次の感想は、樹　亜希　（いつき　あき）様の「害虫駆除をひそやかに」です。

まずは全体的な感想を書きます。

文章を書きなれているなあと思いながら、読みました。例えが絶妙で引っかかるところが何一つありませんでした。

描写に関しても装飾気味でもなく、ちょうどよくて塩梅が上手いなあと感心しました。

物語も三人称ながら瑠璃子の視点で進み、彼女の行動、思考にもやもやしながらも、先が気になって一気に読んでしまいました。

サスペンスとして面白かったです。

さて、下記ネタバレ感想書きます。

☆

サンペンス、殺人事件タグを確認して、恐る恐る読み始めました。

そうして誰が殺害されるのかと。

瑠璃子は真面目で普通の、そして少し美しい主婦なのでしょうね。それが何の因果か、結婚した夫は少しモラハラ気味で、義理の母は問題老女。

殺害動機は理解できますが、その後の行動がちょっと……。

瑠璃子の義理の家族は、息子が言うようにかなり常識外れ。

しかし、瑠璃子自身もいつの間にか長期のストレスで歪んでしまったのでしょうか？

性に開放的で、人生を謳歌する。

いつの日か、息子が真実を知った日はどうなるのか？

また黒田がかぎつけた暁には……。

どうしようもない家庭環境、きっとどこかでありそうな家庭の事情。そして誰もが持ちそうな殺害動機。それを実行するか、しないかはその人次第。

また、こんな家族から解放される方法は他にもあったはず……。

そう考えてしまいました。

瑠璃子はリルコという人格を作り出し、一時的に逃げているようですが、彼女の人生はどうなるのか。

このまま、薔薇色の人生のまま終わるのか、はたまた……。

ハラハラしながら最後まで読みました。

面白かったです。

この度は企画にご参加いただきありがとうございました。

次の感想は、齋藤雅彦　様の「ザリガニはこう言った」です。

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