第16話 最初に歌う人

「え、あ、う」

 マネージャ。顔が真っ赤になる。

「なんで」

「あ、ああ」

 最近は自宅と番組と彼女の部屋を行き来する生活で、他人への説明そのものを忘れていた。

「俺、触った人の感情が分かるんです。好きとかきらいとか、あと、なに考えてるかとか」

「な、え。感情が?」

「はい。だから、ええと、困ったな」

「あの、お二方」

「うわっびっくりした」

 彼女。ドアを開けてこちらを見ている。

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