡るのだと聞いた事がある。じゃあそろそろ思い出のスライドショーが走馬灯のように始まるのだろうか。そもそも走馬灯って何だろう?言葉では当たり前のように知っているけど現物は見た事ないような…

「勝一君!」

おっさんのその叫びで俺は我に返った。

「勝一君、君は逃げろ!ここは我輩が命に代えても止めて見せる!!」

そう言うとおっさんは俺の前に立ちはだかった。止めて見せるたって、一体どうしようと言うのだ。俺は死を覚悟した。

その時、何か黒い影が俺達とタンクローリーの間に割って入った。次の瞬間、轟音と共にタンクローリーの動きがピタリと止まった。

「お初にお目にかかります、ミスタージューダ」

先程までの大騒ぎが嘘のように静まり返った店内で、低く爽やかな声が響いた。さっきの外国人が、ニコリとこちらに笑い掛けていた。

「ぬ、ぬぅあにー!?片手でトラックを止めたァァッー!?」

「…一体何が起こってんだ?」

俺はその場にへたり込みそうになるのを必死に抑えながら、かろうじてそう呟いた。その外国人は、巨大なタンクローリーの暴走を腕一本で止めたのだ。あり得ない光景に俺は自分の目を疑った。よく見ると、男はタンクローリーに直接触れているのではなく、何か青白い、電流のようなものを腕にまとわせ、それによってタンクローリーを抑えているように見えた。無残に変形したドアの窓から運転手が必死に飛び出し、真っ青な顔で店外に走り去るのを見て、俺は改めてこれが現実なのだと知った。

「…フンッ」

男は一言発して力を込めると、その電流を頭の上に力強く掲げた。するとタンクローリーはまるでオモチャのように持ち上がり、そのまま店の天井を突き破り、空中へと消えて行った。…はは、俺やっぱりまだ夢を見てるんだ。そうに違いない。

「…貴様、一体何者だ!?」

動揺を隠さず、おっさんが問い掛けると、男はまた不敵な笑みを作った。

「僕の名は、キャリコ・デー・クロケット。『キリングスマイル』と言った方がよろしいでしょうか?」

「なっ!?貴様がキリングスマイルのキャリコ…!『フラグ・パニッシャー』か…!」

「フラグ・パニッシャー?」

俺はずいぶん間抜けな声でおっさんに問い掛けた。おっさんは目の色をギラリと光らせて頷いた。

「対FC暗殺組織、通称『FP』、つまり我々の敵対組織だ。そして奴はイギリスに代々伝わるフラグ・クラッシャー一族の名家『クロケット家』の御曹司……と言う事は、貴様の目的は…」

「話が早くて助かります。そう、僕の目的はミスタージューダ、貴方の首とFCDの壊滅です」

「くっ!貴様ァ!」

その時、そのキャリコと名乗った男はチラリと俺に視線を送った。

「うん?そちらの冴えない少年は…?」

「え、俺?」

「待て!この子は関係ない!彼の名は福泉勝一!超一流のフラグ・クラッシャーとなる素質を持つ少年だ!だが、今は無関係だ!《絶対に手を出すな!いいか絶対だぞ!?》」

「ちょっ!ちょっと待て!」

《押すなよ!?絶対に押すなよ!?》と、熱湯風呂の前に立たされた人が言うような、どこかで聞いた事のあるセリフを口走るおっさん。俺は慌てて静止するが、時すでに遅し。

「なるほど、それは捨て置けない」

とてもそうは見えませんが、と付け加えるとキャリコはニヤリと笑った。

「ついでに始末しましょう」

「くっ!すまない勝一君!思わずフラグを立ててしまった!」

「ぶっ飛ばすぞアンタ!」

「しかし、ここで戦えば他の一般ピープルを巻き込む恐れがある」

そう言ってキャリコは滅茶苦茶になった店内を見渡す。

「いや、すでにメチャクチャ巻き込んでますけど!?」

「ふ、流石は英国出身の紳士。礼儀は心得ているようだな」

「アンタらバカだろ!」

「一ヶ月」

そう言ってキャリコは人差し指を立てた。

「一ヶ月の猶予を与えましょう。退屈な戦いはしたくない、その間にせいぜい僕にふさわしい力を身に付けておいて下さい。それまでその首、預けておきましょう」

キャリコはニヤリと笑みを浮かべた。それは余裕に満ち溢れた、自分の勝利を確信しているような笑みだった。

「それではご機嫌よう」

そう言うと、キャリコの体がふわりと宙に浮かんだ。そしてそのまま、破壊された天井から空に向かって飛び去って行った。

俺はただ呆然とキャリコの飛び去った空を見ながら、ああ、今日は星が綺麗だなと思った。

「勝一君」

その一言で、再び俺は我に返った。おっさんは深刻な表情で俺を真っ直ぐに見ていた。

「…事情が変わった。勝一君、今からFCD本部に行くぞ」

「なっ?だから俺は…」

「さっき君が言った通り、すでに巻き込まれているのだよ、君は」

「巻き込んだのはアンタだろうが!?」

「選択の余地はない!」

そう言うとおっさんは俺の首根っこをガシッと抑えた。逃げようともがいたが、まるで万力に挟み込まれたようにビクリともしない。そして、気が付いたら俺とおっさんは宙に浮いていた。

「え…ええー!??」

「さあ行くぞ!」

おっさんの掛け声と共に俺達は空に飛んで行った。そこから先はあまり覚えていない。

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