第15話 虫歯な溺愛2

唇に痺れが入りなんか

下唇が重たい。


そんな私をほっぽって

3人は同級生、話も弾んでいた。


「知ってるか?」

歯科医の祐輔さんが笑いそうな

声を出した。


「何を?」

光寿郎が不思議そうに聞いている。


「大夢の奴、大門の孫娘の婿に

狙われてるらしいぞ‼」


「へー大門か?

マジ凄いじゃないか‼ アイツも

遂に年貢の収め時か!

ってか逆玉じゃん。」


「あらァ大夢には長年付き合ってる

彼女いるんじゃん。」


「ああ💦居たな‼

どんな子だろうってこっそり

つけて行った事あったな‼」


「そうそうぽっちゃり丸くて

可愛かったよね。」

奈緒さんは思い出したように笑った。


「それがさー

喧嘩した翌日から居なくなった

って話だよ。

なんか長崎で見たって話も

ある。」


「エッ‼ 俺長崎に度々仕事で

行くんだけどなまえは?」


「雪菜だったっけ?」


「雪菜? ハハハウチの子結菜って

言うんだ、なまえ似てるな!」


「ꉂꉂあははは

何だよソレ」


「婿養子の話はガセよ。

大夢、あの子の事マジで好きだし

あの執着はちょっと異常じゃない?」


「そうそう、大夢は逃がさない

と思うぞ・・・💦」


「なーにがあったんだろうね?」


「なぁー!

ああ見えて大夢は、一途だからなぁ」





ヴィーンヴィーンヴイ〜ンヴヴヴ

「イタッ‼」


「ん〜ん。本当に効きにくいですね。

少し追加しましょう。」


最初から言ってんじゃん。

聞いててよォ━━━━━‼

げげげーつまさかのアグガガ

“チキリーン“😭💉

ウワァァア痛い所に命中‼

目まで突き抜けるような錯覚


オバケ何かよりよっぽど恐い💉!


「ハーイもう一回ですよ〜」

優しく響く💉注射のオカワリ‼


ウギャャアァァ

☆$➽➷➔↘↗➽いったいーっ‼


頭を突き抜ける様なイタミ

《ガ〜ア““うぐお〜〜っ》

ハァハァハアハア

涙がポトリと落ちた。

光寿郎がしっかり顔を寄せてくる。

「結菜、泣くな‼

直ぐ直ぐ終わるから・・・な‼」


どうにもならないよー

変な慰めは腹が立つ‼

結菜は光寿郎をぶん殴りたい‼

しかし理性が働いて我慢した。


祐輔さんが注射器を置いて

光寿郎の頭を ゴチン✩.*˚

イタ


「心配なのは分かるけど

離れろ‼

小学生か?危ねーんだよっ‼」


「あ、あああ〜ね。」

のそのそと離れていく光寿郎だが

回りをウロウロウロウロ


麻酔も上手いこと効いたようで

それからはスムーズに治療は

進んだ。


「はい、お疲れ様

終わりましたよ。」


「30分くらいは、食べないで

下さいね。」


あんなに痛かったのが嘘みたいに

ケロッと治った。


「大騒ぎしてすみません。

嘘のように楽になりました。」

結菜は深深と頭を下げた。


痛み止めと化膿止めをもらって

あとは何回か通院。

次の予約を入れて病院をでた。


元気になった結菜を見て光寿郎も

上機嫌。

「祐輔、ありがとう

またな!いいワインを今度

ご馳走するよ。」


「おう、期待してるぞ‼」


二人は走り去る光寿郎の車を

目で追って


「๑´࿀`๑ハアー疲れたー

小学生より酷かったな‼

大丈夫かよ‼」


「ふふふふ疲れたわよね。

22か23ってとこね。

でもホント怖がってたよね。ハハハ」


「ついてる保護者が又

めんどくさいよな〜」

祐輔はクタクタになって

εフーと溜息を吐く。


「光寿郎って‼ꉂꉂあははは

年下苦手なはずだけどナ?」


祐輔は高校の頃年下に


「俺に告るなら俺より歳上に

なって告れ‼ めんどくせー」


と一喝して後輩を泣かせていた

光寿郎を思い出した。


「ウンウンそうそう

年下の子、苦手でめんどくさい

が口癖だったわ。」


「あー好みも変わるんだな!

見たかよ光寿郎の過保護な姿」


「ウンウン!

死ぬか生きるか?みたいな顔

たかが小さな虫歯にさ‼」

ꉂꉂあははは

ꉂꉂあははは」


「でもサ、光寿郎ってあんな面倒見

良かったんだわね?

初めて見た、普通なら

女の人がやるのが当たり前みたいな

感じだったじゃない?(笑)」


奈緒も祐輔も長年付き合った

中だったから意外性に驚いた。


「奈緒、こんな面白い事は

皆にも言わないとな‼

SN〇であげようか?

ꉂꉂあははは」


「じゃあ光寿郎がワイン持って来る日

に集合かけようよ。

タラシの光寿郎がメロメロなんて

二人で鑑賞するのは

勿体ないし、皆ビックリよ。

ꉂꉂあははは

ャハハキャハハ」


「もう、祐輔笑いすぎ・・・💦」


「でも、愛莉が光寿郎にベタ惚れ

なのにちょっと可愛そくないか?」


「うん。私もそう思う。

あの子ずっと光寿郎の事

好きなのよ。」


「世の中、上手く行かないなぁ」






バタン‼車のドアを閉めると

光寿郎の切れ長の目が覗き込んで

来た。


「結菜、痛かったか?」


「うん。最初だけ‼」


「ヨシヨシ。

痛みが収まっただけ良かったな‼」


「うん。光寿郎ありがと‼

私だけだったら病院なんか

絶対、行って無いと思うよ。」


「で‼ 朝の話だけど

アレ、ホントに姉貴だからな‼」


「分かったꉂꉂ分ったー

たとえセフレでもいいよ。

アンタと付き合ってる訳じゃ無いし!

気にしないし。

あきらめたし、好きな人生

生きたらいいよー。」


「(꒪д꒪II」




「どうしたの?‼光寿郎?」

サーっと青くなる光寿郎をみて

・・・?


「は?何で💦何で付き合って

くれてないんだ?」


「え?は?何でって?

言ったじゃん。

結婚しない人とは付き合わないって

光寿郎?、結婚はしない人

なんでしょ。

だからだよ ̄3 ̄ワタシ

カレシには、ホントに愛して欲しいノ」



「ゆいな〜💦話はちゃんと聞け‼

今はしないけど結菜とは

一緒になるつもりだ‼」


「え?そうなの?」


「そうだ‼ 分かってるだろ‼」


「じゃあ何歳で?」


「は?何歳で?ってなに?

結婚する歳か?」


「うん。そこ大事じゃない?(笑)」

ニッコリしながらも目は真剣

結菜は丸い目で( ᯣωᯣ )じーっと

光寿郎を見る。


「そ、そりゃ今は・・・

考えたくない・・・ってか今は

まだちょっと、さ・・き?

したくなったら、その時に

決める‼」


「じゃあマダマダって事?」


「先ずは、愛情を育ててから

それから考えればいいダロ‼

結菜は若いんだから急が無くても

まだまだ大丈夫だろう。」


「ゴメン、光寿郎

やっぱり私・・💦付き合えない‼

もし、子供が出来たら・・・?」


「ꉂꉂあははは

大丈夫‼ 妊娠させない、

俺自信あるし

心配しなくても大丈夫‼」


「だから、結婚しない人とは

そう言う事しないって‼

子供は出来ません。


結婚の約束してそう言う事して

子供出来たら・・・

私は直ぐ、即入籍したい。


だから、結婚の文字が見えるまで

私達は友達‼


勿論、私も結婚には憧れてるし

光寿郎以外に、結婚したい人が

現れたら光寿郎と付き合ってるって

無理じゃない?

それに光寿郎、浮気浮気騒ぎ

そうだし・・・💦」


「結菜、何で信用しない?

俺は結菜だけだ・・・

約束する。

他の男と結婚するかもな話

するなよ‼」


「ダメだよ光寿郎、

約束じゃ無くて、婚約なら

分かるよ‼本気見えるけど・・・

約束は?、

破る為にあるテキナ!


先ず両親に会って貰って

何年先でも結婚の日にち

決めてくれなきゃ嫌なの‼

特にセフレいた、アンタの場合‼」




「考えさせてくれ。」



パタン

そう一言呟くと、結菜のアパート

前から光寿郎の車は静かに出て

行った。


「考えなきゃ即答できない?


私に対しての愛情なんて

そんなもん?


歯の治療に付き添ってくれた時

愛情感じたのにな‼


信じて見ようかなって・・・

そう思えたのにな!!」


光寿郎の壊したドアの前に

九条家の人がいて


「お待ちしておりました。

鍵でございます。」

50代位のガッチリとした男の人が

結菜は軽く頭をさげて、

そう言って鍵を渡してくれた。


「お世話になりました。」

そう言って鍵を受け取った。


カンカンカンカンと

階段を降りる彼達をみて

住む世界の違いが身に染みた。

あんなたくさんのSPを雇える九条家

そんな中に私の場所なんて

あるはずもない。


こんなボロイ、アパートに

住んでて、貯金もそんな無いし・・・

光寿郎と肩並べれもしない


父親は普通の、サラリーマン

母はスーパーのパート

だからって訳じゃない


両親はちゃんと大学迄出してくれたし

不自由も無かった。

愛情もちゃんと受けて育った。


だから両親には、幸せな家庭を

持って、安心してじいちゃん

ばあちゃんになって貰いたい。


光寿郎は九条家に相応しい人

と、付き合えばいい。

価値観の違いは何時か破局する・・・



次の日は、光寿郎は結菜の前に

現れ無かった。

あんな頻繁にあった電話も

ライ〇も無い。


壊され修復されたドアは

オンボロアパートには凄く

豪華で浮いていた。

何故か笑ってしまう。


悪霊払いの呪文みたい。

寄り付く男には先ず

言って

みるかハハハ



歯の痛みも消え元気になった結菜は

元気に出社した。

今日はいっぱい食べれそうで

ウキウキ‼


美乃に長崎土産を渡して

長崎の出来事と、虫歯事件を

愚痴る。


美乃も、有給休暇を取り

和歌山県迄出かけたらしい。

お土産は大好きな紀州南高梅

だったが?お手製??

親戚でも・・・いるんか?

凄く綺麗な梅、梅独特の生唾

出そうなシソと梅の香り💦


すると少し♡デレデレ♡

した顔をして・・・


「ん?美乃?どした?」



焼き魚🐟定食頼み

結菜はどんぶりで、美乃は普通盛り

《ゴメン、結菜に謝らなきゃ‼》」


「ん?謝る?なに?なに?(笑)」


美乃はお味噌汁を箸でグルグル

グルグル急回転、お椀からトーフが

飛び出しそうになるも

食べる様子も無い‼


結菜はどんぶり飯にかぶり付き

小首を傾けながら・・・ん?


モジモジする美乃

結菜は塩鯖に箸をつけるホカホカ

焼き上がった魚は箸をいれると

ホワ〜と期待以上のホッコリさ


ん〜パクッうわ〜うんまぁ!


「オイオイ、美乃食わないの?

食べてあげよっかあ❤ฅ」


「た、食べるもん。」



プクプクしたおばちゃんは


ドンデデーン


キャー♡﹏ฅ


沢庵をポリポリ食べて

またどんぶり飯大盛りをかき込む!


「あ〜沢庵和尚に感謝だねっ‼

良くぞ沢庵発明してくれたよ〜

白ご飯に合うよねー」


「あんた毎回よう食うねぇ〜

いいたべっぷりだよっ‼


金持ち探すか?

シッカリ働くかしないと

アンタの腹は養えないよ‼

あはははは」


「ハイハイおばちゃんの

どんぶり飯食う為にシッカリ

働きま━━━━━━━す。」


付け合せの切り干し大根も

ほのかな苦味と甘い出汁が

たまらない。


「おばちゃん美味い。

昨日から何も食べて無かったの‼

虫歯で食えなくて

酷い目に合ったし」


「結菜、甘い物食べ過ぎだよ。

1個にしときなよ!」


ピークの過ぎたテーブルを消毒

しながら、あんたでも虫歯には

勝てなかったのかい?

ꉂꉂあははは」


如何にも大衆食堂のおばちゃん

ぶりを発揮し逞しい笑いが響く。


「で‼ 美乃ぜーんぜん食べない

じゃん。

食べてあげよっか?」

箸で美乃のポテトサラダを

パクッ ウマ


「ん﹏んっもうっ‼

食べるよ〜お腹すいてんだってば‼

美乃は慌てて食べだした。



「なに?」

「美乃なんか言いたいんじゃ?」


ふう〜アチッ

熱いお茶を呑む!

おばちゃんの静岡の弟さんが作った

お茶らしい。

流石の本場、美味しい。


“ポテサラもおーいしいっ“

「そうだ、おばちゃんワラビ餅

くださーい。」


「はいよ。」


おばちゃんはワラビ餅を抱え

「大盛だよ。」


「うわあ

美味しそう♡」

おばちゃんはジロジロ結菜を見な

がら

「こーんな細い身体の何処に

入るんだぁ?

正真正銘の、痩せの大食いだね‼」


はあ〜

おばちゃんは呆れた顔をしながら

厨房へと入って行った。


うふふふふ

「雄吾さんも馬鹿ね、

こーんな可愛い結菜をほっぽって

浮気するなんて・・・‼」


「ん〜ん‼美乃言いつこなし

私も男見る目無かったんだし

いい勉強だった。

だから光寿郎も諦められた。


雄吾のおかげ、道踏み外さず

生きていけそうだよ。」


「え‼ そうなの?

そっか・・・

う・・・ん💦なんか言い難いなぁ。」


なんか、歯切れの悪い美乃を

眺めながら結菜は怪しい顔をした。


「何か言いたい事

あ・る・ん・デスカパクッ?

さっきから気になるんだけどォ」

結菜は美乃をジロジロ


美乃は赤い箸で鯖をツツきながら

(言いたい‼ でも言い難い‼)

(ちょっと恥ずかしい‼)

(言うんだ、いわなきゃよし‼)


「あの「彼氏でもできたか?」

美乃の口を塞ぐように結菜が声を

だした。


ズズズー🍵

「まさかの、寄り戻した?」


「あのねぇ

あんな現場みて普通、寄り戻すか?」

美乃は呆れて口をあんぐり


「ꉂꉂあはははだよね〜」

結菜も同じ経験済みなので

な訳あるか‼➔とは思った。


「実は彼氏出来たの‼

南高梅は彼のお義母さんが

樽いっぱいつけてらして

結菜が梅大好きって言ったら

私にくれる次いでに貰って来たの!」


♡︎♡︎ポッと頬を

赤らめながら美乃は嬉しそうな

顔をした。


「彼の?お義母さん?って?

ウワッいつの間に?

ダレ?私のしってる人?

ね、ね、誰?」

ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹ŧ‹"ŧ‹" ŧ‹"ダレ?


「うん。お医者さん‼」


ぎえ_ウップゴホゴホ

《まさかー歯医者さん?💉》


「ち、違うよ‼

なんでも虫歯にもってくな‼

外科医だよ‼」


「うーん外科医?

そんな知り合い、いたっけな﹏ ?」


「ん〜分からん。」

美乃はまたまたモジモジ‼


「美乃ー、ここ迄話せば観念

したでしょう。

早く言いなさいよ。」


「そうだよー!

誰だい?」


おばちゃんも興味深々


「結菜が雄吾さんと別れた日

お世話になったコンビニに、いた人

江田拓未さんよ‼」


ビツクリ!!!

「彼なの? しかもお医者さん

だったの?

色んな事あり過ぎて

お礼もしてなかった・・・


今度合わせて‼

いやあ〜なんてこったw

めでたし、めでたし‼」


「へぇー、うちもとうとう

医者ドンに知り合い出来たんかー」


いつの間にかおばちゃん迄

話に入っていた。

さすがー

噂話が好きな、お年頃・・・💦














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