ザーザーと



僕の嫌いな氷雨が


僕の好きな雪を溶かしています


僕の嫌いな氷雨が


僕が厄介だと思っている雪を溶かしています




氷雨に打たれている雪の塊は


老人が早送りでその背を縮こませていくように


角砂糖が遅送りでその形を無くしていくように


だらしなく


哀し気に


その身を小さくしていっています




僕の嫌いな氷雨が


僕の好きな雪を溶かしています


僕の嫌いな氷雨が


僕が厄介だと思っている雪を溶かしています




厄介だけど 好きだ


なんて まるであの娘のようだ


なんて 思う僕は


失礼しちゃいますかね




口には出しませんけれど






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