就活レベル1のギャル女子大生は2ヶ月でレベル50を目指すようです

あけがえる

第1章 就活開始編

第01話 新年の相談。

 「この時期に就活してない、ってヤバいかな」


 山岡の目の前に座る後輩は、ホットティーを飲みながらそう言った。


 新年が始まって数日がたった頃、山岡は後輩とお昼を食べていた。


 久々に会った後輩は相変わらずの金髪で、ネイルとピアスもバッチリだった。服装は、上は白のタートルネックのニットに下は黒のスキニーなので、大人っぽい雰囲気。後輩の格好を一言でまとめれば、ギャル女子大生だな、と山岡は思った。


 今、就活をしていないのはヤバいのか。ここで大事なのは、就活解禁まであとどれくらい猶予があるかだと、山岡は思った。


 「今年の就活っていつからだっけ?」


 「3月からだよー!」


 元気良く答える後輩。入りたい会社を選び、その会社に入るための準備をするには、2ヶ月はあまりに短い。4,5ヶ月は欲しいと思った。


 「今就活してないのは、正直ヤバいな」


 山岡がストレートにそう言うと、後輩はあからさまにショックを受けた顔になった。


 「嘘、やっぱりヤバいんだ。えー、どうしよ、何すれば良いか全然分かんない」


 焦るギャル。


 「とりあえず、興味のある仕事とか会社とかを調べてみれば良いんじゃない」


 山岡は何も考えず、そう言った。


 「でも私、やりたい仕事なんて無いんだけど......」


 当たり前のようにそう答えた後輩に対して、山岡は心配になった。この後輩、やりたい仕事を決めるだけでもかなり時間がかかりそうだ。


 山岡は、このまま話すと長くなる予感がしたので、適当に話を合わせてこの場を切り上げようかと考えた。ただ、この後輩、悪いギャルではない。どちらかと言えば良いギャルなのだ。同じサークルの先輩として、山岡は後輩を見捨てられなかった。そこで、就活をやる上で最低限必要なことを教えることにした。


 「じゃあ、見山がやることは決まってるな」


 「え、何すれば良いの?」


 そんな山岡の考えなんて知るよしもなく、後輩、見山が食らいつく。


 「とりあえず、レベル上げしようか」


 山岡はにっこり笑ってそう答えた。





△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 見山:レベル1

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る