転生したら最強主人公で良いじゃん

いろは

第1話

「何でこうなったんだよぉぉぉぉ!!」  


 ある晴れた日のこと、

 俺こと赤石涼真あかいしりょうま15歳は

 高校1年生になるはずだったんだが、

 登校中に交通事故にあい異世界に

 転生してしまったのだ。


 2050年4月1日

「あれ…?俺、死んだはずなんだか…」

 

そこは天国とも呼べるほどに神聖かつ

 神々しい場所であった。

 そこに女神と呼ばれてそうな人?

 がこっちに来た


「ようこそ、天聖てんせいへ。」

「………………え?」

 俺は目の前にいる奴がなにを言ったのか

 全然分からなかった。


「あら、すいません。私たち女神の声は

 人間には聞こえなかったわ。」


 またも聞き取れない事を発したと思ったら

 聞き取れていた。


「あれ?言葉がわかる」


 言葉が分かるようになった俺はすぐ前に

 いる奴を凝視していた。


「あらあら、そんなに見られたらはずかしいわ」


 奴は恥ずかしそうに頬を少し赤く染めていた。

「ここは、どこなんだ?」


 俺はそこにいる奴に疑問をぶつけた。


「ここは死んだ人間達を『転生』させる

 場所、『天聖』よ」

 奴はここを「天聖」と言った。


「転生出来るのか!?」


 俺は生粋の転生もののラノベを好んでいた。

「ええ、そうよ」


 奴は淡々と答えた。

「ついに、異世界最強になってハーレムが出来るぜぇぇーー!!」


 俺はものすごくテンションが上がっていた。

「で、お前はだれだ?」


「 自己紹介してなかったわね。私はシルフィーと言うわ。よろしくね。」


 奴はシルフィーと名乗った。

「ああ、俺はーーー」


 俺が自己紹介しようと思ったら遮られた。

「赤石涼真、でしょ?」


 シルフィーは俺の名前を知っていた。

「そ、そうだけど、なんで知ってるんだ?」


 俺がそう聞くとシルフィーは「待ってました」ばりにぱっと笑顔になった。


「私は女神だから何でも知っているんです」


 とシルフィーはふんぞり返ってた。


「意外と子供なのな」


 俺は幼馴染みだった女の子を思い出した。

「悪い?っと余計な時間を取らせたわね」


 シルフィーは思い出したかのように言った。

「涼真、今から貴方を転生させるのだけどーー」

 シルフィーは業務をこなすかのような口調で言った。


「待ってましたぁぁ!!」

 俺はついに転生出来ることを知りシルフィーの言葉を遮ってまでもはしゃいでいた。


「少し落ち着きなさい?まずは、初期装備ーー」

「伝説の剣で!!!」

 俺はかっこいいものを好きないわば厨二病みたいなものだ。


「だ・か・ら・!人の話を最後まで聞きなさい!!」

 シルフィーはすごい剣幕で怒鳴ってきた。


「ご、ごめんて…」

 俺は素直にシルフィーに謝った。

「まったく、いい!?あなたを転生させる事で1つ問題が発生しているの。」


 シルフィーから申し訳なさそうな顔を向けられた。

「それは、初期装備を与えることが出来ないことなの。」


 シルフィーから発せられた言葉は思いがけないことだった。

「なんでだよぉぉぉ!!!」


 俺はシルフィーの体を揺さぶりながらいった。

「ほんとにごめんなさい。こっちのミスで初期装備を届けてもらえなくなったのよ。」


 頭を深く下げて謝られた。

「な、なんとかならないのか!?」


 俺は諦めきれずにいた。

「なんともならないわ。だから違うものを渡したいの。」


 平然とした声で言われた。

「な、なにをくれるんだ?」

 俺は意気消沈したような声だった。


 ……ガシャン。

「普通の転生者よりお金をたくさんあげるから、これで頑張ってもらえないかしら」


 たくさんのお金が入った袋を渡してくる。

「結局お金かよ」と心の中で思ったけど口にはしなかった。なぜかって?それは、シルフィーが泣いていたからだよ。俺は自分で言う

のも何だが実は優しいからな。そんなわけで

 首を縦に振らざるを得なかった。


「ほんとにありがとう!」

 俺は感謝されるような事はしてないような、まぁいっか。


「では、転生しますね。」

 シルフィーがそう言うと自分の周りに魔方陣が浮かび上がってきた。


「おぉ、すげぇ。」

 俺が感心している間に目の前が真っ白になってきた。


「またね。」

 とシルフィーが言ってくれたことは分からなかった。

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