第40話兄妹の時間〜就寝〜

「ムー」

玲奈は浴槽の中でふてくされていた。

理由は前を洗わなかっただけだ。一緒に風呂に入るだけでもどうにかなりそうなのに背中はまだしも前まで洗うのは結構しんどい。


「ほらほら上がるぞ」

「ムーーーーー」

お、今回の『むー』は結構長かったな。

僕が何かを言おうとしたり何かをしようとすると、ずっとムーと言っているのでやめてほしい。


なんにも悪いことをしてないのに何故か罪悪感に駆られる。









「海ったらちゃんと前も洗わないとだめじゃない」

「そうだぞ、するならするところまでしないと男としてどうかと思うぞ。」


お母さん、お父さん、何いってんだ?


食事中にする話じゃないような気がするが、なぜ性欲に負けなかった僕を褒めずに性欲に勝った僕を叱るのか…

やっぱりウチの家族っておかしい?

そう少し今更な疑問を自分にぶつけたりして、僕は食事を終わらせた。









「お兄ちゃん、先に寝室行ってて。寝るのはお兄ちゃんの部屋だから。」


「はいよ」


僕は急いで自室に入り、部屋に隠し持っている肌色の本を急いで収納の指輪に収めていった。

これは耀がおいていったものであり、けして僕が買ったものではない。


一通り危険なものを隠したので、おそらく大丈夫だろう。


海はしらないが、玲奈とお母さんが、月に一度そういう物を探してどっちが多く見つけれるか勝負をしている。

ちなみに審判はお父さんだ。

そのレア度とかでポイントを加算するというなんともまあ可哀そうなことをしている。



「トイレ行こ。」

僕は玲奈が来る前に。と、トイレに向かった。

玲奈のせいで漏れたとかなったら洒落にならんからな。

玲奈は寝相が悪いからもしトイレに行きたくても、ホールドされて抜け出せなかったら意味がない。



『ジャーーーーー』

「ふ~、スッキリした。」


トイレを終え、廊下を歩いていると、玲奈たちの話し声が聞こえる。


「いい、玲奈いつもどおり、わざと寝相を悪くして、おっぱいを押し付けるのよ。そうすれば男は基本イチコロで手を出すから。」

「そうそう、手を出させたら、玲奈は海と結婚して、俺とお母さんは安心して老後を迎えれる。」

「私頑張る!」


(頑張らなくていーよ!)

つい、心のなかで突っ込んでしまう。


「やっぱり子供は二人ほしいかな〜」

おいお母さん話が進みすぎているぞ。

そもそもしないから。


「男の子が1人女の子が1人だといいな。もちろん双子でもいいぞ。」

お父さんまで…



なんか、話が見えないので僕は自室に戻って玲奈を待つことにした。



「おにーちゃんおまたせ。」

「待たされたよ。」

「ささ、お布団に入って。」

「はいはい。」


布団の中に入ると玲奈もとなりに入ってきた。

「おやすみ…」

そう言って僕に抱きつき玲奈は…寝た。



「寝れない…」

僕は寝れなかった。

ぼくの息子が全然収まってくれないのだ。

いやこれわざとだろ、と思うくらいに寝相が悪い。だが、寝相を悪くしろと言っていたが、今の玲奈の状態は『睡眠』鑑定結果が間違っていない限り、玲奈が起きてわざとこんなことをしている。

というのは極めてありえない。


今の体勢は、上を向いている僕の真上に玲奈がいて、ぼくのからだをガッチリ捕まえているという構図になっている。

お母さんが手を出す。と言っていたが、玲奈の力が強すぎてそもそも手が出ない。

イチコロではあるが…



〚1時間後〛

だいぶ体勢が変わり、今はぼくが上に来ている。さっきの状態から半回転した感じだ。

頑張って顔をそらしているが、玲奈との距離が、10センチあるかないかの距離で顔が当たってしまいそうだ。


玲奈の吐息が首筋に当たってくすぐったい。









「おはよー」

朝一番にお母さんが凸ってきた。

「ごめんね〜」

出ていった。


「おかーさん誤解!!」


「白ね。チッ」

娘の貞操が無事なんだら喜べよ。


「子供はもうチョット先ね…」

だからなぜ?!

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