アッツアツの鉄板に喉仏を擦り付けたい
「鉄板に喉仏を擦り付けたい──そんな時って、ありませんか?」
「ないわ!!」
「それよりついに来たな、おち〇ぽフェスティバルに!」
毎度恒例のキチ発言を遮り、マイキーたちは辺りを見回す。舞台は国の外れにある孤島。緑がよく散りばめられた、実に自然的で美し「八話のPVは僅か6ですからねぇ。更新のモチベが保てなさそうだ」
「地の文遮ってまで言うことじゃねーだろ!! つーかアレだ、大事なのはPVじゃねえ」
「……と、言いますと?」
前回サユキが担ったツッコミ役を、ライデンは自ら買ってでた。今日のライデンとマイキーは、黒地に立派なキノコが描かれたTシャツを着ている。下はパンツである(狂気)
「大事なのは、この作品を読んでくれている読者様の笑顔だろうが!!」
「はいはーい」
このやり取りを見て、カナタは一歩後ろに下がった。なんだかんだで、サユキも頭イカれてんなぁ──そう感じるパーティ生みの親であった。
「そもそも『読めば読むほどIQが下がる』『話が進まない』などというクレームが多いことで有名な小説ですからねぇ」
「ここまで各話のタイトルで狂気を感じ取れる作品も珍しいよ、マジで」
「タイトルと内容が合致してねー作品ってことでも有名だからな」
「
「虚しいな……」
「あの、そろそろ本編の方行かない?」
サユキの提案に、マイキーは何故か顔を赤らめた。
「それは……えっちですので」
「続きを載せてしまうと発禁になるのでNG」
「んなことやんねえよ!! いややりそうだわ『おち〇ぽフェスティバル』だもんなこれ!!」
『静粛に』
サユキがヤケクソになっていたのも束の間。気づけば、参加者たちはみな黙って主催者の話へ耳を傾けていた。
(恥ずかしすぎて死にそう)
(よ、下ネタクイーン)
(来世はオナホですかね?)
(てめえら後で覚えてろよ)
何やら目配せし合っているマイキーたちを差し置いて、主催者はこの大会の概要を説明する。
『ルールは簡単。この島に散りばめられたキノコを収穫し、その重量が一番大きいチームの勝利だ。まぁ、せいぜい楽しんでくれたまえ』
白髪で小太りの男性がそう言い終えると、突然島の周りの海から柵のようなものが浮き出た。
『ガシャン!』
やがてそれは、空を突き抜けるほど上まで伸びていった。これにより、島は完全に柵に囲まれる格好となった。
「うぉい!! なんだよこれ!!」
「聞いてねえぞ、こんなの!!」
参加者たちは声を荒らげる。その頃にはもう既に、島の外へと主催者たちはヘリコプターで避難していた。
『これにて、ルール変更だ。ここから先、参加者の貴様らには殺し合いをしてもらう。生き残りが一つのパーティに絞られるまで、それは永遠と続く。君たちの憐れな殺し合いの様子は、モニターにて確認させてもらうよ。いやぁ、人間とは愉快なものだ。こんな得体の知れない孤島にノコノコとやってきてしまうのだからな! フッハッハ!!」
「周りの柵も船で来る時に見えましたよ。なんて雑な造り……しかも海の中に土台があるとはなんと愚かな。速攻錆びて崩れるでしょうねぇ」
「これにて二章のタイトル回収──『おち〇ぽサバイバル』になるわけだな」
「まぁ楽しんでいこうよ。どうせ暇だし」
「巻き添えかよ。つーかオレ忘れられてない?」
「んじゃ、まずは自生キノコの毒性の有無を確認しますね」
「おい」
四人は、シリアス展開に水どころかスピリタスを差していく。
そして気づけば、主催者はヘリコプターで居なくなっていた。
「柵もそうですが、あのヘリコプターも動きが鈍いですねぇ。速攻魔法でも撃ち込めば一発なんでしょうが、まぁ折角来ましたしサバイバルを楽しんでいきましょうか」
「能天気だな相変わらず」
「カナタさん。暇だし、しりとりでもしません?」
「ええよ」
緊張感ZEROの『デスゲーム』、開幕──
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