回数券をめぐる冒険および津軽線代行タクシー

 回数券とはJRの場合10回分の片道料金で11回分の乗車が可能となるシステムである。

 コロナ毒のせいで通勤をしなくなったせいという理由で、回数券の販売をやめることとなった。

 個人的には、乗った回数によって利益を得ることができる回数券の販売をやめるのではなくフリー切符の販売をやめるべきだと思うが回数券をやめるという判断をしたことに対して何か文句を言う筋合いは僕にはない。



 JR東日本・東海・四国が2022年9月30日、JR北海道は11月30日に回数券を廃止したことにより、JR6社での普通回数券の販売は終了した。

 ところで、JR北海道での回数券の販売休止の案内にはJR東日本とまたがる回数券を11月30日に廃止するという文言が入っていた。

 なので、JR東日本単独の回数券は11月30日時点では買えないが、JR北海道とまたがる回数券は購入可能であるということがわかる。


 なのでJR東日本とまたがる回数券について販売できるかどうかについて考えるべく実験を行った。



 実験① 指定席券売機で回数券を買う。

 JR北海道の指定席券売機(当然ながら普通の券売機でも)で回数券を買うことにした。

 それ以前に、みどりの窓口でも買うことができるが、実際に買わない回数券を買うためにみどりの窓口に行くのは頭のおかしい人がやる(それ以前にこんなことをやる時点で頭がおかしいのだが)ことなので、まずは券売機でやってみることにした。


 琴似駅の券売機で実験をしてみた。札幌〜桑園のような琴似駅を発駅もしくは着駅としない回数券は買えないようだ。

 操作してみると、当然青森までの回数券は売っているわけがなく、近隣のだいたい100㎞までの券が販売されていた。そのことから、青森駅から100㎞の駅の自動券売機で調査することとした。


 最初は木古内駅が100㎞圏内だと思っており、HOKKAIDOLOVE6日間周遊パスと道南いさりび鉄道パスで何とかなるかと思っていたが、時刻表を読んでいると、木古内駅は青森駅から100㎞を超えていることに気づいたので、奥津軽いまべつ駅に行く羽目になることが確定した。


 行き方を考えた際、JRホテルアンドレールパックで青森まで行き、津軽線で蟹田まで逆走し、そこから代行タクシーで津軽二股まで行くこととした。


 最初に予約をしたら、12月4日出発で予約をしているという頓珍漢なことに気が付いた。

 6千円のキャンセル料を払い、11月30日出発で予約を取り直した。

 青森までの往復切符と宿泊費は1泊2日で2万円だった。


 出発の前日は全く眠れなかったのと、7時前の列車だったので、寝ないで札幌駅に向かった。

 いつもはフリー切符ばかり使っているので乗り遅れても問題ないが、今回は乗り換えが必要となるため、新函館北斗での乗り換えで失敗するかと思ったが、普通に降りることができた。当然だが前日予約をミスったのでそう思うのも仕方がない。


 新幹線に乗る前に新函館北斗駅で途中下車できたので、新函館北斗駅の指定席券売機でも回数券の販売実験をやることとする。

 新函館北斗駅の指定席券売機では、在来線の回数券しか買えなかった。

 まさか木古内駅も買えないとは思わなかった。

 新函館北斗駅は相変わらず何もないし、時間をつぶそうにもどうにもならないので新幹線に速攻で乗ってデータ入力等の業務を行っていた。

 

 新幹線に関していつも空気輸送のくせして3割ぐらい乗っていたりしていた。

 朝とか晩は人は乗らないくせに混んでいた。珍しい。1時間適当に乗っていた。

 その後新青森駅で30分ぐらいまたされていた。考え直してみれば乗り換えとしてくそじゃねえか。

(新函館北斗で30分またされるのは、北斗はどうせ遅れるから、新幹線を待たせられないから仕方ない。)


 青森に到着して津軽線の代行タクシーの乗り方について奥羽線の乗り換え案内では駅に聞けって言われたので駅に聞いてみたら回答をたらいまわしにされて卒倒しそうになった。ともかくやり方を確認し、蟹田行の列車に乗る。


 蟹田行の汽車は2両編成でも高校生が大量に乗っていた。蟹田まで行くと散っていき、蟹田からの代行タクシーはワゴン1台に学生と地域住民と旅行者と変態が乗っていた。


 太平で学生が降り、奥津軽いまべつで旅行者と変態が降り、今別市街にタクシーは去っていった。奥津軽いまべつ駅の階段を上り券売機に向かう。指定席券売機には回数券表示がなかった。なので奥津軽いまべつまで来てなんの成果もないということはつまらないし3万円をどぶに捨てたことになるので、みどりの窓口に問い合わせてみることとした。

 俺「青森までの回数券って発券できますかね?」

 駅員氏「マルス端末でやってみますね。」

 マルス端末を操作する。

 駅員氏「マルス端末では発見できますよ。買いますか。」

 俺「ためしにお願いしてみただけです。すいません。」

 迷惑な客である。


 指定席券売機をいじっていると、HOKKAIDOLOVE6日間周遊パスが買えたので、それを買入した。そしてデマンドタクシーが定時運行されているということだったのでそれに乗って帰ることとした。

(どうでもいいがデマンドタクシーが1525奥津軽いまべつ発蟹田行、新函館北斗から来る新幹線が1535発なので接続をとっていない。もともとが接続がくそであることは言うまでもないが。)

 帰りのタクシーには誰も乗っていなかった。

 津軽線は滅びておしまいだなと思った。


 おわり。








 













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